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幻想世界XLEGEND 《ワールド・ファンタジア・クロス・レジェンド》  作者: 結城しじみ
第四章 深淵奈落の幻想編
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第七世界 《 存在が知れるのはまずいこと!! 》

「すっごいな!兄ちゃん!!まさか、このブラックドラゴンの長を倒すなんてよ!!」


「そんなにこのドラゴンは強かったのですか?」


「そらー強いのなんの!クリムゾン・レヴェナントの国でも相当厄介とされていたモンスターよ!」


「そうですか……ならよかったです。僕は次の依頼を受けに行きます」


「あんた!旅人かい?何してこのような場所で、依頼を受けてるんだ?資金とか?」


「ハイ。遠い場所に買えるための資金調達です」


「なら!いい任務教えてやる!ちょっと俺と一緒に集会所の方にいこうや!」


 

 

 春風霧火は「レッド・ロア」を後にし統治する国である「クリムゾン・レヴェナント」に来ていた。そこに「ブラックドラゴン討伐!」という名のクエストがあり、この世界で言うクエスト難易度を示す「異能強化指数」と呼ばれるものの中で上から二番目の難易度である赤星を受けていた。

 しかし、今までの敵が異常なことや自分自身の強さが異常なこともあってか、このくらいのレベルだと能力を使わずして倒すことが可能であった。そんなこんなで、ある程度の資金はたまっていたが、それでも彼は目的のために資金調達をしていた。

 


 そんな彼に対しとっておきなクエストがあるとして集会所に一緒に向かい相当難易度の高いクエストを特別にといった形で受けることになった。

 そのクエストも討伐なのだが、どうやらとんでもない力を持つモンスターだと言われていた。



「これがクエストです。難易度相当高いですけど平気ですかね?このまま誰も触れなければ、また更新されてしまうのですけど……」


「赤星いくつで黒星でしたっけ?」


「10つで1つ繰り上げになりますね!なのでこの高難易度クエスト『迫り狂う恐怖』は赤星10です!」


「黒星1ではないのか……」


「必ずしも10で1に繰り上げするという形にはなりません。大体の場合はすぐに黒になってしまいますけどね~……どうです?やります?」


「時間もないしやるわ」


「了解です!それでは『レッド・ロア』につき次第また集会所で春風霧火と名前を受付にいってください。そうすれば細かなことは向こうでやってもらえます」




 そんなこんなで、またレッドロアに向かうことになってしまう春風霧火だった。二度と来ることはないと思っていた場所だっただけに、深くため息をする。




「マスター?幸せ逃げますよ?」


「もう不幸ゲージMAXだし、どうでもいいわ……」


「どうやら、この場所に討伐対象のモンスターがいるみたいです!」


「なんでこんな人がいるんだよ……」


「それは~このクエストは一人では無理ですし!」



 山を登りある程度のところまで進むと開けた場所が見えてくる。そこには赤い水たまりがあるが、この地域の水たまりはマグマそのものなので、気にしたら負けである。

 クエスト難易度は全部で「黒、赤、桃、黄、緑、青、白」が存在し、赤以上だとソロでは確実に無理とされるほど脅威的なものであり、グランエリアスなどに要請をだすほどとされている。

 今春風霧火の受けているものも要請はだされている。結果グランエリアスとその他の地域からギルドが派遣されていたりする。この場所にも無数の人がその対象に挑んでいる最中であった。


 相手は巨大なドラゴンであり、先ほどのブラックドラゴンを三倍近く超える力と体格。

 周りにいたものたちは、非常に苦戦しており、近寄ることさえ不可能であった。なぜならば、敵は飛んでおり体を中心にし、火の竜巻が起こっているからだ。

 近寄ったら殺される。逆に近寄らなくても殺される絶対的なピンチを今現在春風霧火とアリスの二名は後ろから発見した。




「はぁ……」


「マスター今日だけでため息10回以上はしてますよ」


「もう去っていく幸せもないんだろうな。楽なことだわ」


「逆にポジティブですよね……マスターって……」


「ばかやろう。そうしないとここまで生きていけなかったんだよ」


「納得です!!」



 

 春風霧火はため息をしながら、歩いて対象の巨大ドラゴンの前まで進んでいく。




「君!それ以上先に進むと危ないぞ!いくら何でもこいつは強敵すぎる!!」


「失敗した……俺らはこのまま焼かれて死んでしまう……いやだー!!」




 恐怖のあまり逃げ出すものも現れたが、それに対してもため息をする春風霧火。そんな彼にどこからともなく声が聞こえてくる。




「貴様……何やつだ……ここは私の縄張りだぞ?ここに来るということは貴様殺されたいのか?」


「お話できるのなら、早いんだが?迷惑してるから、この場所から去ってくれ!」


「ふん!あり得ない!断じてあり得ないぞ!人間よ!!この場所から離れるだ?こんな素晴らしい立地を離れるとか馬鹿がすることだ!!貴様人間のくせに生意気だぞ!!」


「あまりお前と戦いはしたくないんだ。そのままいうことを聞いてくれ。死にたくないだろ?」


「きさまあああ!!人間風情が!!私に歯向かってくるとは!!周りにいる兵士のように燃やし恐怖させてやろう!!《ファイアーブレス》」



ブオオオオオ!!




