計算計算
ちょっとほのぼの路線?
ーシスターー
えっと……今、私の前で起こっている状況をどう考えれば良いのでしょうか?はて……前も同じような事があったような?取り合えず、例のマンティコア……シロガネ君と言いましたかね?彼が……
「ここの計算は、ココが足して4に、1繰り上がった分足して2、結果答えは24になるんだよ」
「シロガネすっげぇ~計算出来るんだ~」
「そりゃ~高校生だったし、大学行くつもりだったから、これくらい簡単簡単~」
16+8って問題を子供達に教えてたんですが……一番後ろの子が「分からない」って言ってたの聞いて、アドバイスしてたんですよね……マンティコアって、賢いんです……か?器用に爪で計算式書くし……
「本当に人間だった……のかしら?」
子供達は「すっげぇ」「大学って何?」「この問題分かる?」って、概ね好意的だし……
「う~ん、どうしましょ?」
ーシロガネー
あれ?何か、シスターが困り顔?大変そうだと思ったから手伝ったんだけど……後、タダ飯はちょっと……
「君は何やってんのよ?!」
「あ、リーンさん、子供達に勉強を教えてたんですよ」
「……はぁ?」
そんな不思議そうな顔しなくても
「いやいや、この程度の問題だったらお茶の子さいさい~サイサイシー真・流星○蝶拳~」
あ、不思議そうな顔が不自然な顔に?!
「子供達に変な事教えないでよ?!」
なんで念を押されたんでしょ?念使い?思念系?僕は雑念系~リーンさんは残念美人け……
『ごりっ』
ぐはぁ~痛い、メイス当てながら抉ったら痛い!!
「シロガネ君?」
あら、良い笑顔、でも知ってるんだ、リーンさんが良い笑顔をしてくれた時は、酷い目に合うって。
つまりこれは
「上げて落とす戦法」
『ごきゃっ』
あっ……頭蓋骨から鳴っちゃいけない音がしたぁぁぁ~!!
さよならテンさ……おっと、ヤ無茶しちゃいけないゼ~、僕にはまだ帰る場所があるんだ~多分?
そんな事を思いながら、気が遠くなって行きます。
ー神官リーンー
シスターに確認したら、本当に勉強教えてたみたい……
「でも、普段の行いが……ねぇ」
どうにもシロガネ君に謝りたく無い気が……
「それでも時と場合によっては、頭を下げないと」
シスターが諭してきます。えぇ、分かってます、シスターエレナ、あっ、エレナって言うのは、私達、孤児達の母とも言うべきシスターの名前です。
みんな、陰では『エレナお義母さん』って呼んでますけど。
「いい話や~」
「何、聞いてるんですか君は?」
復活してきたシロガネ君をグリグリしながら今日も過ぎて行きます。
そんな事は無かったよ