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埃だらけの日常
朝焼けで薄く照らされていく部屋
いつも片付いていないこの部屋の片隅で
忘れられたオモイデが埃をかぶっている
忘れてしまったことは
思い出せたらいいんだよ
落としてしまったものは
探しにいかなきゃいけないね
ただそれだけのことなのに
途方もなくて
面倒くさくて
まぁいっか、で終わらせる
原動力がいつだって枯渇しているのに
それでも
重い体を動かさなければならない
どうしようもないね
埃かぶったオモイデ
取り出すのが
少し怖い
捨てたい衝動に負けないように
手を
伸ばす
汚れてしまうのは構わない
この手のひらにおさまるだけの物だけでいいから
次は見失わないようにと
願う、だけ
繰り返してしまう愚か者だけど
それを悪いと思ったことはない
だからさ
この繰り返すだけの退屈な毎日を
楽しめるようになれたらいい
(ねぇ、本当はまだ眠っていたい。)