ゴブリンと初遭遇①
「な~んだ、やっぱりドッキリじゃん、先生の言葉を完全に信じちゃったけど……よかった~。」ある女子生徒は安堵する。
「うわぁ完全に騙された~、俺の真剣な顔テレビに流されたら確実に親父やお袋に笑われるな~なんとか防ぐ手を考えないと。」ある男子生徒は家族に自分の醜態を見られたくないと思い。
「ふん、やっぱり神隠しなんて非現実的なことが起こるはずがないんだ。どうせ騙すならもっと現実的な方法でやってほしかったな。」ある男子生徒は端から信じて無かったと強がりをいう。
だか実際には自分たちが思っている方向にはいかず、この後に後悔する事になる。
草むらから出てきたのは3体のバケモノ、異世界ラノベ定番の魔物ゴブリンである。ゴブリンたちは棍棒を持ち、こちらに襲い掛かろうかと近づいて来る。
ゴブリン
小柄な身長に、肌が緑色、頭に毛はなく、鋭い歯をしている。悪食でもある。
その姿を見てほとんどの者が呆気にとられて居るなか、春乃だけはあらかじめ持っていた木の棒をゴブリンに突きつけ、クラスメートたちに声をかける。
(当然、敵意は向けて来るわよね。戦うにしても数はこっちが上なんだから、みんなで掛かれば勝てそうだけど、とりあえず先生含めみんなを正気に戻さないと。)
「みんな!目の前に居るのは敵よ。幻でも着ぐるみでもなく本物のバケモノよ。戦える人は私と一緒に戦って!お願い!」
春乃の言葉を聞いて、意識を切り替えた生徒数人と刀華は、動けないでいる生徒の前に立つが、正直目の前にいるバケモノが現実かどうかよくわからず、ただただ守らなきゃいけないという思いだけでその場に立ち塞がる。
刀華は目の前のバケモノが自分たちを殺すつもりだと雰囲気から悟り、覚悟を決めて、生徒達に指示を出す。
「いいかお前たち相手は3人だ、無理に突っ込まず、まず数の優位を最大限に利用するために広がって囲め、そして複数人で同時に攻撃しろ、それと相手を殺す事に絶対に躊躇はするな、責任はすべて私が持ってやる。」
刀華は、生徒達が人を殺すという禁忌を侵す事に対して、罪悪感が少しでも軽くなるようにと声をかける。
彼方、力、そして野村幸太郎は一匹のゴブリンを囲んでいた。
野村 幸太郎 のむら こうたろう
野球部に所属し、クラスの中でも運動部に所属している数少ない1人である。
「おい彼方、幸太郎あんまり無茶をするなよ」と声を掛ける力に対して彼方は。
「わかっている。けど目の前に居るバケモノはあきらかに僕達に対して、食料かなにかを見るような目で見てるよ、こいつらのエサになるぐらいなら多少の無茶もするさ。」
「そうだな、俺たちの事を弱者の如く見下しやがって気にいらないな、彼方、幸太郎!俺が仕掛ける。なんでもいいから気を引いてくれ。」
「「了解」」
彼方と幸太郎は力の言葉を聞いて、足元にある石を拾う。お互いにスポーツをするもの同士ということで、特に話す事もなくアイコンタクトをし、タイミングよく同時にゴブリンに投げつけるのであった。
二人が投げた石は見事にゴブリンに当たり、ゴブリンの意識が二人に向く。
それを見た力はゴブリンの後ろから、雄叫びをあげ回し蹴りを横顔に叩きこんだ。
「うおおおおお!!」力の回し蹴りはゴブリンの顔、右側面にクリーンヒットし、ゴブリンは意識を刈り取られそのまま倒れこんだ。
「やったな!」と彼方は力に近づくが、力は彼方が近づくのを手をだして止める。
「彼方まだ終わっていない。」と一言いうと、力は転がっているゴブリンの首目掛けて足を踏み抜く。「グギャ」と生々しい音たてて、ゴブリンが絶命する。
彼方と幸太郎は「え!?」という表情をするが、力は残りのバケモノのほうに、視線向ける。
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