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哀愁
涼しいかと思えば無風で
少しだけ
息苦しい
たまに光るセンサーライト
通ったのはダレ?
それともナニ?
土から出てこないクワガタは
しきりにケースを引っ掻いて
夜行性をアピール
寝てしまいたいような
寝るのも惜しいような
複雑な気持ち
息苦しさに耐えかねて
少しだけ
窓を開ける
秋の夜の匂いは
どうしてかこんなにも
心穏やかにしてくれる
嗚呼
この季節は一年のうち
一番短く終わってしまう
哀愁という言葉が生まれた意味が
本当の意味で分かる時
私はあくびが止まらない
油断は禁物
だけど
緩んでブレてしまうのがオチ
秋の夜長
薄明かりとコーヒー
何をお供にいたしましょう?




