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友情とか同情とか、まあそういったモノで彼を救おう(1)

「…そんなの、嘘だ」

少年は呆然と、掲示板を見上げている。

「こんなの何かの間違いだよ」

けれども、それは現実だ。

久遠川原学園内の掲示板に貼られた、 1枚のリスト。

無機質な明朝体で書き出されたそのリスト、ずらずらと並ぶ人名の中には…彼の兄の名があった。

「兄さんが、留年だって…?! 」

信じられなかった。信じたくなかった。

憧れの、尊敬すべき自分の兄が…進級できなかった、と言うのだ。

「…!! 」

ぐうっ 、と、目の奥に熱いものがこみ上げてくるのが分かった。

このままだと泣いてしまいそうだ、と。

そう思った瞬間、少年は踵を返し、一目散に駆け出した。

「うわっ!」

弾丸のように走って来た青年を、ポニーテールのセーラー服少女が驚いて避ける。

だが、詫びるどころか振り向きさえしないまま、真っ直ぐに真っ直ぐに彼は走り去っていく…

少女は少しばかりむくれたような表情で彼の背中を見やり、むー、とうなた。

「あっぶないなぁ~…なんだろ?」

いや、「少女」ではない…外見からしてそうとしか思えないが、れっきとした男性。彼こそがセーラー服ニンジャ・犬乃さんぽ(ja1272) である。

ふと、先ほどの少年が来た方向に目をやるさんぽ。

その青い瞳の中に、掲示板が飛び込んできた。

「何かびっくりすることでも書いてあるのかな」

てくてくと歩み寄り、張り出された文面に目を走らせる…

と。

「あ…ああッ!」

目を丸くするさんぽ。

そこには、彼も知っている人物の名があった…



「とにかく、落ち込みようがすごくって…」

黒髪眼鏡の青年は、テーブルに頬杖をついたまま、はあ、と沈痛なため息をつく。

学園内のカフェのテラス席。

風は少しずつ冷たくなってきてはいるが、それでもぽかぽかと明るい陽光が心地いい、この季節。

「そうかー…随分傷ついちゃってんだな」

「そうなんですよ」

その向かいで椅子に思いっきり寄りかかりぎいぎい悲鳴を上げさせているロングヘアの美女も、眉をひそめて深く息を吐いた。

青年の名は、若杉 英斗(ja4230) 。

彼が今心を痛めているのは、何も彼自身が抱える問題のせいではない。

生まれてこの方彼女ができないのを嘆いているからでもなく、日毎にますます非モテオーラのレベルが上がっていっているからでは決してない。

では、何が彼の傷心の原因かというと…

「…意外と繊細だったわけね、ラグナ君」

七種 戒(ja1267)がはふー、と吐き出した感想に、若杉も大きくうなずいた。


さて、ここで我々は思い出さねばならない。

撃退士ブレイカーとして魔具を手にし、天魔と呼ばれる人ならぬ外敵と命を懸けて戦う戦士たちである彼ら…

彼らはれっきとした学生…久遠ヶ原学園の生徒である、ということを。

生徒・学生である、ということは、その本分は何より「学業」である、ということだ。

久遠ヶ原学園の進級試験は秋に行われ、それにより大半の生徒が無事に新たな学年に進級する。

もちろん自由・自主・自律が幅を利かせているこの学園だ。

例えば文化祭などで大暴れしたとしても、ほとんど授業に出ていなくても、アルバイトの方がむしろ皆勤であったとしても、たいがいの生徒は様々な(そして時には非常によろしくない)手段により進級を果たす。

