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第六世界 《 異世界へようこそ!! 》

「すごいです……今までにないですよ……これ……あなた何者なのですか……?」



 ウサギのコスプレをしていると思われる女の子がそういった。

 驚かれているが、その何に対してのことなのか彼には分らなかった。わからないというよりかは、突然現れてそのまま今小さな町の小屋にいる、しかもこれまた不思議なことに狐の恰好をした少女も隣に座りもう片方に白い髪のゴスロリ姿の子もいた。



 傍から見れば不審者と思われるかもしれないが、彼は今ある状況を無理やりにでも理解しようと精一杯なために両側の存在をコスプレとして考え目の前にいる子もそのようにしている。



「自己紹介だけしとこうか。僕は水戸アヤトで学生してる17歳ですけど……」



「私は彼の妻で、水戸……そうですね……へへへ……」



「二人の子どもです!よろしくお願いします!!」



 初対面では必ず自己紹介をするものだが、それが逆に彼を混乱にする要素の一つになってしまった。

 それを聞いたウサギ姿の子は驚き、素直に「仲がよろしい夫婦なのですね!素晴らしいです!うらやましいです!」といったがアヤトはそれは違う!と全力で否定をした。



 かれこれこの場面から数十分前のになる。

 彼は突然わけのわからない化け物たちと会い、刀を持ち九尾石の札を取り、光の先を無理やりにでも言ってやろうという思いで手を伸ばし自分の知らない場所についたのだった。



 付いた場所は何もないところで、そこには自分と狐姿の子と白い髪のゴスロリ姿の子がいた。

 二人に場所や今起こったことが何だったのか?についてを聞いたが二人して「わかりません」と言うだけで何もわからないまま今に至る。



 とりあえずは町を探そうと思い近くにあったここを選びウサギ姿の子と会う。

 ウサギ姿の子曰く、異世界の住人さんがこの星に来たのですね!救世主ですよ!!やったー!とうれしがっていたのだが……アヤト自身は何もうれしくない……と思うだけである。



「僕らは君たちから見たら異世界人であり、この世界に何のために来たのかわからないし、コスプレが趣味な感じで……わからない……」



「コスプレとは……?異世界の言葉でそのようなものがあるのですね!ほほー!もっと詳しく知りたいです!!異世界のこと!!」



 ウサギ姿の子は本当にここに異世界人が来るという内容で驚きを隠せず、そのままぐいぐい自分の質問ばかり続けていきアヤトは自分が知るすべてのことを語り、ようやく納得してくれた。

 その後逆にアヤトからウサギ姿の子に異世界のことと君自身のことを教えてほしいといった。



「申し遅れました。私はラビット族のこの小さい国で宿屋をしている。ネイ・メイ・ラビットです。本当にこの世界のことを何も知らないみたいなので簡単に説明しますね。」



 ラビット族で小さい国で……と色々と疑問に思うことが多々あるが、すぐさまそれを理解するほどにまで説明をしてくれた。

 どうやらこの世界は多種文化の多数の種族が住まう世界のようだ。異世界人が時々来るというのはあるみたいだが、このラビット族の国『 アル・ハリアン 』ではネイが生まれてから一度もないらしい。



 それほど小さい国であり、それほどにまで貧しい国のようだ。

 ラビット族はウサギの耳をし、円い尻尾があり跳躍力がどの種族よりも高いというのが特徴らしい

 だが、戦闘を好まずただ狩られるだけで、いくらやられても手を出しては絶対にいけないという誓いを彼らは守っており、今となっては全種族の中で一番最下位の場所にいるとのこと。



 それでも彼らは日々を楽しく生きており、今は誰もまったく来ない場所を選んで住んでいるらしい。

 ラビット族が統治する国は全部で三つありアヤトがいる一般的に普通に生活する国である『アル・ハリアン』軍や王で一番大きな国の『ホワイト・ライト』学びなど勉強するために作られた国『ミュー』それぞれの場所が存在する。



 しかしいくら軍や王がいるとしても彼らは、戦闘はすることはせず、最低限生きることとしての狩猟やらをするだけであり、とてもじゃないが一般的な軍としての装備もないし知識や能力さえもないに等しい。

 そこまで戦闘を嫌うのには訳があり、どちら側も被害を生むだけのもので何もうれしいことはないとして語った。



 ある程度の話が終わった後にネイはさも当然のように手から火を出しランプを付けた。

 水戸アヤトはその行動を見逃さずすかさず質問をした。



「ちょっとまって……今のはマジック?種教えてくれないかな?」



「マジック?さてそれはわからないのですが、もしかしてアヤトさんは魔法を知らないのですか?それも珍しい異世界人ですね~」



 アヤト自身過去に何度か本やテレビで見たことある『魔法』という存在

 昔から興味自体はあったが、自分の生きている世界でそれを使えたものは昔の偉人のみとして考えていたし、そもそも魔法自体空想上のものとして思っていた彼は、衝撃的すぎて驚きを隠せなかった。



