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CRY CROWN(クライ クラウン)  作者: 三上集(みかみしゅう)
第3章『~革命軍特殊捜査部隊 紹介編~』
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第一章25 『砂塵に重なる賑わい』

 カウンターの上にいる眼鏡をかけた少女が酒のビンを口につけ、カブ飲みしている。


「プッ、はぁ~」


 頬と鼻先を赤く染める小さな少女。


 革命軍特殊捜査部5番隊副隊長『リリィ=スターチス』。ヴィックの隊のNo.2。

 

 幼女のような童顔にくりっとした瞳。茶髪のショートカットの頭上にかける赤縁メガネ。フェイスラインに垂れる髪が頬の前で揺れている。黄緑色をベースに赤いチェックの入った衣装は、子供服とは裏腹に少し生真面目さをも感じさせる姿にも見える。


(あの子、まだ子供だよな……)


 雨月は苦笑いし額に汗を流した。

   

――ドンッ。


 カウンターにボトル酒を勢いよく置く音。


「次は樽じゃ、シドよ!今日は負けんからな!」


 リリィは飲み干した酒のビンをカウンターに勢いよく置くと……

 隣の席に座り同じように頬を赤めるツンツン頭の男に向かって喧嘩を売るように口を歪ませ話しかけた。


 革命軍特殊捜査部2番隊隊長『シド=エンドアイ』。ロアの所属する隊のNo.1。


 針鼠のようなツンツンとした青白い髪。きりっと細い目の中に輝くサファイアのような青い瞳。リリィと相対して背は高く、襟の長いコートを羽織っている。カウンターに寄りかかる白と青い柄の鞘に入った長剣が異様な存在感を放っている。


「いいぜぇ。それよりお前さ、毎回酒飲む度にばばぁ口調になるのやめろって言ってんだろ。かわいくねぇ~んだよ」


 シドはリリィの頭を鷲掴むと目をつむりながらへへっ、と笑った。

    

 その2人の様子を見る雨月はヴィックへ話しかける。


「あのカウンターに座っている子って今お酒飲んでましたけど、良いんですか?」


「あぁ。リリィか……って、えっ?」


 ヴィックの目が一瞬にして黒い点になる。


 カウンターの上と地に転がる大量の空ビンと酒のボトル。


「はぁぁあ!てめぇら!資源が枯渇するだろがぁああ!」


 ヴィックはシドとリリィの元へ急ぎ走る。


 ヴィックと入れ替わり雨月の前に現れるコルト。   


「ハハハ。傘のお兄ちゃん!リリィ姉はあぁ見えて立派な大人なんだよ」


 ケタケタと笑うコルト。


 酒樽を取り上げようとするヴィックだが、リリィは樽に抱きかかえるように引っ張りつき一向に離れない。シドも樽を守ろうとヴィックの邪魔をするが、ひじで赤らめた頬をグイグイ押される。


 酒樽の取り合いをするヴィック、シド、リリィ。


 それを見て周りのメンバー達も同じように騒ぎ笑う。


「やれやれっ!」


 その騒ぎに気づきコルトの方へ向かって歩くロアがシドを見る。


「あぁ!シド隊長ずるいですよ!私も飲みたいです!」


 シドの隣へ向かうロア。


「お前はまだはぇんだよ。てめぇはまだ子供だ、子供」


 シドがロアを見て冷汗をかく。


(こーいつ飲むと記憶は飛ぶわ。激絡みしてくるわ。の、とんだ酒乱野郎だからな)


「プっ、子供だってよ」


 シドとロアのやり取りを近くで観戦するナキがロアを指さした。

 ロアを見て、笑いあげるナキ。


「はぁああ!」


 そのナキを見るやロアはすぐさま拳を握りしめナキへ近づき……


「いってぇ!」


 ロアはナキの頭をぶん殴った。

 

 たんこぶができたように頭上を押えこむナキ。


「そこまですることないだろ!」


「ふんっ」


 そっぽを向くロアと半べそをかくナキ。

   

「お客さんよ、ロアは怒らすと怖いぜ」


 ナキは周りのメンバーの1人に笑われる。


「あいつ、オレに当たり強ぇんだよ……」



   

――パンッ、パンッ、パンッ、パンッ。


 大部屋に鳴り響くようにロカが手を叩く。


「は~い。ちゅうもーく!」


――ザワザワザワッ。


「は~~い。ちゅうもーーく!」


 先程より少し大きめの声を上げるロカ。


――ザワザワザワッ。


「はーい。ちゅう……」


 ロカはニコニコと笑みをこぼしながら大部屋の中心部へと移動する。


――ビリッビリッ。


 と、いつの間にかロカの振り上げた掌に集まる雷流。


「よしっ!今からこれをぶっぱなしまーす!」


 ロカが天に上げる片手の平に乗る、巨大な雷の球体。


 その球体の存在感に気づくメンバー達は急いでビリビリッとした光を放つロカを見た。


「………………」


 一瞬にして静まり返る大部屋。


「はーい。注目ありがとう!それじゃ、ここ、革命軍特殊捜査部の新しい仲間として加入するメンバーを紹介するね。まず1人目がそこにいる…」

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