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幻想世界XLEGEND 《ワールド・ファンタジア・クロス・レジェンド》  作者: 結城しじみ
第四章 深淵奈落の幻想編
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第十四世界 《 突き刺さる剣 》

 黒騎士との戦いから一年が経過していたことに驚いていたリリアと水戸アヤトの両名、しかし、イルミス管理者の話していた巨大な魔法防壁、何もできずそのまま日が変わるだけの日々を送っていた。

 そんな状況中、何かをしなくてはいけないと二人は考えひたすら修行をしていた。一年という長い間何もしなかったのと同じため、今いる世界の力の格差について考えていたアヤトが提案したものだった。

 二人が決闘をしているときイルミスがこちらに何か慌てているような表情をしながらかけてきた。



「お二人とも!申し訳ない。稽古の途中なのだが、すぐさまついてきてほしいところがあるのだ」


「ついてきてほしい?いったいどこへ?」


「上層部様が君たちに会いたいとのことだよ!彼らも暇ではないからね。すぐ来てくれるかい?」


「リリア行こう。もし仲間のところにいけるような話だったら聞かないといけないし」


「オッケー!」



 イルミスに連れられ天空都市の前回訪れた『スカイ・ロード』にやってきた。今回ばかりは、その場所には、一人の白髪に白髭の老人が立っていた。

 とても気品ある見た目であり、何が起こるのかわからないこともあってか、少し不安な感情を抱きながら二人はそこに進んでいく。



「まっていたぞ!リリアどの!水戸アヤトどの!」


「前来たところと一緒じゃねーか!同じことをこの剣絶対にぬけないんだろ……なんで来たのさ」


「理由は様々だ。とりあえずは、ここの責任者でもあるから無礼なことをしないように!」


「責任者ってお前じゃないのか……イルミス」


「ただの管理者だし、関係ありませーん」


「仲が良いことは良いことだ。早速話に映ろう」


「僕とリリアをここに連れてきた理由とは?」


「簡単な話だ。この剣をぬいてくれぬか?」


「そんなの前イルミスとともにやってきた時ムリゲーだったんだけど?それでもやるんか?」


「平気じゃ、そもそもこの剣をぬくには名前を言わなくてはならぬ。神の遺産は大体がそれを発して契約するものなのだがな」


「アヤト!前は俺が最初だったしお前やってみろよ!」


「ぬけるかはわからないけど、やってみる」



 リリアに言われ、そのまま剣の方に立つ水戸アヤト、触れようとしたその瞬間に隣にいた老人に何かをつぶやかれた。その瞬間様々な映像が脳裏に焼き付いてくる。その映像はどこか懐かしくどこかつらい。思い出したくないようなそんな雰囲気を感じとれるものだった。

 気が付けば、彼は街中に立っていた。信号機があり、人々がいる。まるで、実世界に戻ってきたかのような気分を抱く。



「ここは……どこだ……?」



 周りを見渡せば、ビルと青い空、今まで自分がいた世界とは違う光景。何が起こっているのかわからない状態のまま信号機が赤に変わり始める。

 一目散にそこから移動し、ある程度の距離を進み始めた。自分の居た世界、自分の住んでいた世界。場所は違えどそこはちゃんとした世界であった。

 ある程度進んだところに公園を見つける。そこは広かったが気が付けば夜であったため、虫の鳴き声や静けさだけの世界が広がっていた。



 

「驚きました……あなたからこちらに会いに来てくれるとは……」




 前方の横長の滑り台のようなところから現れてきた男がいた。長身に長い白い髪、黒い丈の長い服を着ていた。こちらに気付き声をかけてくる。




「だれだ……?」


「私を忘れてしまいましたか……?白神と申します。以後お見知りおきを」


「こうして話ができるということは、何かを知っている人なんですね?教えていただきたい」


「春風霧火君と言い水戸アヤト君といい重症ですね。あの方も……ここまで何も話さないで一体何を話してきたのやら……」


「あの方……?」


「夜紅直哉君です。彼には手を焼きます。強力な能力者の二人に何も話さないまま異世界転移をし、一年半を過ごしてしまう。こちらから聞いても大体の場合は、あとでやら濁す感じで終わるでしょう。彼はそういう人だ」


「やはり夜紅直哉も話してないことが多いのですか……」


「話してないことが多い?違います。多いのではなく、多すぎるのです。困りものです。これでは何も進みませんよ……まったく」


「あなたたちが何をしているのかはわかりませんが、僕たちがなぜこのような状況下にあるのかを知りたい。それだけでもいいから……」


「構わないですし、そもそもいずれ知ることとなります。君はもう能力の開眼ができているわけですし」


「能力の開眼……?」


「君は春風霧火君と対になる存在であり、彼とは違い頭の良い子だ。なので、おのずとその兆しは見えているはずです。そうですね……数秒先のことが見えるとか?」


「なぜそれを……そもそもあなたは何者ですか……」


「私の存在はまだ先なのかもしれないですが、いずれわかる日がやってきます。あなたにはその未来視の能力を極めて欲しいのです。霧火君同様左目の力は偉大ですからね~」


「霧火も何かが……」


「ありますとも!まあ彼は君のように先天的なものではないのですけどね。それでもあの力は偉大です。真実の目や死神の目として言われますね」


「真実の目……死神の目……大きな話みたいですね」


「名前からそう考えるのも無理ないですし、そもそもそのような能力なので、あながち間違いではないです。真実の目はその見た者の真実を見破るものです。死神の目は異名ですね」


「僕は未来視ということですか……」


「未来視といっても君の場合は特殊なものです。大体3秒~3分の間の映像が見えます。その中でいかにして自分の行動に結びつけるかといったものです。できるかはあなた次第ですけどね?」


「なぜそこまで詳しいのですか……なぜ?」


「私は霧火君にも似たようなことを言いました。しかし、夜紅直哉君が話をまったくされていないそんなことを考えるとあなたたちが不憫で仕方ない。簡単な真実を言いましょう。歴史は繰り返すのです。霧火君は暴走し、あなたは絶望するでしょう。もうすでにアヴィスの使者なるものが世を攻めています。この戦いによって君たちの今後が大きく変化することでしょう。能力といい知りたいことと言い。簡単ではありますが、以上ですね……あと君に一つ私からのプレゼントをいたしましょう。この知識をあなたにお渡しします。今の問題を解決できることでしょうつぶやいてください……『霹靂神』と!」


 そこからまたまぶしい光が目の前を包み込む。リリアの声により現実に戻される水戸アヤト。



「おい!どうした?何か問題でもあったか?さっさとしないと次俺行くぞ?」


「ああ……」

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