ブレないブレない
ーエイミー王女ー
青い空、白い雲、そして広い海、私の右側にはリーンお姉様、左側にはアイラ、まぁ~なんて素晴らしい世界。
『どん』
「おい起きろ」
うっ、私のお尻に衝撃が……何事です、折角エンジョイしてる私に無礼を働くのは?!
「うるせぇ、寝惚けてねぇでさっさと起きろ」
まぁ、この言い種はフェンリルね。
主に向かって失礼な……お仕置きです、えい。
「えいじゃね……ぐがが……」
主に無礼な従者……じゃなかったわ、下僕にはお仕置きが必要ね。
「てめぇ……」
「これエイミー王女、寝惚けながらフェンリルを痛め付けるのは止めてやれい」
この言い方は……ケルベロス?
「やっと起きたかのぉ~。ほれ、フェンリルも起きるんじゃ」
「お……俺のは寝てた訳じゃねぇ……」
「分かっておるわい。それよりもじゃ王女、お主の意見を聞きたいのじゃが」
ふぁ~ぁ、何?私の眠りを妨げる程の内容なの?
「コイツ……」
「ふむ、それ程の事なんじゃよ、ほれ、向こうを見てみぃ」
ケルベロスが私の左側を指差しますが、何です?モンスターでも表れましたか?
「アレをどうしたもんか悩んどったんじゃよ」
……ねぇアイラ、そこに倒れているのってエリザベート王妃に見えるんだけど?
「そう、偶然ね、私にもそう見えるわ」
おかしいわね、私達、王妃に会う予定は無かったハズなんだけど……これも夢?
ーシロガネー
どっこい夢じゃありま記念~♪
「何だコイツ、いきなり?!」
「急に変な事言いだしたぞ?」
「やはり化け物か?」
ちょっとちょっとちょっとぉ~そこの騎士達~特に最後のヒドくない?
ーエイミー王女ー
何かしら?今、とてもイラッとしたわ。
「偶然ね、私もイラッとしたわ」
まぁアイラ、私達気が合うのね、これは早速宿屋に向かわないと。
「ブレねぇなてめぇ……」
「相変わらずじゃのぉ~」
「何を考えてるのかしら?」