けれども。

「大半」という言葉は、「すべて」という意味を表すことはない。

すなわち。

一握りの者は、それを果たせない。

万を越える生徒を抱えていながらもその数が非常に極小であることは教育機関として賞賛されるべきことではあるが…

そうして今年も、「原級留置措置」いわゆる「留年」とあいなった生徒が紅葉の季節に涙を流すこととなったのである。

そして、そのリストに名を連ねていた者のうちの一人が…


「…ラグナさん、もう生気を失っちゃったって感じが可哀想すぎて。見てられないですよ」

「うーん、何でかなあー?そーんな勉強がアレ、ってふうにも見えないんだけどねぇ」

彼らの会話に浮かぶ男。

本名は「ラグナ・ラクス・エル・グラウシード」。通称ラグナ・グラウシード(ja3538) 。

一応はヨーロッパ貴族の出自らしいが、今は誰もがそれを疑いたくなるほどだらだらした生活を送っている…

一人暮らしのアパートで自堕落な暮らし、自分が「彼女いない歴=人生」なのを恨むあまり、リア充爆破に血道を上げる。

おまけにその憂さ晴らしに酒に溺れる毎日…

付いたあだ名は、誰が呼んだか「非モテ騎士」。

誇り高き神聖騎士ディバインナイトの名をある意味汚しまくっている、12月25日生まれの20歳。

そんな彼がこの度、栄えある留年生の一人と相成った訳なのである。

まあ当たり前の話であるが、彼も人の子であるので…人並みに傷つき、それはそれは鬱々としている、というのだ。

そんな彼を見かねた心優しき眼鏡が考えたアイデア。

それは…

「…なんで、ここは一つ、ラグナさんを励ます意味でも…パーッと明るくパーティでもしたらいいんじゃないかな、って」

「おっ、いいねえそれ!じゃあ、どっか借りないと」

若杉の提案に、ぱっ、と顔を輝かせる戒。

もともとそういうお祭りごとが大好きなのだ、乗らない手はない…それに何より人助け、ラグナの不幸を喜んでいるわけではない。

「えーっと、もう目を付けてるところはあるんですけど…大学部の校舎に広めの小屋みたいなのがたくさん並んでるところありますよね?」

「ん、あるある」

「よかったら七種さんに借りてもらえないかな、って」

「おけー!せっかくだから、たくさん呼んで騒ごうじゃん!」

こういうことは戒に任せておけば間違いはない。

言うが早いか、手にしたスマートフォンで早速仲間にテキストメッセージを送り出す…

あっという間に話は転がり、愉快なパーティの開催が決定したのであった。



「ありゃー、ラグにゃんたら、留年しちゃったのー。おにーさんでも受かったのに、こりゃ相当だねー」

百々 清世(ja3082) が普段通りのまったりした口調で言うものだから、余計に当事者の哀れさが引き立つというものだ。まるで、文末に「(´・ω・)」という顔文字が浮かんでくるよう。

