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すがおのままで
君がすくってくれたんだよ
誰にも気づかれないように流していた涙を
君が
すくってくれたんだよ
隠すことって
とても簡単で
隠すたびに
何かを失っていて
ふと立ち止まった時に
背中側から這うように襲ってくる
"本当のナニカ"が
冷ややかに熱を奪っていく
他の誰でもない唯一なのに
自分じゃない何者かになりたくて
貼り付けていく何枚ものお面
一人では立っていられないくらいに
重心がぐらついたまま
あっちへ行き
こっちへ行き
優柔不断にフラフラフラ
びっくりしたんだよ
ただただ
びっくりしたんだ
自分がわからない自分のことを
君が教えてくれたから
隠していた能面を
寂しそうだね、って、
見つけてくれたから
初めて人前で
顔面が歪んだよ
こぼれ落ちていく涙粒を
落としたらあんまりだ、って、
君がすくってくれたんだよ
いつも
誰にも気づかれないように流していた涙を
君が
すくってくれたんだよ
大切で大事なものが出来た瞬間だ
小さくても芽生えたキモチ
まもってみせるよ、育てたいんだ
素顔を見せるのは怖いけれど
許されるなら
"本当の自分"で
君と向き合っていきたいんだ
そうしたら
君がすくってくれた涙ごと自分を
愛せる気がするんだ
愛せる気がするんだ




