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武装社長直隷都市伝説部隊

作者: 尚文産商堂

都市伝説は多数ある。

特に、世界最大の民間軍事会社となっている手野武装警備は多い。

その大多数、99.9%は嘘だ。

たんんる都市伝説に過ぎない。

だが、ごくわずかに事実が紛れ込んでいる。

その最大のものとして、武装社長直隷の特殊部隊があるという話がある。


都市伝説では、その人らは極悪非道、手野グループの経営を維持するために、必要な裏事業の一切を仕切っている。

他には、維持のために殺人を行うことも厭わず、何もかもが規格外だとか。

それらは嘘だ。


手野武装警備の惑星総本部がある手野島には、武装社長の執務室がある。

その一角には、完全防音され、一切の電子機器が持ち込めないように細工された部屋がある。

地下深くにつながるエレベーターシャフトと机、いすがあるだけの小さな会議室だ。

「おはよう諸君」

武装社長が執務室から小会議室へと入る。

すでに5人の人員が椅子に座っていた。

彼らは4人が陸上大尉、1人は陸上少佐の服装をしているが、それはあくまでも表向きのものだろう。

武装社長の入室と同時に全員が立ち上がり、頭を45度下げ敬礼する。

座るように武装社長は促すと、武装社長から一瞬遅れて全員が同時に座った。

それぞれの前にはコップに水が入っている。

が、今はだれも手にしようとしていない。

「武装社長、お待ちしておりました」

今日は水曜日。

午前8時45分からの定例会議だ。

1か月に1度、こうして指定された曜日に定例会議が行われる。

「君らのこれまでの勤務には極めて満足している」

そのうえで、紙を配る。

「今月の任務はこれだ。すべて覚えたうえで、いつも通りに」

「……了解」

少佐が答えると、他の隊員は一斉に水に紙をつけ、指でくるくるとかき回した。

すると、みるみる水が白く濁り、紙が溶けていく。

「それでは、これからも第零小隊の活躍を期待して」

乾杯、と武装社長がいうと、5人は一斉に水を飲みほした。

少し酒臭いが、それもすぐに消える。

「では、また1か月後位にな」

「武装社長も、お疲れの出ませんように」

それから武装社長は5人に敬礼されつつ会議室から出た。

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