何も無い冬の日
ほのぼの系の何も起きないネタです。
とある田舎に建つ庭付き一軒家で、雪が積もっている冬の休日。
この家には現在、1人だけ残って居間のコタツでくつろいで、スマホを使っていた。
1人だけ残って……と言っても、他の家族は買い物だなんだと外出しているだけなのだが。
しばらくすると一度スマホを置き、体をのばす。
すると、コタツの中で何かに足がぶつかり、ぶつかられた側はモゾモゾ動いた。
「おっと、ごめんねゴロー」
コタツの中にゴローと呼ばれるナニカが居るようだ。
そのゴローに、続けて話しかける。
「ゴロー、せっかくなんだし庭を楽しそうに駆け回っても良いんだぞ?」
だがゴローは反応を示さない。
「コタツの中にずっといると、窒息するかも知れないんだから、外に少しは出ないと」
だがゴローは反応を示さない。
「んーーーー。 まあ、いいか」
諦め、再びスマホを手にする。
またしばらく経ち、スマホを置いてコタツから出る。
「う〜〜、寒い寒い。 寒くてもトイレには行かないと。 あーいやだいやだ」
トイレらしい。
だがそんな動きにも、ゴローは反応を示さない。
「ふ〜〜、寒かった。 …………おっと、ごめんねゴロー」
トイレから戻って来て、またコタツへ。
その時にゴローを蹴ってしまったらしい。
足のふくらはぎ辺りにモゾモゾ動く反応があった。
「ん? 出る?」
ちょっと足が当たった位じゃ、これほど反応はしないってほどモゾモゾが大きくなっていて、ゴローが動く兆候だと感じ取ったようだ。
「…………」
実際にゴローがコタツ内で立ち上がり、動き出す。
「ゴローもトイレ? のんびり行ってきな」
コタツから出てきたゴローは柴犬で、テッテテッテと犬の爪の音を立てて外へ繋がるガラス戸の方へ。
「お? 雪ではしゃぐのか?」
期待してゴローが向かっているガラス戸を開け、外へ出るのかな? とワクワクして見守っている。
…………と。
「なんだ? 外へ出ないのか?」
空を見上げてゴローが固まり、なんで固まっているのか少し心配になった頃。
「………………あ、ウチの車の音。 帰って来たお迎えか」
どうやら車のエンジン音を聞きつけただけのようだった。
それを理解し、ゴローの頭を「良い子良い子」と撫でる。
「…………」
撫でさせてもらえたのは数秒で、すぐするりと逃げられて少し悲しくなった。
昔飼ってた犬がこんな感じで。
ウチの犬が潜ってたのはコタツの布団だったんですが、ホントずっと潜りっぱなしで出てきませんでした。
それで布団をめくってお腹辺りを触ろうとすると唸られて。
いや、それでも可愛かったんで良いんですけどね。




