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行方
立ちこめる雨のにおい
どんよりと漂う
嫌な気配
吸い込んでしまえば
どんなものも
この体の中で同じもの
取り込んでしまえば
どんなものも
この体を作る同じもの
後ろ姿を見送りながら
涙を堪えることに
理由なんて、ない
言葉にできないなら
言葉にする必要も
ない
飲み込んでも味はしない
無味無臭の
それは
僕にも
君にも
悪いものでは、ない
(だから、大丈夫、)
雨が
去り行く方を
見る
どこからくるのかも
どこにいくのかも
わからない、けれど
誰かにとっては
優しいものであること
僕は知っている
そう
僕は知っている
知っているんだ




