外出外出
一日一歩~三日で三歩~♪
ーシロガネー
は~い皆さんコンニチハ~今日、僕は冒険者ギルドに向かってま~す。
何でも、本国の冒険者ギルドに登録された事で、自由に出歩く事が可能になったんだとか……うむ、サラバ~ニートよ~旅立つ船は~宇宙~戦艦~や~ま~モト・ヨーコ、ヨーコはま横須賀~♪
「君は何を言ってんのよ?」
あぁ~リーンさん、僕の初めての冒険ですので、その喜びを歌ってみました(どやっ)、あっ、そんな悲しそうな顔しないて。
ホントに泣きそうな顔してる……何故に?!
ーリーンー
大陸全土で、モンスターテイマーは10人程居るそうです。ただ、獣神クラスを連れて居るのは、私を含めて3人だとか……3人……何でしょう、猛烈に嫌な予感がするのですが……
「リーンさん、眉間に皺が……あぁ~美人が台無しですよ、ほらほら、スマイルスマイル~僕のお顔をお食……」
『ごきゃっ』
あっ、ついウッカリ裏拳が入ってしまいました。周りの人々が若干引いてる気がしますが……まぁ、気のせいでしょう、うん。
このマンティコアは、見た目が『マンティコアらしい』だけで、中身が『ヘタレ』と有名になってますし。
「何をしてるんですかシロガネ君?道の真ん中で転がってたら、みんなの迷惑でしょ?」
「ちょっ、裏拳で鼻っ柱叩いといて、その態度と言い種は……素晴らしいです、マイマスター」
両手で鼻先を押さえながら、二足歩行で『ひょこひょこ』こっちに歩いて来るとは……器用な……
「次は、その耳を抉り取りますよ?」
「りょ……了解でありま~すマイマスター」
二足歩行しながら敬礼するとか……君は本当に器用ですね。
「いや~それほどでも……ありますよ?」
「誉めてません!!」
ホントにこのマンティコアは……
ーガーンズー
「よう、久しぶりだなリーンにシロガネ」
久しぶりに見たが、二人とも変わらないな。お、シロガネの首に赤い首輪?
「それが例の……か?」
「えぇ、これが本国から送られて来た『証明』だそうで」
「ふむ?」
見た目は……ただの首輪だよな?
「首輪付きです」
「見りゃ分かるんだよ!!」
なんだシロガネ、その残念そうな顔は?
「お前で28人目、恐れるな」
「だから、何言ってんだよ??」
さらに残念そうな顔するんじゃねぇよ!!
ーシロガネー
う~ん、やっぱこのネタは、誰も分からないですか~
「ってか、アナタの言う事は殆ど分からない事ばかりよ!!」
いやいやリーンさん、ネタと言うのは万国共通、ならば、異世界でも通じるハズ?目指せエンターテイメント。
「……」
あぁ~その鋭い目、流石です、虫けら以下を見る目です……あれ?僕、変な方向目指してる?
「と……取り合えず、今日は僕の初仕事なんですし、ね?ね?」
「……」
あぁ~リーンさんの顔から表情が抜けて行く、ちょっとバ○子さん、代わりの顔持って来……
『ごきゃん』
あっ、地面が近づいて来る~これはアレですね?僕、またフルスイングでぶん殴られましたね?あぁぁ~何て事だぁ~あぁ~時か見え……
「『どっ』と言う音と共に、地に倒れ伏すマンティコア、うん、絵になるな~」
なんか、遠くからガーンズさんの感心したかの様な声が聞こえたような?あぁ~意識が遠退いて……く。Zzz~
三~歩進んで四歩下がる~♪