「だよなぁ。まさか、あの試験で留年する奴がいるなんて思わなかったぜ」

アラン・カートライト(ja8773) も「まったく同感だ」と言わんばかりの調子でうなずく。

戒の手腕で、うまいこと会場として使われていない部室棟の一室を借りる算段をつけた一同。

悪友たちも合流して、さっそくパーティのための飾り付けを開始した…のだが。

「どうせなら、派手にやろーぜ★」

というアランの一言によって、横断幕に万国旗、天井飾り…といった、最初の想定以上の豪華な装飾にすることになった。

まあ、もちろん、それも彼らにとっては遊びの範疇で。

「ちょ、ちょっと!さ、さすがにそれはむごくないですか?!」

「えー?」

輪飾りを延々と作り続けていた若杉が、それをみた途端思わず声を上げてしまう。

横断幕にアランが書いたフレーズが、赤のペンキででかでかと「留年おめでとう★」と祝福している。

「いいじゃん、こうゆーのはさー、もう開き直っちまって、思いっきり明るくやっちまったほうがいーんだよ」

当のアランはからっとしたものだ。

それこそ「何が悪いんだ?」とばかりに金髪を揺らして微笑するばかり。

「そーうそう、そのほうがラグにゃんも気がラクになるって」

百々もどうやら同じ意見のようで、「留年おめでとう★」と書いたお揃いのたすきをにこにこしながらこちらに見せつけてくる。

「ま、まあさ…さ、さすがに『おめでとう★』はむごいかな~」

「そうですよ!いくらラグナさんでも可哀想ですよ」

それに対する戒と若杉の台詞にこころなしかラグナへの配慮があるのは、自分自身も正直多少留年の危機にあった…ことにある、かもしれない。

それに比べて、留年の「り」の字も見ずに進級した者は、幸福でありそしてまた余裕である。

「ちぇ、じゃあ…どうすればいいわけ?」

ちょっとばかり唇をとがらせ、自分で書いた横断幕の「留年おめでとう★」をバツで消しながら、アランが代案を問いかける。

「うーん、と…そうだなあ~」

「もっと前向きに…『もう一年がんばって!』というのはどうでしょうか」

「オーケーオーケー、そんじゃそれでいくわ」

言い方を変えただけじゃね?というつっこみを入れる者もここにはなく、アランは今度は鮮やかな青いペンキで、さらさらとそのフレーズを横断幕に記していく…

青は天空の色、未来の色、希望の色…

まあ、ラグナの行く先が希望に満ちあふれているかというとそれはもう神のみぞ知ることだが。

「えっとー、じゃあおにーさん買い出しに行ってくるけど、食べ物はもう頼んでるんだっけ?」

「うん、歌音君が準備してくれてんだ」

「へえー、そいつぁいいな」

「後は、飲み物かー」

「とにかくビールたっくさん買ってきてよ。どーせラグナ君やけ酒するんだからなー」

「おっけー★⌒ヾ(・ω・*)」

戒の言葉に、「もちろんわかってる」と言わんばかりにウインクを返し、百々は意気揚々と調達に向かうのであった。



「やあ、久方ぶりじゃないか」

「あっ…お久しぶりです」

人でにぎわう商店街、メイド服を着た少女が呼び止めたのは…制服をかっちりと着込んだ、真摯そうな眼差しの銀髪の少年。

風紀委員会独立部隊のリーダー、イアン・J・アルビス(ja0084)だ。

…いや、多少の誤謬があった。

メイド服を着た小柄で可憐な彼女は、実はこれまた男性…自由人で有名な、大学部の鴉乃宮 歌音(ja0427)。

「ところで、知ってるかな?」

「何がです」

鴉乃宮に意味深なふうに問いかけられ、「?」という顔をしてみせるイアン。

「君の非モテ仲間の、グラウシード君のことだよ」

「ひも…い、一緒にしないでくださいよ!それを言うなら、ディバインナイト仲間って言ってくれた方が!」

さすがに声を荒げるイアンに、こともなげに笑ってみせる。

しかしながら、さすがにあのラグナとおなじくくりで語られるとなると、普段は冷静な彼でも動揺しても当然だ(というか、正直迷惑至極である)。

「何、どっちでもいいことさ」

「ぜんぜんよくありませんッ!」

しれっと言ってのける相手に、きっぱりぷんすか怒ってみせる。

だが、そんなイアンの反応など何処吹く風、鴉乃宮はマイペースに淡々と続ける。

「何でも彼、見事に留年が決まったそうで。で、柄にもなく落ち込んでいるらしいよ。リア充爆破する元気もないとか」

「らしいですね…気の毒に」

「で、だ。彼を励ますパーティをするんだよ、今日」

「そうなんですか」

「私も行くんだ、君もよかったら来たまえよ。知らぬ仲でもないだろう?」

「はあ…」

水を向けられ、きょとん、となる。

イアンがどう答えようか、と少々逡巡した、その時にちょうど。

「お待たせしましたー、鴉乃宮さん!」

「はい、どうも」

と、店の中から店員ががさがさとオードブルがたっぷり入ったビニール袋を持ってきた。

それを華奢な両腕いっぱいにひっかけ、

「それではな」

と軽い言葉を残し、鴉乃宮は学園へと戻っていく。

残されたイアンは、ふと腕組みし、

「…パーティ、ねえ」

と、何事か考えるような素振りで、誰に言うとでもなくつぶやいた。



パーティに呼ばれた赤髪の青年が会場の外で出会ったのは、何故かどこかで見たことがあるような少年だった。

「あれ?君、もしかして…」

エメラルドのような輝きを持つ緑髪に、真紅の瞳。そして褐色の肌。

ひとつひとつは珍しくはないが、だがそれが組み合わさった…となると、このマンモス校たる久遠ヶ原学園と言えども、少し珍しい。

あの青年とまったく同じ特徴を持つ、この中等部の制服を着た彼は…

「あ…えっと、その。僕…パーティに誘われて」

「俺も。君は、ひょっとして…ラグナ君の、」

「はい、弟です。僕は、レグルス・グラウシード(ja8064)と言います…よろしくお願いします」

こくり、とうなずいたその顔には、何となくあの非モテ騎士の面影がある。

兄の悲運にショックを受けているのか、どことなくその表情は暗い。

