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異世界他力本願  作者: おたま
6/37

6:狩りに行こう

6話目です


ヘレナとアントンと廃村で生活を始めて6日程がたった。

最初こそはお互いぎこちなかった関係も今ではすっかり良くなり。大分打ち解けてた。

特にアントンは俺のことを"にいちゃん"と呼び慕うようになった。

ヘレナは俺のことは"テツヤさん"で決定したようだ。

アントンは森に狩りに行く時以外はほぼ俺の後ろをついてまわっている。

出会った頃のオドオドした感じは無く、なかなか活発な子だ。

ちなみに、ヘレナは8才、アントンは5才らしい。

それから数日前に知ったのだがヘレナとアントンは本当の姉弟ではないらしい。

村を襲われた際に、一緒に逃げた近所の弟分と言っていた。

この話を始めて聞いた時の2人の表情は泣きそうというよりは、しょうがないというような顔だった。

この世界はきっとこういうことが日常茶飯事で、

2人は家族や村の事はもう諦めってしまっているのだろう。

この時初めて日本にいたときに持っていなかった危機感というものを覚えた。


あと………


「にいちゃん今日こそ俺も狩りに連れて行ってよ」


アントンが俺の後をつけながらダダをこねる。

ここ数日の日課になっている。


「火起こしはできたのか」


俺がアントンに一緒に狩りに行く為の条件だ。


「………」


チラッとヘレナを見る。

ヘレナは苦笑気味に首を横に振る。


「じゃあまだダメだな」


アントンはいじけた様に頬を膨らませた。


「俺は火おこしが出来たら連れて行くって約束してるのに、アントンは約束をやぶるの?」


と言うとアントンはバツが悪そうにそっぽを向く。

ヘレナは食事の準備をしながら、微笑ましそうにこちらのやり取りを見ている。

ここ数日ずっとこれが日課のようなやり取りになっている。



その日の夜

3人で火を囲みながらご飯を食べる。

2人共大分体に肉がついてきた。

そろそろかな…………


「アントン、明日一緒に狩りに行くぞ」


アントンは驚いたように俺を見る。


「ホントに?にいちゃん!!」


アントンは嬉しそうに俺に聞き返す。


「えっでもアントンまだ火起こし自分で出来ないですよ」


それに危ないですよ。とヘレナが不安そうに反論する。


「まぁ確かに火おこしも出来てないし、危ないのもわかるけど……」


ヘレナの言いたい事もわかる。


「まぁいざとなったら俺がアントンを守るよ」


その為にこの数日アントンを連れていけるか、考えながら狩りをしてた。

試したいのも1つあるしな。


「それにアントンを守りながら狩りができないようじゃ王都までの旅は危険だろう」


それに小さい獲物を狩りに行くわけであって大きな獲物を狩るわけじゃない

狩りをするときは、アントンは後ろに下がらせるよ。


そう言ってヘレナはなんとか納得した。

最悪、沢○栄○さんの力を借りて石でも投げればいい。



「それと明後日にはここを出よう」


「「えっ」」


今度は2人共同時に反応した。


「明後日にはここを出て王都に向かうよ」


元々7日の約束出しな。

それに2人とも体つきが大分良くなってきたし、もう大丈夫だろう。


