薄壁薄壁
ー戦士ガーンズー
何でこうなっちまったのかな~。
ちょっと夕飯食いに出掛けただけだったのによ~。
「事件は会議室で起きてるんじゃない、ベッドの中で起こってるんだ~タ○パニックだぁ~」
うるせぇぞシロガネ、静かにしてろ!!
ここの壁は薄いんだ、お隣さんに聞こえっちまうだろうが!!
「いや、ガーンズの声の方がデカイ……」
「違うよロータスさん、リーダーのデカイのは声だけじゃないよ」
「ちょっとレオン、そんなアレな事言っちゃダメだよ」
「アインだってそう思ってるんだよね?」
おい、そこの双子、ちょっと黙ってやがれ!!
それよりシロガネ、お前、何で人族の姿なんだ?
「あっれれぇ~そこ?そこに食い付いちゃうの?僕が用意してたボケが台無しだよ?」
う・る・せ・え、いいから答えろ!!こっちも暇じゃねぇんだ!!聞きたい事は山程ある。
「ん~、そうだね。まぁ、簡単に言うと、『人族に変化する魔法』を覚えたんだ。これで多い日……じゃなかった、人通りの多い所も安心院さん」
……そうか。
まぁ、目立たねぇから良い……のか?しかしお前、行方不明だって聞いてたが?
「逆に聞くけど、僕達の行動ってどう伝わってるんでしょうか?」
あん?僕達ってのは誰の事だ?リーンか?
「リーンさんも含めてです。他にもケルじぃちゃんやフェン君、エイミー王女にアイラさんとか」
あん?リーン以外、誰だそいつらは?
「あれ?僕達が戦争に駆り出されたって話は伝わってないの?ほんの数ヶ月前なんだけど」
聖王国が南方の獣人族討伐に向かったって話はあったな、そう言えば。
その後、獣人族の奇襲攻撃を食らって、指揮を取ってた王弟か何かが捕まったって話だったな。
「僕達が参加したって話は?」
参加したって言うより、裏切って部隊を混乱させたって聞いたな。
その為、討伐は失敗、リーンが行方不明って話だったんだが。
「うっわ~あの金ぴか王弟、全責任をこっちに擦り付けやがりましたか」
違うのか?
「全然違いますって、そもそもこの戦争、彼らが討伐とか抜かしてるけど、裏はドロドロしたインターポール……じゃなかった、陰謀渦巻く鳴門海峡です」
いや、言ってる意味が分からんのだが?
「屁の突っ張りはいらんて所?」
だ~か~ら、分からんっつってんだろがぁ!!
「静かにしろ……隣に聞こえる……」
ぐぅ、ジョルジュ、てめぇ……
「うわ~お、弓使いさん健在~そして、相変わらずの殺気、股間がキュ~ってします」
くそう、やっぱコイツと出会うんじゃなかった!!




