お手とおかわり
時間とネタの闘いです
ーシロガネー
「これが冒険者ギルド?」
目の前にザビエル……いや、そびえる~黒がねの……いやいや、普通の建物?
「木造三階建……」
普通です普通過ぎです、これなら、町の入口付近にあった怪しさ倍増の飲み屋さんの方がらしいです。
「何を期待してたの?」
いやいや、リーンさん、僕の知ってるギルドは『コレジャナイ』感ビンビン物語です。
「シロガネ君、余所のギルドを知ってるの?」
「現物を見た事ありませんが、想像でもっと薄汚れてるものだと……」
「中入ったらもっと驚くわよ」
リーンさん、無表情?あぁ無情?何があったんでしょうか(すっとぼけ)
取り敢えず、扉を開けて……あっ、僕が入っても良いんでしょうか?ってか……
「「「「「「……」」」」」」
扉入ったら、左右に凄く強そうなな方々がいらっしゃいます。
何か……こっち見てるような?眼光鋭いってヤツ?ヤバい、弓使いさんが大量発生です、股間が『キュッ』てなります(汗)
ー戦士ガーンズとギルマスー
「おっ、来たか」
シロガネのヤツ、周りの雰囲気に飲まれたって感じだな、キョロキョロしやがって……まぁ、分からんでも無いが……
チラリと周囲を見渡せば……胸に金色のプレート着けた連中がチラホラと……上位冒険者かよ……
『物珍しさか……それとも……』
まぁ、どっちにしても変わり無いか。
「これが言ってたマンティコアか?」
おっと、ギルマスの事忘れてたぜ。
「あぁ、マンティコアの『シロガネ』だ、見た通り大人しいっていうより、気弱だな」
「……」
その表情見れば分かる……言いたい事は……
伝説に聞くマンティコアって言や、強靭な肉体と立派な鬣、神々しさを持った魔獣ってトコ……だよな?
「……これじゃないよな~」
リーンの後ろにコソコソ隠れやがって……
ー神官リーンー
『うっ、全員の視線が痛い』
シロガネ君が、私の後ろに隠れるから、余計に私に注目が……
嫌な汗出て来ました。
『早く誰か、この空気をどうにかしてぇぇぇ~』
「では、今から魔獣調教審査を行う」
あっ、ギルマスさんが宣言しました。
審査……確か、私の言う事を、理解し、守るかどうか……でしたっけ?
……大丈夫ですよね……シロガネ君……
ーシロガネー
『あれ?なんか……周りの空気が変わった……ような?』
目の前の偉そうなオッサンが何やら宣言したとたん?
何々?何なの?デストロイモード発動?あーあーあーあー♪
いや、歌ってる場合でも笹食ってる場合でも無い?!
「では、マンティコア」
「は……はい?」
偉そうなオッサンが右手出して来たけど……何?殴られるの僕?
「お手」
「………………はい?」
偉そうなオッサンが真面目な顔して『お手』って……
あっ、微妙に汗かいてる。
周りの人も変な雰囲気?ちょっと、そこの強そうな人、剣に手をかけるの止めて下さい。
横のリーンさんは……あっ、めっちゃ不安そうな顔、これはやっとかないとダメ?
『ぽふん』
オッサンの手に触れるってのが嫌ですが……
「「「おぉぉ~?!」」」
すみません、なんでみんな驚愕してるの?
「マンティコアがお手をした?!」
「命令聞いたぞ?!」
「本当になついてるのかよ?!」
なんかザワザワしてやがります、何です?ヤバイ賭け事したんですか?カ○ジですか?鉄骨の上渡るんですか?焼き土下座はイヤです。
「で……では、おかわり」
あっ、はい
ギルド奥のバーテンダーさんみたいな方に近づいて
「あっ、御飯下さい、食べ終えたら『おかわり』しますんで」
「「「そっちの『おかわり』じゃない」」」
周囲の人全員からツッコミ食らった。
この人達、出来る!!
次行ってみよ~