「そういうことだからヘレナ明日は旅にでる準備しといてな」



「…はっはい!」


ヘレナは少し呆けた後にしっかり返事した。

アントンもなんだかやる気になっている。

それはわかったかから、食事中に立つんじゃない。お行儀悪いだろ。



「あっそうだ。忘れてた」


俺は家の奥に行き、積まれた木材の中からある物を取り出す。

そして2人の元へ戻り、それを渡す。


「はい、これ」



2人はソレを受け取るとひろげてみた。


「わぁ~……」


ヘレナが嬉しそうな声を出す。

ソレとは服だ。2人にバレないように夜中にコソコソと縫っていた。

ガラクタの中から裁縫道具の入った木箱を見つけたときに2人に服でも作ろうと計画した。

村中から布切れをかき集め、なんとか縫い合わせ昨日完成した。

へレナにはワンピース。アントンには甚兵衛。最初は普通にシャツとズボンを作ろうとしたが

製作段階で何故かこうなった。

いろんな布を使っているせいでパッチワーク柄になっているが、デザイン的にはアリだろう。

素材はバラバラだが布切れより遥かにマシだ。


当然だが俺はもちろん手芸なんてできない。

できたのは死んだ【母方のお婆ちゃん】のおかげだ。

手芸が趣味でよくティッシュケースとか作ってたからな。



「あっ…ありが…あり…とうございまず。大事にじま…ず」

ヘレナが服を抱きしめながらお礼をする。号泣しながら……


「あ~……ここまで喜んでくれて俺も嬉しいよ」


だから泣き止んでくれ。普通に喜んでくれてたアントンも固まってるぞ。

普通に着てくれて構わないから。このままだと一度も着ないで大事に保管しそうだ。


「よかったら着て見せてくれないか?」


とりあえずこのままだとずっと泣き続けそうなので、ヘレナに着てもらうよう促す。


「でも……こっこんな綺麗な服着るの勿体無くて…」

汚れでもしたらとグスッと鼻を鳴らしながらヘレナがつぶやく。


「大丈夫だから!汚したら洗えばいいから!なんならまた服つくるから!

ほらアントン、ヘレナ連れて奥で着替えておいで」


そんな綺麗な服じゃないから!布切れ縫い合わせただけだから!

ヘレナが動けなさそうなのでアントンに連れて行ってもらう。


アントンに手を引かれ奥の部屋へ着替えに行った。

最後までヘレナはまだ嗚咽を漏らしていた。


たかが服の一着であんなに泣くなんて思ってなかった。

ヘレナは一体どんな環境で育ってきたんだろう。

あんなに健気な子だともっと色々してあげたくなるなぁ。


「これが妹というやつか……」


庇護欲というやつなのか?

それだと日本にいたウチの弟は全くなかった。どっちかというとクソ生意気だった。


「ヘレナとアントンの教育はしっかり考えよう」


弟みたいになっても困るしな。

この時点で俺の頭の中では2人は立派な家族になっていた。



「着替えたーーー!!」


奥から飛び込んできたのは甚兵衛に着替えたアントンだ。

うん、夏祭りにいる外国人の子供のようだ。


「かっこいいぞアントン」


少し照れたように腰に手をあて得意げにしている。


「あれ?アントン、ヘレナどうした?」


ヘレナはまだ出てこない。もしかしてまだ着るの躊躇ってるのか?


「ヘレナね。僕より先に着替えてたよ?」


じゃあ何してんだ?


