第5話 流石に【リリカ】って名前で男なはずはない
人生が上手く行ってたのに突然不幸に出くわした時その不幸を不幸だと認識できない
神は哀れな我々に力を授けたもうた。
しかしそれが我々の滅亡へのカウントダウンをスタートさせた。
降って湧いた新しい力は世界を歪め、ダンジョンが地上に現れるようになったからだ。
「てはそういうことでー!!!」
「ま、まてオラァ!!」
◇◇◇
「ふう、ふう、ふう、いやぁ助かってよかったですね。
感謝してくれても良いですけど、好きになっちゃダメですよ、ふふふ❤️
それじゃあお元気で!」
どこにそんな力があるのか、その女は身長180はある俺を肩にかついで刺青男と鬼ごっこをし、キレイにあの男をまいてからやっと下ろした。
異能力を使うときの一瞬の隙を突かれてこの女に後ろをとられだが、それさえなければこんなことにならなかったんだが、どうやら俺は気が抜けていたようだ。
そしてもう用は終わったとばかりに女が手を振り去っていこうとするが…
「ちょっとまてオラァ!」
「追い付かれましたか!?いえ、あなたですか、もう帰っても良いですよ!」
確かにオラァなんて言ったがあんな奴に間違われたくない。
「帰るかあ!あそこが俺の家なんだよ!ってかあんたは誰なんだ?それにどうして俺を助けてくれたんだ?」
「あら、私のことが気になるのですか?これってもしかしてナンパなんでしょうか?困ります~♥️」
「だぁぁ、ちがーう!ここに居る奴らは誰も彼も人の話を聞かねぇな!」
「ふふふ、なんで助けたのか、ですか?」
「あぁ、そうだよ。正直余計なお世話だったぜ。」
あの刺青男の動きは完全にとらえていた。
もしあのまま止められていなければ万に1つも負けることはなかったし、この俺が逃げたと思われるのは既にガラクタに成り果てた俺のプライドとは言え傷つけられて嫌だった。
「そうですか?でもあなた、困っていたでしょう?」
「はぁ、この俺が?」
仮にもダンジョン突破者である俺も、端から見ればチンピラに喧嘩を売る痛い不良のように見えるのだろうか。
「ふふふ、ええ、困っていますよ。私の名前はリリカ。これでもこちらの教会のシスターを務めています。」
リリカと名乗る彼女の方を向いていたが、リリカが俺の後ろへ目を向けたから合わせて振り替えるとそこには確かに教会があった。
作者の都合で次の話から【異能力】を【スキル】にします。
リリカ本人からは何も言及されていませんが……。
ダンジョンを放置すると中からモンスターが出てきます。
モンスターは地上を汚染します。
汚染された場所は生命が生存できません。
しかしモンスターを撃退すれば時間経過でまた生命が住めるようになります。
地上がモンスターに埋め尽くされたとき、人類は滅亡します。