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幻想世界XLEGEND 《ワールド・ファンタジア・クロス・レジェンド》  作者: 結城しじみ
第四章 深淵奈落の幻想編
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第十二世界 《 アヴィスの復活 》

「まったくです……まったくといっていいほどですね……」




 孤高の存在であり、中途半端と言わざる負えない人物がそこには存在した。周りを見渡し彼は一言つぶやく




「お前ほどの能力では、俺にはかてねーよ……ですか……随分と強くなったものです。水戸家のアヤトといい、春風霧火といい……私を支持するものはいないということですか、すべては力があるからなせること……第一に私は、すでに倒された身だ。この命もう意味ないのかもしれないですね」



 水戸アヤトとの戦いのすえ、大道寺翔は彼の考えによって一度負けている。分身として消えたが、大道寺はそれ以外にすでに策がなかったのだ。同時に春風霧火との接触の際は見逃してくれた。といった方が当てはまるくらいにまで力の差があったのだ。

 それに対し、すでに化け物と言わざる負えないほどの成長スピードの二人に自然と笑いがこみあげてきていた。そもそも、大道寺の目的はただのコレクションであり、それをどのようにするのかはまったく考えていなかった。したがって、無理やりにでも取りに行くといった方法をとることは決してしない。



 本来であるのなら、黒騎士戦後に彼らに会えば手に入れることさえできていたが、それすらしなかった。行方もわからぬまま旅を続けるかわいそうな人として、自分を悲観しだす大道寺。

 そんなとき目の前に自分と似た姿の人物が現れた。



「あなたは誰ですか……?」


「どうやら属性が被っているものが目の前に現れましたね?私の名前は白神と申します。あなたに会いたくてここに来ました」


「髪の色以外は一緒なのですね。口調も……世界には三人ほど似た者がいると言いますが、ここまでそっくりなのも驚きです」


「驚きなのも無理はないです。あなたと私がここまで酷似しているのには理由があるのですしね?」


「どういうことです……?」


「あなたの役目は終わりということです。やはり、能力者ではないものに能力を与えても意味がなかったということですね」


「え……・」




 大道寺翔はそのまま、白神を目の前にし光となって消える。その後『骸の力』を受け取る。すべては計画されたものとして、ほほ笑む彼であると同時に、まだ複数そのような存在がいるとし終わってないと考える。




「使えない者に力を与えても、使えないのですね。この人は最初から力に関しての欲がなかった。まったく転生者というのはこういう人が多いから困る……まだ、氷道院海斗君の方が使えてたのに……もったいない。このようにちゃんとした転生者も多くないのに……」



 すべては自分の仕組んだことだとして話す白神。隣にいるアリスと呼ぶ精霊に語り掛けているかのようにしていた。




「春風霧火君は簡単でしたが、さすがに水戸アヤト君を同じようにするのは厳しいですか……実際問題氷道院海斗と大道寺翔の二人と戦っても、揺るがなかったことですしね。やはり彼が一番難易度が高い存在だ」




 白神はそうつぶやくとその場から消え去った。



――――――――――――――――――――――――――――




「アリス……これはなんだ……」



 春風霧火とアリスの二名はグランエリアスに帰還する途中に前方に大きく赤い空のようなものを見つける。それは地平線の先まで伸びており、黒騎士のフィールドと似た何かを感じ取っていた。

 禍々しいと言えるその場所に足を踏み入れる霧火。入っても何も起こらない。ただ赤く染まっている空。

一歩後ろに移動すれば、深夜の黒い空が広がっている。

 自然とそのまま歩き進めていく霧火は、そこには動物や虫すらいないことに気づく、深夜といっても森の中では、夜行性の動物が活動しだすことから、ここまでの静けさはあり得ないと考えていた。


確実になにかある! しかしそれが何かがわからない以上どうすることもできなかった。すると前方から人の悲鳴とも捉えれる声が聞こえてくる。その音に向かって行く霧火だったが、正体不明と言わざる負えないものがそこには存在していた。




「ああ……あああ゛!!」


「アリス、何だこれ……人か?」


「どうやら、これはアヴィスの使者のようです。彼らに決まった自我はありません。しかし、このような古代遺物と称されるアヴィスの封印が解かれているとは……」


「そんなにやばいのか……?」



 アリスは、霧火に対しアヴィスについて話し始めた。

 アヴィスとは、黒騎士と同じように古くから存在するものでありながら、その正体は不明なものであり、一部では『地獄に落ちた者の末路』と古くからそう呼ばれている。

 そもそもこのような存在が最後に解き放たれたのは、数百年前と言われそれ以後、どこに封印されていたかさえ謎だった。しかし、霧火達の目の前にはそれが存在する。

 

 アヴィスの使者は、その見た目が様々であり、現在彼らの目の前に存在するのは、上半身の裸体のみで髪が長く、女性の体をし、息が荒く、今でも襲い掛かりそうな見た目をしていた。使者には自我がないとされ、大体アヴィスの使者と断定できる要素の一つとして、目玉が白目黒目両方とも真っ赤なのとところどころに、術式が刻み込まれているのである。