するとアントンがまた奥の部屋へ走っていった。


「………ま………って………ちゃ………から……」


すると奥の部屋から話し声がする。



「にいちゃんヘレナきたよーーー!」


どうやらアントンがヘレナを呼んで来てくれたようだ。


「テツヤさんどうでしょうか……」


アントンの後ろから恥ずかしがるようにヘレナが出てきた。


「うん!似合うよ!可愛い可愛い」


アントンもヘレナ可愛いよーと声をかける。

ヘレナは顔を真っ赤にし服の端を掴みモジモジしている。


そこからヘレナの落ち着きを取り戻すのに大分時間を要した。

アントンもはしゃぎ疲れ既に眠たそうに船を漕いでいる。

落ち着いたヘレナとアントンを寝しつけ俺も寝る準備をする。






目をこっそり開くとテツヤさんが部屋片付けているのが見える。

テツヤさんをぼんやり眺めながらふと考える。

テツヤさんに出会って私たちの生活は大きく変わった。

村を追われ今にも空腹で倒れそうな私たちに食事を与えてくださった。

今は1つ屋根の下共に住まわせて頂いている。

更には今日新しいお洋服まで作ってくださった。嫌な顔せず、何の要求もせずに。

私たちは返しきれないくらいの恩をテツヤさんに頂いた。

私は目を閉じる。眠りに落ちそうな感覚の中、確かに決心する。

これから2人で少しずつこの恩を返していこう。

と、まどろむ意識の中でテツヤさんが私のところに来た気配を感じた。




「……………………ふぅ」


ようやくヘレナが眠った。今は小さな寝息をたてている。

何故か眠る前にヘレナが片目を開けこちらを見ていた。それで俺がヘレナの方を見ると

慌てて目を閉じる。そして俺がまた違う方向に向くと目を開ける。

もしかしてバレてないつもりなのか。

それともまだなんか疑われてんのかな?


寝ている2人を何となく眺める。

ぐっすり眠っている。子供らしいというかなんというか。


「……………」


やっぱり俺はこの2人と弟と重ねてんだろうな。

自分が死んじまったばかりに1人にしてしまった弟と。


その罪悪感からだろうか、どうも俺は2人を代わりに見ている節がある。

俺の中でこの2人を守らなきゃと勝手に大事にしている。

できればこの2人の将来を見届けたい。

寝ている2人の頭をそっと撫でる。


「寝るか……」


明日はアントンと一緒に狩りだしな。寝坊でもしたら怒られちまう。

俺は2人から少し離れた場所で背を向け横になる。




「……………」



びっびっくりしました。

意識がぼんやりしてたら、いつの間にか側にテツヤさんがいました。

私をしばらく眺めていたら、突然私の頭を撫で始めました。

キッ…キスとかされるかと思った。

でも撫でられて悪い気はしません。

むしろなんだかいい気分です。

体の体温が急上昇していくのがわかる。


「眠れなくなっちゃった……」


小さく呟いたその声は誰にも届くこと無く、ヘレナは眠れない夜を迎える事となった。








翌朝



「起きろーーーーーーっ!!!!」




「ぐへっ!」



アントンが俺の腹にダイブをきめる。


「にいちゃん!起きて!狩りに行くよ!」


く…苦しい……


「わっわかったからどいてくれ。動けん」


俺の腹の上からどいたアントンを嗜めながら上半身を起こす。


窓から外を眺めると空は明るくなっていた。

いつもより少し遅いか。

寝坊したか?まぁいいや、準備しよう。


顔を洗うため水の入ったバケツを探す。…が見つからない。


「あれ?水は?」


いつもヘレナが朝食と一緒に準備してくれてるのに…


「今ヘレナが準備してるよ。ヘレナ寝坊したんだよ」


ヘレナが?珍しいな。

一緒に住み始めてヘレナはいつも俺より早く起きてたのに。


「まぁそんな日もあるわな」


ヘレナだってそんな日ぐらいあるだろう。

しっかりしてるからまだまだ子供だもんな。寝坊ぐらいするか。



「じゃあアントン、一緒に火起こしするぞ」



アントンは今日こそ自分で火を起こすぞと張り切っている。

思わず笑みがこぼれる。


今日こそ火は着くかな?

