僕とカフェの店員
僕は帰路の途中に本屋に来ていた。特に用事もなくふらっと寄っただけだったのだが、興味が沸いていくつか買ってしまった。早く読みたい気持ちからか、自然と少し早足になる。そんなときふと鐘がなった。
「あっ」
12時を知らせる鐘に気づいた僕は、
「お昼、食べるか…」
人間とは不思議なもので、普段していることをしていないとわかると、自然とやろうとするのだ。
もちろん僕も例外ではなく、今は昼食を食べに近所のカフェに来ていた。
「ごちゅうもんはおきまりですか?」
おそらくバイトであろう店員がやってきて言った。
「えっと…コーヒーとサンドイッチで」
「かしこまりました、以上でよろしいですか?」
「はい」
しばらくして運ばれてきたそれを味わって食べる。僕はどうやら味に厳しいらしく、実家にいた頃も味にうるさい男だと母親に言われていた。食べるのが好きと言うわけではないのだが、せっかく食べるのであれば美味しいものが食べたいといったところだ。このカフェのサンドイッチはなかなか美味しい。そう思いながら食べ進めていった。
食べ終わったので会計をしようと思いレジに行き、お金を払おうと財布を出したときに店員の顔が目に入った。彼女は整った顔をしていた。長い髪を耳にかけ、大きくぱっちりとした目や綺麗な鼻筋、顔も小さくとても綺麗な肌をしていた。これだけ美少女であれば相当モテるだろうし、男子なら誰でも付き合いたいと思うだろう。僕は人事のように思いながら会計を済ませて外に出た。