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そういえば、羊を数えれば眠れると聞いたな.....羊が1匹、羊が2匹....ライオンが現れて...ってライオン!?

作者: 黒豆100%パン


「羊が1匹...羊が2匹...」



少年は目を閉じてそう呟いた。部屋は真っ暗で夜ということもあってカーテンからは日差しすら見えてこない。

少年は白いシーツに青い星が何個も書かれた布団を顔にかぶりながら羊をひたすら数える。だが睡魔というやつはなかな、か来ないものだ。



「うーん...」



草原と柵があり羊を数える度に羊が柵をジャンプする光景が頭の中でループする。だが途中でどうでもいいことを考えてしまいその光景は中断されてしまった。




「うーん、執事が...いや執事は関係ないな...」



頭の中にはスーツを着こなした少し老人と言うぐらいの執事が現れる。だがそれは関係ないので頭から消すと簡単に消えてくれた。




「うーん...ジンギスカン....」




頭の中には今度はジンギスカンが現れた。ジューという焼ける音を立てながらなかでネギや肉と言った材料がいい焼き色になって置かれている。



「ジンギスカン食べたいなあ...」



ジンギスカンモいいが、やはり今は羊だ。そんなことを考えてるのか、spれともないのか、布団の上で右へ左へ動きながら寝ようとするもやはり来ない。羊と柵、草原に光景を戻し、ひたすら数えて羊が100ほどになった時、突然ライオンが現れた。



「ラ、ライオン!?」



突然のライオンの登場に少年は驚きながらライオンを見る。だがライオンはこちらを少し見ただけでどこかに去ってしまう。それからすぐに今度は大量のライオンがドタドタと大きな音を立てて右から左へと移動する。



「あ..ああ!」



今度のライオンはこちらをギロリと向きジリジリと近づいてくる。走って逃げようとするものの、体が走ろうとしてもなぜか言うことを聞いてくれない。何度も走れ走れと命じても走る気配すらない。



「あ...あれ、ライオンは?」



ライオンはもうそこにはいなかった。何が何だか分からずぽかんとする少年に、今度は亀が近づいてきた。のそり、のそり、とてもスローペースでこちらに向かってくる亀。少年の方まで行くと後ろを向きまるで乗せてやると言わんばかりだ。



「えっと...乗れってことかな」


そんなことを呟きながら緑に黄緑のような線の入った甲羅の上に乗る。海の動物と言うだけあって背中は湿っていてひんやりとした感触が伝わってくる。



「えっと...?」



座っても何も行動しない亀を少年が不思議そうに見ているとその亀は飛び上がり思い切り水の中に入っていった。苦しいかと思ったがそんなことはなく、赤や青と言った魚がウヨウヨしている。下に方に行くと小さな岩の陰に赤い色のタコがスミを吐いていた。



「どこに行くんだろう??」



少年がそんなことを考えていると何かが見えてきた。おとぎ話のような竜宮城かと思いきやなんだか白い壁に赤い屋根がいくつも連なった建物だった。角のところには青いしゃちほこのようなものが置いてあり少し竜宮城と言うにはふさわしくないような風貌の建物だ



「なんだここ?すごい...!」



そうは言っても、外装は凄いという感想以外でないほど綺麗な作りになっている。しばらく乗っていると亀は門のところまで泳ぎ、そこで止まった。赤い門に鉄でできた青っぽいその門は少年の何十倍と言うほどはあるだろう。




門の中に入っていくと何やら悪魔のような者たちが2、3人いた。黒いタイツのような格好に頭に触覚を生やしてその触覚の先は三角形になっている。そいつらはこちらを見ると何かを話し出こちらの近づいてきた。



「に、逃げなきゃ!」



後ずさりしながら距離を保ち内部の方へと逃げた。赤い柵の廊下を行き右に曲がると部屋がある。部屋に入り扉を閉め、そこにあった茶色と白の壺の中に身を潜めた。ドタドタとこちらに近づいてくる足音。おそらく先程のものだろう。



今いる部屋の扉を開ける音がする。壺から少し覗くと向こうの方の茶箪笥を開けて中から服を出しながら少年を探すタイツの悪魔の姿が見えた。白や緑の下着やTシャツが散乱してここではないか...と呟く悪魔の姿を見てまた頭を引っ込めた。



そも悪魔はこちらに近づくと薄暗い中少年の入っているツボに手をかけようとする。少年は目を瞑りもう駄目だと確信した。








「あれ?」




目がさめるとベッドの上にいた。白い天井に電気が見える。青い星のかけ布団をめくり起き上がりカーテンを開けると眩しい太陽の光が差し込んできた。



「今の...夢?羊を数えていたら....いつの間にか寝ていたのか」



ベッドから出て自分の部屋の茶色いドアを開け階段を降りる。またドアを開けるとリビングでは母親が包丁で何かを切っているところだった。向こう側には鍋があり、そこからカレーのいい匂いが漂ってくる。



「おかーさん!今日ね!夢見たの!!」



早速先程まで見た夢を無邪気に語り出す少年に母親は「そうなの?」と包丁の手を止め微笑んだ。



「そう!なんか最初にライオンが出てね!それから亀に乗って竜宮城みたいなところに...」

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白いです。最後のお母さんが少し怖いですね…
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