やる気満々のアントンが必死に木を擦り始めた。



「あっおはようございます」


アントンを見守っていると、魚と水の入ったバケツを担いだヘレナが帰ってきた。


「おはよう」


片手を上げて挨拶をする。


「遅くなってごめんなさい。今朝食準備しますから」


そういってバケツを俺に渡す。


「いや、ちょっと少し遅くなっただけだ。ゆっくりでいいよ」



水で顔を洗い、狩りに行く準備を始める。

獲物を入れる麻袋とナイフ、武器は剣と………

後は念の為、アントンに持たせる武器をどうしようか。


「これでいいか」


狩りに付いて行きたいアントンを黙らせるために作った小さな木刀。

これでとりあえず素振りでもして鍛えてろと最初に渡したやつだ。

ヘレナに聞いたところ毎日振っていたらしい。気に入ってくれてなによりだ。

ここの常識は知らないが小さい子供に刃物を持たせるよりいいだろう。



「にいちゃん見てーー!」



アントンが大声で俺に呼びかける


「どうした?」


おっ


「火おこしたー」


なんとアントンは火を起こしていた。


そこには確かに小さな火が揺らめいていた。

ヘレナもあらまっといった感じで驚いている。

アントンも得意げにしている。


「すごいぞアントン。でも火が小さくなってきてるからもっと薪を足さなきゃ」


小さくなっていると聞いたアントンが慌てて薪を足していく。

慌てるな一本ずつだぞ。

少しずつ火が大きくなる。これにヘレナも大丈夫だろうと魚を焼き始めた。


朝食の焼き魚三匹すぐに焼きあがった。

アントンは食べながらもずっと薪を足して火の管理をしていた。

初めて自分で起こした火だからかすごく大事に管理していた。

その気持ち分かるぞ。



「よしっ飯も食ったし、アントン行くぞ」


気合満点のアントンを連れて狩りに出掛ける。


「気をつけて下さいね。アントンもテツヤさんに迷惑掛けちゃダメだよ」


ヘレナに見送ってもらいながら俺たちは森に入っていった


「にいちゃん、どこに行くの?」


森に入ってすぐアントンが尋ねてきた。


「とりあえず、にいちゃんがいつも行ってる狩場を見に行こう」


よくクァーニ(ウサギ)を見かける場所に向かう。クァナ(ニワトリ)より凶暴じゃないからだ。

しばらく歩き、クァーニの狩場に着く。


「にいちゃん、クァーニいないよ?」


「んーそうだな、少し探していなかったらクァナの方に向かうか」


残念ながらクァーニが見当たらない。

この時間帯で見つからなかったら大体見つからない。

しかし………


本当にいないな。

気配すらしないというか、気配わからんけど。

まるで元々ここにクァーニ自体生息してないというか。


………………


「自分で言ってて意味がわからんな」



とりあえずここらへんから早く離れたくなった。不気味だ。

アントンを連れてここを離れよう。



「アントン。ここにはいないようだから別の方に行くぞ」


「はーい」


そこらへんをウロウロしていたアントンが帰ってきたところでこの場を離れる。


「いなかったねー」


アントンが残念そうに言う。


「いつだっているわけじゃないからな、次に期待しよう」


この時俺は気づかなかった。

俺たちの事を見ている存在がいる事に………



そしてしばらく移動し、クァナの狩場に到着した。


「ここにもいないね」


クァナも姿を見せない。

可笑しいな。どちらも見つからないなんて。

今までこんな事なかったのに…………

狩りしすぎて警戒されてるのか?


「仕方ない、どこか別の場所探す………か」


アントンの方を向き声をかけるとアントンの後ろになんかいた。


猪!?


しかもデカい!!


アントンは猪に背を向けているため気づいていない。

猪はこちらに向かって突進してきた。



「アントン!!」


アントンは猪に気づき、驚き固まってしまった。


くそっ!!



俺はアントンにダッシュで駆け寄りそのままアントンを抱え、横っ飛びをする。

アントンを抱え込むように庇ったので背中から地面に落ちてしまった。


「っつ、いてぇな」


痛みに悶えてる時間は無い。

早く起き上がり体勢を整え、アントンを避難させなきゃまずい。


「アントン走れるか?」


アントンはまだ惚けているようだ。


「アントン!!聞いてるのか!?」


アントンはビクッと驚き俺を見る。


「あそこの岩の陰まで走れるか?」


アントンは人形のように首を上下に振る。

よし!なら大丈夫か。


猪がまたこっちに向かってきた。


ちっ!!


