濡れ濡れ
ーフェンリルー
なぁじじぃ、やけに下の方が騒がしいと思わねぇか?
「そうじゃのぉ~、悲鳴と言うか、怒号と言うか」
そうか、やっぱ聞こえるよな?って事は、俺の気のせいって訳でもねぇよな?ついでに言えば……だ、『竜が飛んでる』って聞こえるんだが……気のせいじゃねぇよな?
「う……うむ、そうじゃのぉ~、そんな気もする……かのぉ~?」
なぁ、俺達はコッソリ行動するハズだったよな?あのバカをオトリにしてでもコッソリと、そう言ってたハズだよな?なのに、何で一番目立ってんだよコンチクショー!!
「落ち着きなさいフェンリル、今の私達にとって、一番大事な事はそこじゃないわ」
あん?クソ王女のクセに何言ってんだよ?そもそも、てめぇがこの竜に魔法ぶっ放なさなければ良かった話なんだよ、分かってんのか?あぁ?!
「何を言ってるの?竜が目の前に居たら、まず魔法でしょ?常識よ?」
よし分かった、てめぇの常識が非常識だって事が分かった、だから静かにしてろ!!
「まぁフェンリル、ヒドイわね」
あぁ?何の話だ?
「私をこんな『濡れ濡れびちょびちょ』にしておいて、そんな失礼な事を言うなんて」
失礼なのはてめぇだぁー!!何言い出してんだごるぁー?!
「主であり王女でもある私を『濡れ濡れびちょびちょ』にしたのよ?反省しなさい」
よし竜、もう一回コイツを口ん中に入れろ、今度は飲み込んでもいいぞ。
「いや、さすがにそれは止めておけフェンリルよ」
止めるなじじぃ、コイツは一度、ヒドイ目に合うべきだ!!
甘ぇぞじじぃ、アイツを見ろ!!
「アイラ、私、こんなに濡れ濡れになってしまったの、優しい貴女なら慰めてくれますわよね?」
「生臭い、こっちに来ないで」
「まぁアイラったら、一緒に『濡れ濡れ』になりましょう」
「絶対イヤ」
見ろ、コイツは『あれだけ』の事がありながら、それをエロに変換するんだぞ!!
「う……うむ、じゃがのぉ~」
世のため人のため、この辺で始末しとかないと
「しかしのぉ……」
いいかじじぃ、このクソ王女はだ、元々、あのバカが来る前は、人に迷惑かけるポジションだったんだぞ!!それを俺達でフォローしてたんだ、忘れたのか?
「た……確かに、マンティコアの小僧が来る前は、エイミー王女がトラブルメーカーとやらじゃったが……」
今こそ始末する時
「はい『天罰』」
ぐがぁぁぁー!!てめぇ……脳を……
「いくら『温厚でハーフビターて甘口』な私でも怒りますわよ?」
ぐぐぐ……人の脳ミソに……攻撃仕掛けるヤツが……何言ってやが……る!!
「私がルールですわ」
ふざけんなー!!