「兄を励ますためにこんな会を開いてくださるなんて…うれしいです」

「何だかひどく凹んでるらしいしね。…あっと、俺は」

「知ってます。…君田夢野さん」

赤髪の青年の機先を制して、レグルスが答える。

レグルスも彼の名を知っている、彼は学園ではちょっとした有名人だから…

交響撃団ファンタジアを率いる撃退士、それが彼だ。

「学園新聞で見ました。いろいろご活躍なさってるとか…すごいですね!」

「別に俺だけの力じゃないさ、みんなが力を貸してくれたからできたことで…

まあ、俺のことはいいじゃないか」

快活な笑みを浮かべ、金色の瞳が笑いかける。

「さ、入ろう?もうすぐ君の兄さんも来るらしいし、いろいろ準備しなきゃ。

何とか慰めてあげないとね…なあ?」

明るい君野の笑顔に、引き出されるように。

「…はい!」

つられて、レグルスもようやく…太陽のように、にこっ、と笑った。



そうしてこうして、いろいろ準備が整い始めるころ。

「…。」

星杜焔(ja5378)は、オーブンの中でじりじりと焼けていくピザをガラス越しに見守っている。

大好きな料理をしているはずなのに、その笑顔がどこか寂しそうなのは何故だろうか。

テーブルの上は、おいしそうに焼き上がったピザたちでもういっぱいだ。

「…喜んで、くれるかな~」

ぽつり、そんな言葉が彼の唇からこぼれ落ちた。



時は、すでに夕方の5時をまわって。

秋の夕焼けは足早に急ぐ、夜がだんだん近くなる…

そんなころ。



学園から遠すぎず近すぎず、多くの学生たちが住む住宅街。

そのうちのアパートの一つ、二階の角部屋。

表札も何もないその部屋の扉を、遠慮もなしに思いっきりノックする男二人。

「やあ、ラグナ君!」

「はお~、元気してるぅ~?」

…しかし、中から返答は無し。

「あいつ、くたばってんじゃねぇの?」

と、アランが今度はドアベル連打。

ぴぽぴぽぴぽぴぽぽぽぴーんぽーん、と小刻みな電子音が鳴り渡る、中に住人がいれば発狂&激怒は間違いないが…

「…。」

「…。」

返答は、やはりなし。

「…ラグにゃん、中にいないんじゃね?」

「それだとちょっと面倒だな~」

百々がいかにも「困ったな」とでもいうふうに、ドアノブをがちゃつかせる…

と。

「…あ、」

すいっ、と、扉が動いた。

どうやら部屋の主は鍵をかけるのを忘れてしまっているようだ。

「お邪魔するぜー」

アランが一応そう声をかけて、中に入る。

…薄暗い部屋は静まりかえっている。

見れば、床に取り込んだ洗濯物が山になっていたり、雑誌や本がひっくり返っていたり、と、だらしない暮らしぶりが如実に現れている。

「ラグにゃーん、きったよー★」

「生きてるかー?」

どかどかと乗り込んだ二人に答えはなく、ただベッドの方を見やると…

「…。」

布団にくるまったどでかい芋虫が、転がっているばかり。

「…。」

「…よし、そっち持て」

「おけー」

百々とアランは一瞬目線を交わし、そうしてその芋虫の皮の端っこをお互い持って、

そして、タイミングを合わせて…

「せえのッ!」

思いっきり、引っ張ると!

「うぐッ?!」

ごろごろごろっ、どさあっ!

派手な音を立てて、大柄な男が身ぐるみはがれて放り出された。

「きゃー★ラグにゃん、えっちー」

「…な、何だ、お前らッ?!」

茶化したように声を上げる百々に、ぎっ、と寝起きの険しい目つきを向け、男は不愉快げにうなった。

状況が理解できず、目を白黒させている…

「お前、何で素っ裸で寝てんだよ。それに何だ?その頭」

アランの呆れ感満載の台詞通り、布団という聖域から追い出されたその男はとんでもない格好だ。

ギリシア文化の彫刻のような、鍛え上げられた肉体。何処か蛇の冷たさを感じさせる光を宿した、紅い瞳…

それこそ身ぎれいにしてしゃれた服でも着せれば、少なからぬ女性の目を引き寄せられるだろうが…今の状態なら、引き寄せるのは間違いなく警察官である。

パジャマどころか下着すら身につけていない。

御立派な伝家の宝刀(未使用品)を隠しもせずに解き放ちまくっているし、少し長めの緑髪はあっちこっちへと好き放題向かいまくっている。

「…昨日、シャワーを浴びてそのまま寝たからな」

くあ、とあくびをしながら、こともなげに言い放つ。

…ご予想の通り、このどうしようもない男が、ラグナ・グラウシード…だ。

「何の用だカートライト殿…友人とは言え、さすがに無礼が過ぎるように思えるが。それにリア充も連れてきおって」

「えー、ラグにゃんたら冷たい~」

「…うるさいリア充、何をしに来た?!」

百々(ラグナは彼を「リア充」と呼ぶ)の軽口にも速攻怒鳴りかえす、どうやら少しずつ頭がまともに働き始めたようだ。

「お前、留年決まってからずっと引きこもりっぱなしらしいじゃねえか。もういい加減立ち直ろうぜ、な?」

「う、うぐぐ…」

いきなり「留年」というNGワードで切り込むアランに、ぐっと黙り込むラグナ。

ちょっと涙目であるが、そんなことにはおかまいなしに百々が先を続ける。

「ちょっとおにーさんたちと出かけようよラグにゃん、気分転換にさ~」

「さあ、そうと決まりゃあ…待っててやるからよ、ちゃっちゃとシャワー浴びて、その情けないツラちょっとはマシにしてこいよ」

「え…あ、」

「ごゆっくり~(>∀<人)その間ラグにゃんの素敵な御本読んで待ってるから、おにーさんたちのことは気にしないでね★」

「わあーっ!やめろ、やめろッ!わわわわかった!すぐ用意するから!」

畳みかけるアランの命令に目を瞬かせていたラグナ、百々がさらに彼の本棚から秘蔵の水着グラビア(ボインボイン系)を勝手に取り出すのにいたってようやく慌て出し。

ばたん、とやかましい音を立ててユニットバスの扉を閉めるやいなや、中からせわしない水音が流れ落ちてきた。

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