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第二世界 《 リセットから始まるスタート 》

 ギルド『エリュシオン』は黒騎士戦の功績を称えられ、ギルド基地なるものが、ルークスローレの大きなホテルにひとフロア作られた。大きくはないがアヤトたちの住まう場所もあり、基本的にそこからの活動が開始される。

 しかし、現在仲間の安否がわからなくギルドにもいないため、ギルド部屋は静まりかえっていた。そもそもアヤトたち三人はその場所を詳しく散策したことがない。何がどこにあり、誰がどこを基本的な活動場所として使っているのかはまったくといっていいほどわからなかった。


 どこにアルフォン・シーナがいるのか、わからないため手あたり次第に扉を開け始める。すると……




「アヤト!!こっちだ!」




 どこからともなく声が聞こえ始める。そちらの方に顔を向けるとそこにはアルフォン・シーナの姿があった。彼女がこちらに向かって招いている動作をしていたため、彼ら三人はそちらに向かって歩き出す。

 招かれた一室には無数のコンピュータが存在しており、何やら医薬品らしきものまであり不気味な部屋と化していた。不思議そうに見ているとアルフォン・シーナは電気をつけ、彼らの前にホワイトボードを用意する。




「驚くことも無理はない。簡単に今の状況を話すぞ」


「シーナさんやはり……」




 アヤト、ゆずは、美音の三人を待っていたといわんばかりに話が始まる。そのことに関してアヤトは察した。何かを知っている。しかし、それが自分の思うことなのかはわからない。真剣な顔つきで話し始めるアルフォン・シーナ、彼らはそれをただ聞くといった行動に徹するようになった。




「今私がこうやって必死に君たちを招いてホワイトボードを出したこと。普段そんなことをしない人が突如変わった行動をし始める。それは一体なぜだろうか?ではアヤト君どうぞ?」



「リセットされたこの世界の今ある記憶を各々で出し合おうとかではないのですか?」



「半分正解で、半分間違いだ。君は頭の良いと聞くが、そんなんでは世界には通用しないな。くたばってくれて構わないぞ」



「いきなり罵倒ですか……」




 突然の質問、突然の罵倒にアヤトはいつも通りのアルフォン・シーナであるということに安心したと同時に、疲れる人だとも再度確認することとなった。

 話はそれだけでは終わらない。根本的なものがまだ始まってすらなかった。すぐさま口を開くアルフォン・シーナ。それに対し疑問点などを発言する水戸アヤト。両者の話し合いが主として行われたが、後ろにいた美音とゆずはも思い当たる点を話し始めた。


 結果としては、現在今朝、目が覚めた頃から始まる。それはアヤトも体験していたことであると同時に他のここにいるメンバーとそうでないメンバーも体験しているだろうと推測された。

 ノヴァとの話に出てきた強制的な力の操作によりアヴィスの使者と会わない世界になった。それをしたのはアルフォン・シーナでさえわからないと話す。



 謎は多くの謎となって彼らに突き刺さってくる。しかし、今回ばかりは記憶を保持したままとなっているため、アヤトたちの敵ではない可能性が浮上していた。それもまた、一つの予想でしかなく実際はどうなのかはわからないが、何分それを確かめることができないでいた。

 悩んでいる時間がないとして水戸アヤトはその場にいたメンバーに対して仲間の捜索を優先すべきこととして答えをだした。それに対して、すぐさま賛成となった。


 アルフォン・シーナは何かあったら困るとして、通信機器のようなものを三人に手渡す。その後彼女は自身のしたいこともかねてメアリーを見つけることを主として行動を開始した。

 アヤトはゆずは、美音と共にグラン・エリアス総本部へと進むこととなった。



 グラン・エリアスについた頃には空は真っ暗となっており、街なども点灯がなされていた。とても綺麗で美しい場所。自分たちの先ほどまでいたルージュ・シュプレーター東街ルークスローレとは全く違った大都会と思えるような景色。この異世界に来て一年以上経過しているにも関わらず、観光という観光をしたことがなかったため、目新しいものがたくさん目に映りこんでくる。

 

 仲間の安否がわからなく、一刻も早く今の問題を解決するのが優先であったため、堪能することはできなかった。ギルドメンバーみなが集まって、次は来ようと決めるとともに足早に進む。

 そもそもこのような大きな場所に来ること自体初めてであり、何をどのように話せばよいのか困っていた。勢いだけで来てしまったこともあり、何も考えていなかったのだ。

 夜紅直哉が存在しない今、エリュシオンというギルドはどのような立場にいて、どのような考えを持たれているのか想像することに恐怖するほどではあった。


 世界のリセットをし、自分の思い描く世界にすること自体自身の利益でしかないのだから……

 機が付けば、グラン・エリアスの中央にある大きな城のような場所についてしまっていた。遠くからでもその形状がはっきりとわかるようにまで、大きな建物であり、城のようであり、城でないとされていた。

