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ゆきんこむし
肺を焼くように
空気が
凍てついている
雨は凍り
雪に成り
触れては溶けて消えてゆく
儚さは嫌い
寂しい気持ちにさせるから
傍にいてほしいのに
いなくなってしまうから
冬の空に
何度祈ったことだろう
連れて行かないでと
叶ったことはないけれど
祈らずにはいられない
"僕の傍には、君が必要だよ"
かじかむ手をさすって
寒さや冷たさを誤魔化して
あたたかくしていたい
そうすれば、安心なの
それを強がりだと言ってくれたお前も
馬鹿だなと笑ってくれたあんたも
みんなみんな
いなくなる
小さな白い虫が飛び交う庭先を眺めて
あの名前を教えてくれた
あいつの横顔を思い出す
寒い冬に思い出す思い出はどれも
大切な誰かとの思い出ばかり
忘れて楽になれるなら
忘れて楽になってるよ
心の底まで冷えていく
この冬をまた一つ
越えていくしかないんだろう
ゆきんこむし、雪虫。
アブラムシだったとは。




