表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻想世界XLEGEND 《ワールド・ファンタジア・クロス・レジェンド》  作者: 結城しじみ
第四章 深淵奈落の幻想編
71/99

第一世界 《 解放される事柄 》

 黒騎士との戦いから早半年が迎えようとしていた。当然あの戦いでの死者は多く、悲しむ人は多くいたが、永遠に倒せないと思われていた存在が倒されたこともあってか、グラン・エリアスやその他の特殊技能を扱う場所は、喜びも見せていた。


 黒騎士との戦いの功績を称えることになったギルド『エリュシオン』はたちまち、名を轟かせるほどにまで成長していった。それは、メンバーみなも驚きを隠せないでいた。

 さすがに、すぐに設立されたばかりのところが、ここまで大きな功績を出すこと自体、異例であり、これから語り継がれていく話になるとさえされていた。

 


 しかし、エリュシオンもあの戦いからの傷は生々しく残されていたのだ。メンバーであり、ギルドを創設した春風霧火、水戸アヤトの両名が半年経った今も行方不明であり、グラン・エリアスやルージュ・シュプレーターなどの国々は必死になって英雄の捜索を続けていた。

 半年という長い時間かかっていることもあり、半ば諦めている者たちも中には存在する。エリュシオンのメンバーも直哉による静止がなければ、今もなお探していた。喜ぼうにも喜べない状況がそこにはあった。


 

 彼らがこの異世界に来て早一年が経過した。その間に様々な体験をし、命というものが実世界とは違い、とても軽い存在として扱われていることに驚くものが数多くいたが、今であってもきついところはあるが、徐々に慣れていくところに恐怖すら抱き始めているところがある。

 黒騎士との戦いが終わってからというもの街は更なる発展をし始める。古かった場所は新しくし、人々の魔術のレベルも格段と上がっていく教育がなされ始めた。

 同時に国として存在していた『グラン・エリアス』『ルージュ・シュプレーター』の二国は以前から、両国や国民の考え、パスポート不必要なことやその他様々なことが積み重なり、併合することになった。



 名前は以前とは変わることはないが、全体を指し示すときは『グラン・エリアス』と表記するようになった。これに反対するものはいたが『ルージュ・シュプレーター』側の力を持つものが極端に少ない現状、美しい街並みや自然を壊されないためにもと言うことで話し合った結果、受け入れられた。

 当然『グラン・エリアス』と『ルージュ・シュプレーター』の間の長い道は舗装され、たちまち現代チックになり、新しい街もそこら中に作られた。これで、実際行き来することが楽になったとされる。

 現代にあった新幹線のようなものも作られ、飛行機も作られ始めた。黒騎士を討伐したことにより一世代の変化のようなものとして変わっていった。

 これもすべては黒騎士を討伐した者たちのおかげとして



ギルド:プロジェクトノア……リリア、八雲惷

ギルド:ロイヤルアカデミー……夜紅奏翔

ギルド:エリュシオン……春風霧火、水戸アヤト



 彼ら五名に関しては、表彰状を授与して欲しいと言われたが、五人全員が行方不明とされた。グランエリアス本部からは、それぞれのギルドにその表彰が渡されるが、ここまで見つからないのであれば、最悪を想定していると話す。

 しかし、黒騎士は討伐された。それによる功績は大きく、グランエリアスの英雄の書と呼ばれる何か大きな変革をしたものを刻む本のようなものに名前が記された。

 


 ギルドエリュシオンはいまだにギルド施設というものが作られておらず、グラン・エリアスとルージュ・シュプレーターから大きなギルドをもらい受けた。

 場所は二か所あり、グラン・エリアス側の本部の中に存在するものと、蒼龍水無月から直々に渡された大きなお屋敷一点をうけた。

 当然エリュシオンに所属するメンバーは、そのお屋敷を見て声がだせなくなっていた。もともと何もなかった土地にわざわざ1から作ったと話す。

 蒼龍水無月の趣味なのか、和風の作りをしており、大きい池が付いている。直哉もさすがに困っていたところもあるが、世界を救った者たちに質素なことはさせれません。っと蹴られてしまった。

 

 

 たちまち、二つのギルドの場所が設けられる。彼らはそれだけではなく、エリュシオンの噂も広まっていく。真実なことから不真実なことまで……

 中には、人差し指だけで黒騎士十八皇帝を倒したり、一撃で十八皇帝を抹殺しあたり一面を血の海にしたりと派手なものも存在する。



 そうこうしているうちに、彼らは一つ年を取っていた。黒騎士の戦い以後、強大な敵というものは一切なく平和とされる日々がやってきた。

 エリュシオンメンバーは今日も何かをし街にでる。それはクエストなり、散歩なり、お墓参りなりである。



「アヤト様、ゆずははようやく力の制御をすることができるようになりました。これは素晴らしいことだとメンバーみなが話すのですよ。アヤト様にも見せたいと思うのですが、無理ですよね……あやとしゃま……」



