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一日の始まりに
水滴がまとわりつくガラスのコップ
斜めに
眺めたまま
動かせない体に
鞭を打つ
小さな手のひらが
泣きたくなるくらい
愛おしくて
熟睡のできない夜中を
何度となくやり過ごして
迎えた朝に清々しさなどなく
今日も
一日が始まったんだと
憂鬱な気持ちでしか起き上がれなくて
言葉を紡ぐことで
毒を抜くように
なんとかあたしでいることを
保ってはいるけれど
崩れ落ちそうな場所で一人耐えていることを
誰かに
知っていてもらいたくて
あたしという人間は
あなたから見たら
君から見たら
お前から見たら
あんたから見たら
全部全部
別物のあたしで
そのどれもがどれ一つとして
本当のあたしではなくて
怖くて
恥ずかしくて
誤魔化し続けて
自分でも分からなくして
路頭に迷っているなんて
自業自得でしょ?
水滴が落ちきって
ガラスのコップの形に透明な円が出来る
嗚呼
今日も
逃れられない一日の始まり
あたしがやらないと誰もやらない
だから
この小さな手のひらから
あたしが忘れかけているものを分けてもらう
そうしたら
世界は少しだけ
優しくなる気がする
(さて、やるか、)




