家畜家畜
あっ……マンネリ化?
ーシロガネー
最近の僕は、朝から晩まで荷物運びです。荷馬車の馬の気持ちがもの凄~く分かる気がします。きっと馬達も
「くぅ~らぁ~い~もっと光をぉぉぉ~!!」
っと、叫んでるに違いありません。
そう、今こそ我ら『荷運び』は立ち上がる時~
『ごきゃっ』
うぐぐ~ノーモーションでノー声かけですかリーンさん?痛いです、痛過ぎです、せめて心構えを与えて下さい、家畜からのお願いです。
「誰が家畜なんですか?」
「も……もちろん僕です」
ビシッと背筋を伸ばします。えぇ、周りを通り過ぎる人々が笑ってますが、僕には死活問題です。
「……はぁ~」
あっ、諦めた、よしよし今日も生き延びた。
ーリーンー
「自ら『家畜』を名乗るなんて……」
マンティコアってこう……気高いイメージだったんですが?
「けだかいですよ~?ほらほら~鬣を擦ると、静電気で毛が高く~」
『ごん』
「~~~!!」
あら、頭叩くより脛叩く方が効くのかしら?叫び声も無く泣いてるし……
「す……脛は止めな~ボディにしな~」
「余裕あるのね君……」
「そんなに誉めなくても~(てれてれ)」
誉めて無い誉めて無い、どこに誉める要素があったのかと?!
「三丁目の角辺り?」
「どこよそれ?」
「いっつも、お菓子くれるお婆ちゃんの居る通りです」
何貰ってんのよ君は……だから、たま~に甘い匂いさせてたのね?
「リーンさんもいります?美味しいですよ?」
「……結構です」
「おやおや~?ちょっと躊躇いましたね~?」
ニヤニヤしながらコッチ見ない!!
「んも~甘い物好きなら好きって言ってくれれば~」
あぁ~もぉ~殴りたい、この笑顔
ーシロガネー
ありゃ~拳握ってプルプルしてる、我慢の限界もあと僅か?我慢は体に良くありませんよマイ・マスター?
「誰のせいだと思ってるのよ?」
「もちろん、僕のせいです(どやっ)」
あっ、額に手を当ててる?何で?ちゃんと答えたのに?
「分かっててやってたの?」
「もちろんです、プロですから」
「な・ん・の・プロよー!!」
おぉう、良いパンチ、世界を狙えるストレートだゼ……って、そこから八の字?!まさか、伝説のデンプシーロー……
『がごっ』
パンチと見せかけて踵落としとは……流石です……げふぅ~
よし、次は急展開に?