 当然その模様とも呼べる術式を解読することが困難であるため、どうしてこの存在が生息し活動しているのかはわからない。


 そもそもわからないものの集合体とさえ言われるほど謎に満ちているのがアヴィスである。




「結局何を目的として活動しているのかは、わかるのか?」


「彼らが目的とするのは、ただの捕食とされています。しかし、今を見たらわかるのですが、彼らの捕食は全体を壊すほどです。彼らを捕食するといった存在が現れていないのが今も同じであり、相当危険なだのとされています」



 そんな話をしていると前方にいたアヴィスの使者が突然襲い掛かってくるが、その力の弱さや攻撃のかわしやすさから、返って呆気に取られてしまう春風霧火。すぐ無双竜を召喚し、一刀両断するとアヴィスの使者は消えていなくなった。




「どういうことだ……?これが食物連鎖の頂点的なレベルなのか?」


「アヴィスの使者は、様々な種族が存在します。大体ここら辺に生息しているものはとびっきり弱い階層のものたちです。しかし、弱いからといって侮ってはいけません。彼らの本領はその数です」


「数か……黒騎士兵も相当な数がいたが、最終的にそこまで戦ってないからな……」


「マスター黒騎士の兵の数を考えていると、この先非常に厳しいかもしれません」


「それほど多いのか?」


「ハイ!彼らは皆が皆共鳴しており、一体倒せば周りにいるものたちが一斉に襲い掛かってきます。なので、今この状況で……」



 アリスがそういうと、だんだんと何かが迫ってくる音がやってくる。それは黒騎士の兵士100人などのレベルではなく、数千クラスの足音だった。



ドタドタドタドタドタ!!



「「キシャー!!ウギャー!!」」



「まじか……」


「マスターさすがに無理は禁物です。撤退しましょう」


「空からも来てるみたいだけど、逃げれる?」


「私たちの負けです……」


「あっそ……ブラッド、ダークマター解放!!」



 春風霧火は、力を二つ一度に解放し、その場から一目散で逃げていく。すでに自分の後ろは見渡す限り一面の赤い空であったため、戻ることをせず、突き進んだ。

 しかし、驚くことに、そのスピードに追い付くかつかないかのレベルで、アヴィスの使者はやってきた。



「とんでもないやつらだな……『闇黒玉』(ダーク・ボール)」



ドガガガガア!!



 霧火はダークマターの闇の力を右手に集中させ玉を作り出す。そのまま後ろめがけて投げ飛ばす。すると一定の範囲は爆発し、亡くなるが、それでも大量に迫ってくるアヴィスの使者。さすがに、見渡す限りアヴィスの使者なことから、切りがないとし戦闘態勢に入ろうと思ったが、アリスに強制的にダメ! っとの声を発せられてしまう。



「どういうことだ?アリス!」


「アヴィスの使者と戦うのは無理があります。確実に数で押し切られてしまいます」


「この解決方法はないのか?終わらないぞ!」


「ありません……」


「ないのかよ……ならいっそのことこうするしかない!」


「マスター!?」


「緋陽剣!いくぞ!業火の炎!煉獄烈火!!」



 無双竜をしまい、緋陽剣を取り出し、そのままスキルを放つ春風霧火、剣を地面に突き刺し、前方の一定の距離に大きな火柱を数本登場させ、渦を発生させた。

 アヴィスの使者は思うようにその攻撃に飲み込まれていく。その隙に逃げていく、しかし、その数は増えていき、やがては数を数えるのすら、めんどくさいと思えるほどにまで存在していた。


 ある程度進んだ後、崖が見えてくる。そこから、ブラッドの力を足に込めると、高くジャンプしだす。超人と言われるほどのジャンプ力だったが、後ろからやってくるアヴィスの使者も、同じように高くジャンプするが、ある程度の距離になると、そのまま下に落ちて行っていた。何も考えず、ただ落ちるものまで存在していた。残すは、空中にいる使者のみ。


 地面に着地する瞬間に威力を流れるようにして、前方へと加速する。目的はわからないが、このままいけば国や街に激突し、挙句の果てには、より悲惨なことが起こってしまう。

 そう考えた春風霧火は、打開策を講じる。さすがに、周りには誰もいないことを確認し、一時停止する。先ほど同じことをする様子だった。




「マスター!さすがに、同じことを何回やっても無意味です!」


「ああ……」




 そういうと、霧火は武器をすべて消し、手を目の前に出し、そのままスキルを発動させた。




「『位相転移』(フェーズ・シフト)』



 一瞬にしその場から春風霧火は消え去った。アヴィスの使者も探知できないほどのスピードで……



「マスターここは……」


「アクエリアス・ブルーだな。一年も経っているんだ。やはりこんな感じか……」


 

 二人が転移したのは、一番最初に黒騎士と戦った。アクエリアス・ブルーであった。



「マスター一体どうやって転移魔法なんか……」


「俺にも詳しいことはわからない。ただ、アレクロアス一世の時の転移や、その他の戦闘時の移動を思い出した結果、こんなことができるようになった」


「一応瞬間移動系のものを使える人は多いのですが、マスターは転移ですし、移動の領域を超えています」


「俺にはわからないな。ただ、使えるものは使っとけ……ここも空は赤いんだな……」


「アヴィスの浸蝕率はフィールド魔法を超えるとされるのですから……」




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