冒険の始まり
もし、この世界に水がない草もない名も無き街があったら人はどうするだろう。
ビュービュー吹き荒れる夏の夜、ある砂漠の真ん中で一件ポツンと家があった。その家は灯りひとつなく寂しそうな雰囲気を出していた。その家には1人の少年が住んでいた、名はアクラス・ロア。
この少年はこの物語の主人公になる男だ!
「ってこんな感じかな??今年の学園祭はキッツイなぁ〜〜こんなの読まされるとか!」
牙がマジマジと台本を見ながら言った。
「まぁいんじゃない?逆波にしては上出来だと思うし〜」
「ありがとっ!雪音!!じゃあ今日はバイトの面接があるから先帰るわ〜」
「いいよ!バイト頑っ、、、、」
バタンッ!!!ドアが閉まる音が鳴り響いた。
「いつも帰るときは早いんだから、、」
雪音が小さな声でつぶやいた。
バイトが終わった牙が家に帰って寝たときだった。目が開けれなくなり体が宙に浮く感覚におちいっていた。一方、雪音も牙と同じ感覚におちいっていた。
目が開いた時には見たこともない砂漠の真ん中に2人とも倒れこんでいた。
「な、なんだよここぉぉぉぉおお!」
動揺を隠せない牙が大声で言った。
「知らない。でも、家があるよ」
冷静な雪音は真ん中にある家を指差した。
すると牙が、
「ちょっと待てよ、砂漠の真ん中に家???」
「うん!あるじゃん、私たち帰れるか分からないんだから今日、一日でも泊めてもらお」
その時!
「あっ!!!!!!」
牙が何かを思い出したように大声をあげた!!!
「ここ、台本にあった家の場所!!」
その家に近づいてみると確かに家の扉の横にはアクラス・ロアと書いてあった。
雪音が家の扉をノックしようとしたときだった。
「雪音、背中になんか付いてるぞ?」
と牙が雪音の背中に付いていた謎の紙を発見した。
何だろうと思い読んでみると、
《この名も無き街に呼ばれた2人の若者よ。
今この街を昔のにぎやかだった街にしておくれ。》
と書いてあった。