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幻想世界XLEGEND 《ワールド・ファンタジア・クロス・レジェンド》  作者: 結城しじみ
第四章 深淵奈落の幻想編
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第十三世界 《 赤きマターの力 》

「一年間の間この場所は何も触れられず、そのままの状態か……」



 

 春風霧火とアリスの両名はアクエリアスブルーの場所に転移していた。そこにあるのは、一年前に戦った後の戦場であり、何も変わらずといった具合に荒れ果てていた。ゆっくりとあたりを見渡しながら、歩き進めていると何やら、こちらに向かって声をかけてくるものが現れた。




「まさかこんな場所に人が現れるとは……驚いた。しかも、それが春風霧火なのも驚く話だ」




 そこにいたのは、薄オレンジ色の髪をし、小さな王冠をつけており、空中に浮遊している椅子に座っている少年がいた。貴族のような姿をし、赤とオレンジの色を基調としたものを付けていた。




「その目は、僕が何ものかがわからない様子か……まだ僕の存在を知らないものがこの世にいるのか、驚く話さ。こちらは君の名前を知っているというのに……我が名は、ドラグーン家当主フレア・ザ・ドラグーン! 炎のマターを持つ者だ」


「……」


「何も話さないのだな?それは失敬だと思うぞ?この我が貴族を愚弄するといった考えを与えるのだが?違うか?」


「あなたにあまり良い思い出はないですね。なので、話すこともないです」


「王である僕を批判するというのか?ふん。それほど馬鹿な野郎だとは思わなかったよ。春風霧火。いつでも貴様のような非能力者なんぞ簡単につぶせることを知らないのだな?」




 そういうとフレアは指を鳴らし、自分の後ろに赤い竜を召喚させ、自分中心に炎のロウソクを召喚した。いつでも戦闘準備はできている! っと言うほどにまで、霧火に視線をのばしていた。




「どの時代でも権力者は馬鹿しかいないんだな……」


「貴様……やれ!赤き竜よ!」


「ガアアアアアア!!」




 フレアの命令により、赤き竜は前に現れる。その後に炎を吐きだす。




「単純すぎる……すべてが、無駄なんだよ!!」



パリーン……




 霧火は向かってくる炎を消し去る。その行為を見て笑うフレア。




「この僕の竜の攻撃を止めるのか……お前……何かしたな?」


「なんだろうね。ただ、フレアといったか……弱いな?」


「調子に乗るなよ。竜の攻撃を一度阻止しただけで、この僕に勝ったつもりか!!」


「グガアアアア!!」




 赤き竜はフレアと連動しているかのようにして、行動を開始する。尻尾での攻撃、翼での攻撃、炎による攻撃、これらすべての攻撃を華麗に避ける春風霧火。

 しかし、霧火は自ら攻撃を与えることをしなかった。それにフレアはなめられていると思い、やがて激怒する。




「戦わないのは力がないようではないな?」


「俺が戦いをしない理由は簡単だ。お前みたいな弱いやつに負ける要素は一つもない!だから攻撃をしない。勝ってしまうからな?」


「っち! 竜よ消えろ。この僕が僕自身がこいつと戦おう。こんな愚民を処罰するには僕が必要らしい……」



 

 赤き竜は消え、椅子から降りるフレア・ザ・ドラグーン。彼の目には相手の間違いを正すことしか頭にないようにまで憤りを感じていた。

 春風霧火は、この世界にも貴族制のある場所が存在することに正直驚きを感じていたが、このようなものを頂点に立たせれば、何もかもがおかしくなると踏んでいた。

 両者初対面ではあるが、変なプライドを掲げながらの戦いが始まる。



「貴様が王という存在を知らないのなら、僕がここで教えてやろう。《守護する絶対炎》(プロテクション・フレイム)発動!!」



 フレアは一瞬にして赤い竜の鎧のようなものに身を包んだ。その身長も大きくなり、約2メートルほどにまで成長していた。周りに火の粉がまっており、その見た目だけで圧倒されるほどのものと変貌していた。




「王を知らぬ無知なる人よ。もう一度聞こう。貴様は我をどう思う?」


「悪いけど……その答えは、ノーだ!!お前が王だとは思わないし、第一に俺の考える理想郷にお前は含まれない」


「なら、ここで倒すがよしだな?」


「望むところだ……アリス!」


「ハイ!マスター!」



 フレアはその言葉を聞いた瞬間にその場から移動を開始する。すぐさま目の前に大きな存在が現れれば驚くのだが、今の霧火にはそんなこと大したものでもなかった。右拳が霧火めがけて突っ込んでくが、回避する。地面にぶつかり、そこを中心とし円状にくぼんだ。

 足で、移動したスピードを押し殺し、相手に向き直る春風霧火、ダークマターの力を右手に込め球体にし、投げ飛ばす。やがて、それは爆発し、小規模ではあったが、辺りを強烈な引力で吸い込み消滅する。

 そこには敵の姿はおらず、気が付いた瞬間には後ろを取られていた。



「ふん!こんなものか!」



ドガアアアン!!