 目の前にいた巨大なドラゴンは春風霧火に向かって、体格以上の大きな炎を吐いてくる。周りにいた兵士はみなが膝をつき、泣いているものばかりだった。

 しかし、春風霧火だけ、またため息をし目の前に向かって左手を添えると、対象の魔法は消え去った。




「体格が大きく周りをこんなに恐怖にすることで、どれだけ強いモンスターなのかと思ったが、やはりこの程度か……」


「何!?貴様!我が力を受けてもなお無傷だと!?あり得ない!ただの人間にそんなのあり得ないぞ!!」


「お前が見ている俺は人間に見えるのか……なら、それはうれしいのかもしれない、だがそれは人の見た目をした化け物かもしれないな?じゃあな」



 そういうと春風霧火は、右拳をドラゴンめがけて振るう。それは対象には当たらなかったが、前方の空気を力にし、ドラゴンを勢いよく吹き飛ばす。壁に思いっきりぶつかり、悲鳴を上げ、そのまま気を失う。

 いつの間にかに周りにいたドラゴンの群れは倒れたドラゴンを回収し一目散に逃げていった。一番驚いていたのが、兵士たちであった。霧火がそれほどまでに強かったのと、恐怖をしなかったことその他いくつものことが重なり、声に出せないものもいたが、逃げ去ったドラゴンの後ろ姿を見て歓喜するものが現れた。




「おお~~!!赤星10をクリアしたぞ!!おおー!!すげー!!」


「生きて帰れるとは思わなかった……おい!あの少年は!?」




 気が付けば春風霧火はその場におらず、一目散でクエストの報酬ももらいに進んでいた。




「マスターっていつからそんなにお金思考になったのですか?」


「お金思考というよりかは、この街、この国で俺という存在が広まったらまずい……」


「みながマスターに任務頼めちゃいますしね~……」


「あんなに弱いモンスターでも苦戦する世の中がおかしい!!」


「そういえば、水戸アヤトさんもいってましたね?あの人赤星10の対象が弱すぎて、逆に怒ったのだとか?」


「こんな難易度ならそうよ……」




 春風霧火はかけていきそのままクエストを完了し、このクエストを討伐したのは現地にいたギルドと話し、その場を去った。それから、マグマ地域から逃げるようにして霧火は去っていった。

 彼の本来の目的地はグランエリアスなのだが、地図を受け取ってもグランエリアスと聞いても、確実な情報がないまま時がながれていく。相当遠い場所なのかもしれないのだが、行く街行く街はほとんどが、小さいものなので、知らない情報の方が多く、苦労するのであった。


 途方に暮れながら道を歩いていると……




「はぁ……」


「今日のため息数は限界突破ですね!これスマホゲームとかだと、最高ランクですよ!最高ランク!!」


「アリスは楽しそうね……あ……」


「どうかしました?マスター?」


「俺がこの世界に来た時の話でも休憩がてらにするか……」


「興味あります!!でも突然どうして?」


「場所は違えど、環境が似てたから……周りに誰もおらず、一人彷徨っている感じ。今は夜で周りが森で、土を歩いているけど、当時は空は明るく砂漠だったわけよ」


「真逆ですね!それでそれで?」


「飲み水もなくただ歩いてるだけだから、熱中症になり倒れてね。そこに……そうそうこのくらい大きな鷲の見た目した獣人とあったのよ」




 道の端で彼らは座りながら話し、霧火がイーグル族の王のことを語り始めると、目の前に見たことあるような大きな鷲が現れた。それは霧火を睨んでいた。アリスは、さすがにおかしいといい霧火を現実に戻す。



「ぐ……げがが……があ……」


「お前まさか……」


「マスターさすがにそれは本物です!!現実に戻ってきてください!!」


「アリス違うこいつがその助けてくれたやつだよ」


「え……!?」


「まさか、アルカディアの天使に連れられたのにここにいるとは……」


「ぐががががが……がああ」


「苦しそうです……とっても苦しそうです」


「自業自得だけどな。緋陽剣!!今の俺はあんたより強いよ。ようやく終わりにできるんだな?」



 イーグル族の王は当時の巨大な姿ではなく、人型まで小さくなっており、ところどころ原型を留めていなかった。永遠と今まで彷徨い続けていたと確信するほどであった。食べ物も食べていないほどにまでほそぼそとしており、骨の形が見えるほどにまで肉がついていなかった。

 春風霧火はそれを見て、右手に持つ緋陽剣と呼ばれる四聖剣を使い、止めを刺す。すぐさま倒れるイーグル族の王、倒れたその表情に映し出されたのはどこか安らかなものであった。



 暴走しながら、このまま生きていたとなると相当な人生を送ったのだろう。しかし、このイーグル族の王がしたことは、許せないことであり、償わなければならないことであるが、暴走しているからにはもう何もできなかった。まさかの出会い、まさかの最後、力を持つものの最後はあっけないと霧火は倒れている王を見て思う。



 それから何かを決心し、前に進み始めるのであった。春風霧火はもう力のないあの頃とは違う。今はあの銀髪の少年に言われたように自信を持ち、自分の指し示す未来のために行動をする。その行動は誰もが理解してくれると自信を持っていた。そう……信じていた……




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