表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻想世界XLEGEND 《ワールド・ファンタジア・クロス・レジェンド》  作者: 結城しじみ
第四章 深淵奈落の幻想編
93/99

深淵奈落の幻想編 最終世界 《 選択というなの運命 》

 前方のピエロは笑っているように、霧火を見つめる。発する言葉は片言のようなものであったが、それでもはっきりと霧火と話していた。

 それを聞いてなぜ自分を知っているのか? そのような疑問が生じるや否やすぐさま反応が返ってくる。




「オヒサシブリ……ワタシヲオボエテイルカイ?」




 ピエロの仮面をしているものを見た覚えは一度もなく、ただ誰なのかをひたすら考えていた春風霧火、しかし、まったくその存在を思い出すことができずにいた。

 そんな悩んでいる霧火を見て、ピエロは語り掛けてきた。



「ワタシハ……デス……キミニネムルモウヒトツノソンザイ……」




 デス……それは霧火に眠る力の一つ破壊王と呼ばれる力であり、なぜそれが目の前にいるのかはまったく想像がつかず、質問をする。




「なぜ、あなたがこのような場所にいるのですか……?」




 デスと言う目の前のピエロは、霧火の額に全体的に紫に染まっている右手の拳で軽く突く。その瞬間霧火は、自分のいつもの場所に移動させられる。

 いつも何かあれば来る場所、いつもと変わらない景色。いつもと変わらない暗い空間の中に一人立たされていた。しかし、今回は今までとは違い、なぜか安心できるような、そのような感覚に襲われる。理由はまったくと言っていいほどわからない。そんなとき、前方から何かが歩いてくる。



「おはよう。お久しぶりだね。元気してたかい?」



「あなたは……」



 そこにいたのは、間違うことが決してないほど記憶に残っているデスの姿であった。陰に隠れその身をさらさずにいたものが、目の前にちゃんと実際に姿を現していた。すかさず話す。



「偶然や必然なのかはわからない。ただ、これが僕にとっては必然だと感じざる負えない。どうだい君は?」



「いきなりそのような話をされても混乱するものです。なぜ俺はここに?」



「君がここにいる理由は簡単。星破壊者である僕の片割れと出会っただけの話」



「片割れ?」



「そう!星破壊者の左腕が分裂し、一つは君へ、もう一つはアヴィスに落ちたってだけさ」



「……」



「君は今まで数多くの出来事に遭遇した。それすべてが最悪として語るものばかりだろう。だけどね?これからの戦いによっては、君は選択しなければならないのだよ。だから、こうして片割れのデスは君をすぐに見つけることができた」



「何を選択するのかわからないのだけど」



「最悪か最高かだね?」



「何をもってそれになるのかまったくなんだが……」



「それはそうさ?何をもって最悪とし、何をもって最高とするのかはその人による。だが、君はいづれアヴィスの塔に近づき討伐する。その時訪れるもので、君はこれからどのように行きたいのかを創造しなくてはいけない。大事な運命さ」



「突然そのようなことを言われても、無理な話だよ……」



「ハハハ!君はまだ何も変わってないからね。弱くそして、臆病な君はとてもツライものだと思う。しかし、縛りを解いたにもかかわらず、君は暴走せずして、今いる。それは成長しているともいえることだと思うよ?」



「確かにそうなのかもしれない。だけど、わからないんだ。自分が何をしたいのか?どのようにしていきたいのか……」



「突然異世界に転移し、無理難題を課せられ突破しろ!実際そのように言われてハイわかりました!なんていえる人はいないよ。その点で言えば、君は強い青年さ。どうだいもう一度四つの扉やってみないかい?」



「また唐突にそのようなことを……こっちは悩んでいるのに……って扉……?」



「後ろを見てみ?」



 春風霧火の後ろには前回見た四つの扉が存在していた。驚くようにして見つめる霧火にデスは一声かける。



「それをどうするかはキミシダイさ。もう答えはわかっているはずなんだろう?アリスを見たんだし……ハルカゼキリカ……?」



 目の前には四つの扉、霧火は今までの体験そして、アリスの素顔を見て四つの扉のの意味を理解していた。そして、それに対する解決方もわかっていた。しかし、それができずにいた。それをすればより一層人ならざるものへと変化するのではないのか? っと内心怖がっていたのだ。