「マスター!!」



 脇腹を思いっきり殴られ、そのまま建物の方に突っ込む。アリスは心配していたが、それを軽く無視し霧火自身敵の攻撃を考え始める。さすがに、スピードと威力が高く、その巨体を簡単に動かせるのは素晴らしいとさえ思う扱い方、そんな敵に勝負を仕掛けたのが間違いだったのかもしれないと考えた霧火だが、これからを考えるとこれ以上の者が現れることを考え引くことはできなかった。




「ダークマター、ブラッド両方解放……」


スゥー……ドガアアン!!



「ほぅ~?何か来るな……?」



 その場の瓦礫を吹き飛ばすほどの力を解放し、相手を驚かせる霧火。更なる攻撃はここからスタートする。



「何もさせるわけねーよ!バーニングラッシュ!!」


「(はや・・すぎる……)グハァ!!」


「マスター!!」



 一瞬で逆転され、そのまま炎を両手にまとった連撃を霧火は受けてしまう。普通なら死んでいるレベルの猛攻撃、気が付けば終わり、地面にうつ伏せになっていた。

 足で頭を押さえられ残念そうにフレアはいった。



「口だけのやつは嫌いではないが、この世界では、そんなやつすぐに死ぬぞ……ふん。まあいい。僕にこのように言うやつも少ないからな。今回は許してやろう」


「王が俺を許してくれるんですね……ハハハ……」



スジャアアア!!!



「く……なに……うわあああ!!」



 頭を踏んでいた体は禍々しい液体となり、やがてフレアに針となって突き刺してくる。突然の出来事になすすべなく、すべての攻撃を受けた結果炎を自分に発動させ、その針をすべて焼き切った。しかし、膝をつく息が荒くなる。その後ろを春風霧火は無双竜をうなじ部分に少しほど触れさせ話す。



「王は簡単にその勝負を終わらせてはいけないと思うぞ。お前は本当に王なのか?それすら怪しいと感じるほどにまで、甘いな……」


「ふふふ……まさか……まだこんな輩がこの世界にいるとはな!!面白い!面白いぞ!春風霧火!!うおおおお!!」


「マスターまた消えました!しかし、この反応はわかります!上から来ます!!」



 反応がわかる。それは霧火でさえも理解できるほどにフレアはその存在を出していた。それはわざとだとアリスが推測し、その場から去るように促す。

 フレアの攻撃は、それの有無も言わさないほどのスピードであったために、防御しか体勢が取れなかった。



「これでも食らえ!ハイブースト!フルチャージ!!煉獄よりいでしその竜は炎をまといて、その力を解放する『流星超爆発』(メテオ・オブ・バースト)」



ズドドドドドドン!!



 自らを炎と一体化し、そのまま突っ込んでくる。無双竜だけだと無理だと思いダークマターやブラッドのすべての力を防御に回す。

 霧火に当たった瞬間に周りを炎に包みこみ、視界も思うようなものを見ることができなかった。



「これが王による力の威力か……アリス持ちそうにない……何かないか?」


「すべての力を解き放ちます。そうすれば可能です。いきます!!」




 すると両者のあたり一面がまぶしい光へと包まれる。やがて、見えたその場所は先ほどとは全く違った荒れた光景が広がっていた。建物も原型をなくし、至ところに炎がともっていた。

 戦場にいるのは、力を使ったとされるフレア、その見た目は最初に出会った少年に戻っており、何か違和感を抱いていた。




「まさか……これほどのものが世にいたとはな……やられたよ。僕はまだ知らない世界が多いみたいだ……」ドタッ



 力なく倒れるフレアを見て、無双竜を地面に突き刺し息荒く春風霧火は立っていた。マターの力を知った彼は驚きを隠せないでいた。もしかすれば、これ以上のマター使いもこの世には存在するとして。

 ギリギリ、フレアの腹部を切り出血させたのは、こればかりは運が良すぎた結果なのだと考える霧火、自分も立つだけでやっとなくらいであったため、そのまま力なく倒れてしまう。


 倒れてかすかに見える視界の中に何かが歩いてやってくるのが見えたが、確認することさえ無理であった。



「もうぉ~フレアはダメダメですよ……」


「さすがにこの考えなおさないといけないですね」


「もう片方もマターの反応がありです!」


「この力の波長は……まさか、ダークマターですか……」


「おぉー!まさかダークマター所持者に出くわすとは!運が良いです良いです!」


「残すはライトマター所持者のみですね。しかし、アヴィスの使者がここまで進行していることを考えたら、マター探しも苦戦を強いられそうです。第一に風のマターは行方不明ですし……」


「最悪が積み重なりそうですね……とりあえずはこの二人を安全な場所に運びましょう。ダークマター所持者の方は何かと聞きたいことが山積みですし」


「僕もそう思います!メカニカルなこと来ると思うとワクワクしちゃいますよ!!」


「昔から変わりませんね。響は……」


「水無月のねーさまこそ、少し変わりすぎな気がします……三人そろって同い年だというのに……」


「そうですね。人は変わるものですよ。おほほほ~」


「おねぇーさんが一番怖いです」


「それはひっどいです!訂正お願いします!」


「真実ですし!ベルゼちゃんも同じく思ってますって!」


「あなたね~……」


「あははは!!それではこの二人運んでいきましょうか!ルークルローレまで!!」






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