「ゆずはさんは、毎日のように……」



「あの子の存在は私もよくわからない。しかし、大事な人を亡くしたんだ。無理もない……」



「美音さん……」



 ゆずはは黒騎士の戦い以後、毎日のようにアヤトの仏壇の前にいる。死んでいるとは考えたくないことだが、実際にいないのもあってか、それが現実に思えてくる。

 如月美音は毎日来るゆずはを見てやるせない気持ちになるが、返ってそこをシロイにみられてしまう。彼を失ったことは辛く、悲しいことだが、いつまでも後ろを向いては前に進めない!っとゆずはは言い、この半年間必死に魔術やらの修行をしていた。



 春風霧火に関して悲しむものも中に入る。実際九頭竜サトルや周防和馬は彼との時間が長い。ブラッディーメアリーは彼によって救われた存在の一人であるがゆえに、毎日のように苛立ちながらクエスト難易度が高い強い敵を選んでは討伐を繰り返している。しかし、相手が弱すぎることにより、さらに苛立ちを見せてしまう。

 悠雅と弥生の二人は、彼らを見て今を楽しむようにして、あたりを連れまわしていく、その結果次第に暗い雰囲気であったエリュシオン内は明るくなっていった。ブラッディーメアリーを除いて……



 ある日の出来事である。夜中に夜紅直哉に一通の電話がやってきたのだ。相手の声を聞いた瞬間に豹変しだす直哉、すぐさま誰がかけてきたのかが、わかったところで相手側からなだめるようにして話しかけてくる。



「もしもし、どちら様で?」



「お前に電話するのは久しぶりだ……」



「何か用か?お前次は何をする気だ?」



「そんなに怒らないでくれよ。我が親友。ちょっとした情報を伝えに来たのだよ。聞きたくないのかね?」



「お前からの情報はくだらないものばかりだ。はっきりいって聞くまでもないのだけどな」



「そんなに悲しいこと言わないでくれよ。さて、本題に移ろうではないか!今回私は、黒騎士を討伐した君たちに伝えなければならないことがあるとして電話をしたのだ」



「話すなら、さっさと話してくれ。お前とは長時間話したくないからな。ノヴァ」



「ふん。面白いな君は。まあいい、簡単な話さ、赤き夜は月日に眠る」



「何を言ってるんだ?お前は……」



「簡単な話だと言っているんだ。テスターがどうやら動き出した。彼は本気だ。封印されていたアヴィスが動き出したんだ。とんでもなく強大な力だよ」



「何をしようとしてるんだ?白神は!!」



「奴の考えていることなんて、いくら私でもわからない。だが、あいつは霧火君とアヤト君を狙っている。二人の力が欲しいんだろうな。属性の適合者になれなかったんだから……」



「これからどうなるのかわからないのか?」



「正直私は私自身の私利私欲のためにしか動かん。白神のすることなんざ私には関係ない話だ。したがって、それ以上話すことは何もない」



「お前がなぜ?俺にこの話をしたんだ?」



「それも簡単な話さ。お前に早く死んでもらいたい以上だ」



 その後電話は切れる。直哉はノヴァや白神に対して呆れや憤りを感じていた。現在行方不明な霧火とアヤトと白神との接触をさせないためにもいち早く見つけることが優先と考える。

 どこで、二人の情報を知ったのかはわからないことだったが、白神はどこからともなく情報を得る存在であることは、アブソリュート時代から知っていた直哉は、無理やりにでも納得していた。


 

 次の日から直哉が自ら、アヤトと霧火の捜索に出ていく、その時の代理としてアルフォンシーナがギルドマスターをすることになった。 

 それは一刻も早く見つけ出すとするために動いたのだ。もしかすれば、もう遅いのかもしれない。そもそも霧火の力が現在解放しきってない状態なのが一番危ない。

 アヤトはルミナスの加護があるため、必要以上に守ることはないのだが、危ないものは危ない。



 彼ら二人のことは、彼らが思っている以上に深刻なことであった。それは本人たちは知らないことである。アヤトと霧火自身たちが知れば、おのずとその事柄に対して、おそれ恐怖することになる。それが嫌であった直哉は、あえて教えなかったのだ。

 


・春風霧火の能力は《無力の力》《ブラッド》《破壊王の力》《ダークマター》

・水戸アヤトの能力は《白火》《希望の力》



 白神が何をするのかはわからない。しかし、絶対に会ってはならない存在として直哉は考えている。その前にノヴァがやってくる可能性もありえるのだが、それ以上に二人が優先であった。

 直哉自身が考えている白神の計画は、ゼロの復活であり、現世に復活したとすると、悪に染まっている状態である。そんなのが出現すれば、転移する前の世界すら危うい状態になるのであった。



 アブソリュートのメンバーは個性が強すぎるし、私利私欲のためにしか動くことをしない。このようなメンバーをまとめていたゼロに対し、直哉は彼のことを本当にすごい人物だと考えていた。

 アヴィスやテスターの動きが活発になったのは、すべては黒騎士が討伐されて邪魔な大きな存在がいなくなったからだと推測する。

 実際問題グランエリアス以外の場所でも、黒騎士がいなくなったことにより大きな変化が続いている。力のなかった勢力がいきなり力を持ち始めるのもいくつか報告に上がっている。

 すべて、黒騎士を倒したことによる弊害と考えていた。まとめていた力を討伐されたことにより、解き放たれる。今まで奪われていたものが元の場所に戻っただけの話。


 驚くことはないのだが、実際問題恐ろしいことではある。



「このままでは、黒騎士を討伐した意味がなくなる……」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