 この異世界の人口数を考えれば、これほどのものが建築されるのは不思議なことではないのかと半ば強引にアヤトは納得するほであった。


 建物の周りには門がそびえたっており、警備兵が監視していた。

 兵の一人がこちらに気付き歩いてくる。



「何用だ。ここは関係者以外立ち入り禁止区域だぞ?」


 

 門の周り3kmほどの区域は基本的に立ち入り禁止区域として言われている。魔法による監視やドローンによる空中による隠されていないカメラがそこらへんに置かれている。

 警備兵の話を聞きようやくこの区間が立ち入り禁止だと知るアヤト。後ろを見ると美音とゆずはの姿がなくなっていた。まさかと思い警備兵に話をする。



「もしかして……この区間って……魔法壁張ってたりします……?」


「当然だ。何かあったら困る。なぜ君のような青年がここにいるのか疑問だから、話しかけているのだが?」



 今話している警備兵は、ガスマスクようなものまでついている。実際高ランク魔術によって体に負荷のかかるレベルの壁が3kmに張られているとのこと。

 なぜ警備兵が大丈夫なのかは魔術装備だからだろうとしか考えることができなかった。入ってくる車も相当強力な力によって守られていたリ、そもそも許可を受けてのことだったために、この魔法壁に阻害されずに進むことができている。


 水戸アヤトはそんなことを知らず考え事をしながら、二人を置き去りにし、ここまでやってきた。ここ最近様々な問題がやってきたこともあり、自身の魔術のレベルに関してまったく考えておらず、返って怪しさ全開の状態で警備兵と話している。


 何も言わないアヤトに対し、より怪しいと感じ始める警備兵。さすがにまずいと思い、ギルド所属の人間として、中に入れてもらえないだろうか?と言う。




「ギルド:エリュシオンのメンバーの水戸アヤトです。中でお話したいことがあるのです。どうか入れてもらえないでしょうか?」


「エリュシオン……?」




 警備兵はアヤトの言うギルド名を復唱しながら別の隊員の元へと進んでいき、何やら話している。すると話していた隊員二人がこちらを見るなり歩いてくる。

 いい反応を期待して待っていると……



「手を頭の後ろにし、膝を付け!!」


「え……?」


「門A-1にて、黒星ギルド:エリュシオンのメンバーとなるものを発見した。すぐさま確保する」



 何が起こっているのかわからず、そのままいう通りにする水戸アヤト。すぐさま周りを同じ格好をした警備兵によって囲まれる。そして……



ドガ!!



「え……!!ちょ!!」


「水戸アヤト確保。すぐさま運びます」


 

 後ろから思いっきり地面へと伏せられ、大人数で取り押さえられる。両腕には魔法が発動できないような手錠をされ、頭に袋をかぶせられた。そのまま催眠魔術をされ落ちるアヤト。

 トラックに乗せられ、どこかに連れていかれた。



 一方ゆずはと美音の二人は、声をかけても返事せず、魔法壁を何もないようにして進んでいくアヤトに驚きと共に心配さえしていた。一向に戻ってこないこともあり、その心配は徐々に膨れ上がっていく。




「アヤトさん大丈夫ですかね……?」


「正直ここから先に入れる魔術師なんていないから入れること自体おかしな話で、誰かに見つかりでもしたら尋問かな……」


「この異世界はそんな旧石器時代まがいなことしてるんですか!?これは助けなければ!!痛いです!!」


「アヤトのことだ。平気だとは思うけど、私たちは街を見回ろっか」




 魔法壁は触れれば電気が走るようになっており、そう簡単通過することは不可能であったため、なぜそれを普通に進めたのかが謎ではあったが、魔術の適正が高いアヤトなら当然なのかもしれないと強引ではあるものの納得し、二人は情報集めなどをしに街へと進んだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 雨が降り続く暗がりの車道に一人の黒いローブ姿のものが現れた。彼は中央線に沿って歩き進めていく。もう片方にも同じような茶色いローブ姿のものが現れる。両者はある距離で止まる。さも、それを最初から決めていたかのようにして互いを見つめ合う。


 茶色いローブはこういった。




「君はまだ、その力の本当の意味や使い方を知らない」




 何を知っているのかわからない。しかし、それに対して黒のローブ姿は腰に付けている金色に光る剣に手をかざす。戦闘をする合図とでもいえる体勢になっていた。

 茶色いローブ姿は両手に剣を召喚する。それは、双剣と言うにはとても長く、長剣の二刀流と考えた方が良いのではないのか? っと思うような形状の武器であった。


 黒いローブ姿は左の赤い瞳で敵を見つめ始める。茶色いローブはそれを見るなりくすくすと笑う。その後に呆れたようにして言葉を発する。




「なんともまあ、驚くことばかりだ。君のしているのはただの真似事だ。君自身に正義なんてない。僕がそれを証明してあげるよ」



「ク……アハハハァ……俺に正義か……笑わせるなよ……俺が望むのは……破壊だけだ……」




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