癌
「よっ! おつかれさん!」
「あぁ……お前か。おつかれさん……」
「どうしたよ? なんか元気ないじゃん?」
「んー、いや久しぶりに受けた健康診断で引っかかってなー。再検査したらガンだとさ」
「うぇっ!!! マジかよ!!!」
「最近ちょっと熱っぽくて調子悪いかなぐらいに思ってたんだけど」
「大丈夫なんか? その……手術とか?」
「最近特効薬ができて、放射線治療と薬で根治できるようになったらしい。
明日から治療が始まるんだけど、俺、再発でさー。前受けた放射線治療が結構キツかったの思い出して滅入ってた」
「そりゃあ確かにキツいかもしれないけど、治る見込みがあるならいいことじゃないか」
「まぁ、そうだけどさ」
「……しっかし、ガンってやつもアホだよな」
「どういうこと?」
「他の細胞みたいにお互い協調するとか、増殖するにしたってもう少し上手くやればいいのによ。
治療されるか、本体と心中するかの2択って極端すぎんだろ」
「違いない」
「お、そろそろ時間か。治療がんばれよ。治ったらまたゆっくり話そうぜ」
「おー、ありがとなー。またなー」
次の日、地球上では宇宙から降り注いだ放射線により半数以上の人間が死滅することになる。
治療は始まったばかりだ。
星のお医者さんの設定で小説書いたらどうなるかなって妄想してたらできました。
が、普段からこれと同様のことは思っています。