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厳冬
貴女がいってしまったと言うのに
空は
気持ちのいいくらいの快晴で
私は
涙の一粒も流せず
会いに行けなくてごめんねと
心の中でしか呟けない
小さい頃の記憶を呼び覚ます
色褪せてしまったけれど
間違いなくたくさんの
貴女との思い出があって
この先も
それを宝物のように胸に抱いて
私は
生きていくんだろう
会いにいくと必ず
泣きながら笑う可愛らしい貴女の顔を
瞼の裏に映しながら
もう会えないという後悔を
何度も
何度も
飲み込む
寒さが少し和らいだのは
貴女の
温かい優しさのせいなのかしら
(春はすぐそこに、)