間一髪避け切れた。

けど危ないな。何度もそう避けきれないぞこれ。

けど今がチャンス。


「アントン!今のうちに岩の裏側に行け」


そう言ってアントンを離す。

アントンはダッシュで岩場に向かっていった。


これで一先は安心か。


次は俺だな。

さてどうしよう。アントンがいるんだ逃げるという手はない。


「まいったな」


こんな大きな相手は想定してなかった。

改めて猪をよく見る。

単純な高さで俺より少しでかいくらい。

もしかしてこいつの存在を察知して他の生き物は姿をくらましてたのか。


しかもでかい牙も生えている。

なんだよあれ。象牙みてぇだな!

心の中で悪態をついていると猪がまたこちらに突っ込もうと

片方の前足でガシガシと地面を削る様の仕草を始めた。

闘牛の牛かよ!


そこで1つ思いついた。

牛のように相手なら闘牛士のように避ければいいのではないか。

それが出来れば隙なんていくらでもできる。

攻撃なんてやりたい放題だ。

うん、何て天才的なアイデアだ。




猪が突っ込んできた。

やべ!考えてる暇はない。さっき考えた闘牛士のように!



闘牛士のように………




猪との距離は10mも無い。




闘牛士の……



猪はもう目の前に来ている。




闘牛………





「むりぃぃぃ!!!」



寸前のところで横に飛び回避する。



こえぇ超こえぇぇ……

死ぬかと思った。無理だよ闘牛士。


躱したと思ったら猪はすぐにこちらに振り返った。

距離は5mもない。目が合う。


猪は上体を起こし、そのまま襲いかかってくる。

え!?立ち上がんの!?

しかも俺よりでかい。まるで熊だ。


しかしこれはチャンスだ!

腹が無防備。俺はすぐさま剣を抜き猪の腹に斬りつける。



ボスッ



「はぁ!?」


確実に決まったと思った一撃は猪の体を傷つける事は無く、その硬い体毛によって阻まれた。


「嘘だろ!?」


だが猪は驚愕してる俺に構うことなくその前足を俺に振り下ろしてきた。

急いで体を捻って躱したが、頬を掠めた。

躱した勢いでそのまま数m距離をとる。



やべぇな。今頬の肉全部持ってかれたかと思った。

頬に手を当てるとべっとりと血が付いていた。


どうする?


正直しんどい。命のやり取りがこんなに疲れるとは………

数度ぶつかっただけだが、尋常じゃない位体力と集中力を持っていかれる。

猪は今度は確実に仕留めると言わんばかりにゆっくりと俺を見据えている。



どうする。

剣は弾かれる。【沢○栄○】さんの力を使うという手もあるが、

それだとは石を拾って投げる間に殺られる可能性がある。


悩んでいる間に猪がまた突進する動作を始めた。



どうする………


猪はこちらに向かって突進してきた。

今度こそ綺麗に躱す。そして思いっきり剣を突き立ててやる………それが出来るか?



猪はもう目の前

決断を躊躇い初動が遅れた。

やばい!死んだ!



その時何故か猪がゆっくり動いているように感じた。

これは……まさか走馬灯というやつか…

そうだ前にもこんな体験をした事がある。


この世界に来るきっかけになった事故だ。


という事は俺死ぬのか?……


また死ぬのか……




いやいや!まだ死ねないだろ!折角2度目の人生が始まったんだぞ!

それにヘレナとアントンの将来を見届けると決めたばかりだ。

いいアイデアが思いついたわけじゃないが、試したい事を思い出した。


俺はお爺さんにもらった『神憑』で故人の一般人しか憑依させられなかった。

神様は1度も成功出来ていない。


しかし【沢○栄○】は出来た。同じ一般人だが著名人である。

ならばもう少し知名度が高い人をと考えた。


お爺さんはイメージと情報が大事と言っていた。

思い浮かべる像は2本の刀を持って構えるあの絵。

二刀流……吉岡一門……

巌流島………佐々木小次郎…………

五輪書……二天一流…


見ていて良かった大河ドラマ。

よし、いける気がする。


剣と一緒に鉈を構える。


「宮○武○」


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