 何としてでも解決しなければならない。それもわかっていた。デスは霧火にどのような選択をしても自分が納得するのなら、それでよいと話していた。

 結末は自分で作り出すもの、答えは自分で出すもの。恐怖はいまだに心にある状態ではあったが、デスや今までの周りの人々を思い出し、ついに歩き始める。

 左から、白、黒、緑、赤の順で並べられていた。もう何をするのかは決まっている。アリスという精霊の少女の素顔を見た瞬間にすべてを理解した春風霧火。



 彼は、一度体験した赤の扉からゆっくりと開いていく。そこからでてきたのは、前にあった両目と口が真っ黒の洞窟のような状態の自分と瓜二つの青年の姿。彼はこちらを見るなり頷いてそこに立っていた。霧火はなぜか冷静にそれを見て、お辞儀をし、次の緑の扉に手をかける。



 緑の扉は自然の音がしていたものであったのだが、実際よく聞いてみると何かを引く音か、袋が風にあおられているような音。その扉をゆっくりと開けてみる。

 そこにも自分と瓜二つの青年の姿、しかし、こちらは狂気に滅ぼされながらベットの上の自分を鈍器で叩いている姿であった。見るも無残な姿の自分と、それをしている自分、そちらにもお辞儀をし、次の黒のだんだんとノック音が激しくなる扉、開けてみるとノック音とは違い、絶望している自分が壁に頭を打ち付けている姿。最後の白の女性の声の扉は、人を憎みただ殺したいと発している自分の小さいころの姿。


 

 デスはすべての扉を開けた霧火に語りかける。



「非常な真実こそ受け入れなければならない。君はいつまで逃げ続けているんだい?それが君の選択なら、とやかく言うつもりはないけどね」



「俺は……できるなら救いたい。悩んでいるものたちすべてを救い出したい。それは人でなくとも、誰であろうが救い出すとそう答えを出したい」



「ならもうわかっていることだろう?君が次にする行動はもうでているのではないのかな?ならそれをすればいい!それをして次に起こることを解決すればいい。そうやって成長していくものさ」



「そうだな……」




 春風霧火18歳。この異世界に来て一年が経過した。それはとてつもなく濃い一年であり、とてつもなく薄い一年であった。今までの人生を楽しめるほどの思い出はなく、ただ悲観するだけの人生を過ごしていた。しかし、この世界に来てから考えが変わってくると同時に、強さという成長をしてきたのだった。



 春風霧火は、自分の心臓あたりに右手を添え活を入れる。その後に笑顔で扉の方に進むのであった……




「これが俺の選択であり、これが俺の最後だ!」




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「人とは面白い生き物ですね。どうしてそのような考えなのかはわかりませんが、私が私自身で選んだ結果は素晴らしいものだと思います」



 一人の少女は暗がりの空間の中一人踊りながら、楽しんでいた。何かに成功したといわんばかりの笑顔。これから起こることに対する喜び。それらすべてが少女に笑顔を作っていた。

 少女の名前はルミナス。自分の選択した春風霧火の行動に驚き、そして受け入れた。



「シロイ、クロイ、そして私、出番はもう終わりましたよ。あとは彼がここに来るのを待ちましょう」



 少女の後ろにはシロイ、クロイの両名が立っていた。彼らはルミナスを見るなり、頷きそのまま彼女の求める方へと向かって行った。今までともに歩んでいた仲間との別れも告げず、そのまま何もなかったかのようにして進んでいく。



それと同時にいくつもの歯車が動き始めた。音もなくだんだんと何かを徐々に変化させるようにして活動を開始する。これからが始まりであろうと、そう思わせるようにしてすべての扉は開かれる。

 少女は最後に一言捧げるようにして告げた。



「私ができることはこれまでです。あとは、自分自身で道を作っていきなさい。水戸アヤト、春風霧火」



 世界のどこかでガシャンっとガラスの割れるような音がした。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