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あめのいろ、あめのおと。
雨は水色
しとしと、と、
悲しい音色
空の涙
雨は青色
ぽつぽつ、と、
寂しい音色
雲の涙
雨は無色
さらさら、と、
切ない音色
大地の吐息
雨は黒色
ぼつぼつ、と、
愚かな音色
大気の悲鳴
雨の色
響くは音階
どこかの
誰かの
零れ落ちる雫
(冷たさに音があるとするならそれは、今聴いているこんな音。)
雨の音
ヒビ割れ硝子
どこかに
誰かに
降り注ぐ雫
――――――
雨の色
あの音色
欲張りはいけない
この両手に
掬える分だけ
雨が連れてくる憂鬱も
雨が連れ去ってくれる憂鬱も
こうやって
ぎゅっと
閉じ込める
雨はまだ止まない
雨上がりが待ち遠しいような
そうでないような
ねぇ
壊してしまいたいくらいに綺麗なものほど
傍に置いておきたいのは、なぜ。