襲撃者の始末始末
ーフェンリルー
お~いドラゴニアの兵士、こっちにも不審者がいるぞ。
早く連れてけ。
「うわぁぁぁー待ってくれぇー、頼む、助けてくれ」
何でだよ?赤の他人を助けてやる程優しくねぇぞ?
しかも、武器持って侵入してくる様なヤツにどうしろと?
「いやだいやだいやだぁー助けてくれぇぇぇー」
すげえ嫌がり様だな?この国って何かヤバいのか?
「ふむ、噂によるとじゃな、反乱や暴徒は根切りらしい」
根切りって……おいおい、ここは戦国の世かよ。
どっかの『首置いてけ』野郎が出てきそうだな?
「なんじゃそれは?」
いや……こっちの話だ。
それで、襲って来た連中は全部捕まえたのか?
「ふ~む、数人逃したらしいぞ。まぁ、百人もの襲撃者じゃからの。仕方があるまい」
どこの国も何かしら厄介なんだな。
「まぁのぉ~、こ奴等の場合、人以外が国を支配している現状が嫌なんじゃろな」
嫌なら出て行けばいいだろ?
「あぁ違う違う、こ奴等は『この国の支配者』になりたいんじゃよ。他所の国に行っては、ただの一般人になってしまうじゃろ?じゃから、その国の支配体制を崩して、自分達が収まりたい、そんな所じゃよ」
よく分かるなじじぃ、年の功ってヤツか?
「ちょっと違うのぉ~。経験則とでも言うヤツかの」
ふ~ん、そんなもんか?
おっと、ドラゴニアの兵士長ってヤツが来るぞ。
何かあったのか?
「お話中にすまないが、相談事があるんだが……」
「相談と言われてものぉ~、ワシらは厄介者じゃ。出来る事は少ないと思うがの?」
「いや、貴殿等でなければ出来ない事なのだ」
おいじじぃ、さっさとソイツを渡してやれ。
泡吹いてやがるじゃねぇか。
「おっと、不審者が気絶しとるのぉ~。ほれ兵士長殿、さっきの襲撃者の仲間じゃよ」
「おぉ、捕まえて下さったか、ありがたい」
さぁ、用事は終わったよな?さっさと国境に
「お話と言うのは、この襲撃者に関しての事なのだが」
勝手に話進めようとするんじゃねぇよ!!
大体、俺達には関係無いだろうが?!
「いやいや、貴殿等を襲ったと言う事は、もしかしたらと言う可能性も」
無ぇよそんなの!!
おいじじぃ、何とか言ってくれ!!
「ふむ、内容次第じゃのぉ~」
おいじじぃ、その受け答えはダメだろうが!!