「そうですね。それでは詳しい方はミューにいってみましょうか。そこには魔術系のものなら大体のことが記されているのですからね。」



 ミューという国は、アル・ハリアンのすぐ隣にありネイの宿屋から30分歩いたところにある。

 すぐさま魔術学院と呼ばれるところに行き魔術に関して詳しいといわれる教授『ドゥルス・ミィ・ラビット』のところに案内してくれた。

 どうやらこの魔術学院にネイも通っているらしくとてもお世話になっている教授のようだ。



 ネイが一通りのことを話たが、教授はそこまで驚くことはせず、すぐさま魔術に関しての話をし始めた。

 どうやら魔術はこの世界では『火・水・雷・風・地・草・光・闇・無・幻』の10種類あるとされている。どれも強力なものであり、日常世界活レベルであるのなら誰でも無や幻以外は使えるといわれている。その中でも、得意分野というものがありそれは誰しもが1~2つ、才能があれば3つほどとされている。



 それ以外は魔術を使い身体能力の強化やその他多種多様なものが魔術で補うことが可能と教授は言う。

 ネイは才能があり火・水・草の三つを得意とし、教授曰くとても良い学生だとして褒めていた。

 次は一応ではあるが、一緒に来た3人に魔術学院でよく使う適性検査なるものをさせてもらった。



 適性検査は簡単なもので、それぞれの属性の紙が存在し触れてれば自然と発動するものになっている。

 その中で得意とするものがある場合は、その紙が破れ途中で中断するように仕組まれているみたいだ。



「私やってみます!やりたいです!こういうもの!!楽しみです!」



 っと最初に名乗りを上げたのが、狐の姿をした子だった。アヤト自身もどのようなものかを知りたかったために先に譲ってあげてみた。すると10枚の結果彼女は火・幻の二つを得意とするとでたのだった。

 幻というこれまた珍しいものを得意とは驚きだと教授は言い、ぜひとも研究させてくれ!と喜んでいた。



 次に来るのはゴスロリの少女であった。結果としては教授がさらに驚きで『水・雷・風・光・無』の5つを得意とするとでた。二人目にして今までにほぼないといわれる存在が出てきたことにより教授は驚きすぎて一瞬固まってしまった。アヤトも言われたように普通3つだよな……と思ってこの子何者だ?と少しびっくりしている。



「ネイ、彼らはどこで拾ってきたんだ?この二人ただものじゃないぞ?」



「異世界人ということなので、そういうこともあるかもしれませんね。」



 属性を多く得意とする存在は今までに何人も歴史の中でいると書かれていたみたいだ。

 この二人がそもそも異常なだけかもしれないとし次僕がやりますといった。

 最初にアヤトは異常な二人が前にやったことにより、その後やる人の気持ちが嫌だなと心の中で思っていた。ちょっとつらい感情ではあった。



「僕は普通の人ですので、二人のような結果はでませんから期待しないで欲しいです。」



「な~にを言う!!君も同じ異世界人だ!何かしらあるはずだ!!なかったとしても絶対にあるのだよ!!」



「アヤト様?私期待しております!!」



「アヤトさんに悪いですけど私も期待しております!!」



 さらなるプレッシャーが彼を襲った。

 これで1つの属性だけとかだとこえーなー・・と思う気持ちで検査をしてみた。

 最初は火の属性からスタート



「持つだけでいいんだよね……えい!!」



 アヤトが火の適性の紙をもうどうにでもなれ!と思い勢いで目をつむって少し触れた瞬間……

 一瞬空気が自分の触れたところに集まり、それはやがて……とんでもない爆発音とともにあたりを吹き飛ばした。



 ドドドドドガアアアアアアアアアアン!!!



 アヤトは驚き思いっきりしりもちをつき痛いといい目を開けたら、あたり一面吹き飛ばしており

 何が起こったのかすらわからないでいた。周りにいたみなも、茫然としアヤトの方を見て一言一斉に何者!?と言ったが、アヤトは目を閉じていたので何が起こったのかまったくわからず、ただ首を横に振るだけしかできなかった。



 その後教授から「君の力を試したい!外にでてまた検査の続きをしよう!!」と言い、みな外にでていった。ネイは宿屋の仕事をしなくてはいけないとして、先に帰ったが他の3人は当てもなくただ教授と付き合った。

 外の広い場所にて教授は先ほどとは違う大きめの水晶玉を真ん中に置いた。



「これに片手で触れてみてくれ、これなら壊れず吹き飛ばず、君の結果がわかるだろう。」



「なんで、片手なのですか……このくらいの大きさなら両手でいい気がするのですが……」



「もしものためだ!」



 自分の慎重の半分くらいの大きな水晶玉が目の前にあり、安全な範囲まで3人は移動した。

 彼はとても緊張していたが、先ほどのことを見てみたいという意思が強かったためすぐさまやってみた。

 先ほどやった火の属性からのスタートだ、言われた通り片手で触れようとした瞬間それは起った。



「……測定不能?壊れてるのかな……これ」



「なんということだ……この水晶はあの歴代の王様でも測定できたものだぞ……他もやってみてくれ!」



 その後すべての属性をやってみたが、そのすべてが測定不能と表示されたのだ。

 教授は驚きを超えてすぐさま王に連絡を!として電話を取りに行ったが、何が起こったのかまったくわからないアヤトであり、ただ立ち尽くすだけであった。



「アヤト様はやっぱり私が見込んだ旦那様でございますね。」



「連れてきた意味があるのならそれでよかったです。」



「どういうことです……?」



「あとで話します。すべて……」



 教授はすぐに戻り緊急としてラビット族の王との会話をするようにと言った。

 一体何が起こるのだろうと彼らは思っていたが、それはとても驚くことであるものだとその時まだ知る由もなかった。




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