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幻想世界XLEGEND 《ワールド・ファンタジア・クロス・レジェンド》  作者: 結城しじみ
第三章 黒騎士殲滅編
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第二十世界 《 黒騎士王城へ 》

「素晴らしいお子様たちだこと。しかし、私の『傀の門』から逃れられるわけではありません。生きとし生けるものたちよ!私の傀儡となりてその身を捧げなさい!『絶望よりの邪念者』(デスペリア・オブ・サーヴァント」


 湖や森から傀儡のようにして黒騎士の兵士や巨大な骸骨が登場する。それは普段の黒騎士とは違い意思が完全にないと考えることができるほどであった。

 黒騎士リンアの「傀の門」は自分が作りだしたものを世に解き放ち操作するといった術や思ったものを傀儡のようにして操ることが可能とされる。

 黒騎士の拠点からとても近いとされる場所で、それをするということは、すなわち無限に兵を呼び込めることと同じであった。

 

 迫りくる多くの操り人形は春風霧火、リリア、八雲惷の三人を翻弄する。湖の中心に浮遊している黒騎士リンアを討伐しない限り、この流れは収まらない。

 この状況を回避する方法はもちろんある。リリアの機動力はすさまじいものであり、先ほどと同じように空中を何もなしで動き回っている。

 光り輝いている剣で幾度となく敵を攻撃するが、対する敵はおかしなことに何をしても、その傷が癒えてしまう。

 疑問に思った幻想の力の持ち主である八雲惷はあることに気が付く。



「二人とも!!やつは……!!」


ズドオオオオン!!


 

 何かを言おうとした矢先に八雲惷は無数の骸骨の手によって攻撃をされ、地面もろとも吹き飛ばされる。心配したリリアは突っ込むが、湖から出てきたもう片方の腕により捕まれ引きずり込まれてしまう。 一方の霧火は迫ってくる傀儡兵の多さからなのか、苦戦を強いられている状態であった。さすがにこのままでは全員が死んでしまうとして、もう一つの剣を召喚し始める。


 

 彼が持つもう一つの剣は「緋陽剣」七聖剣の上の存在四聖剣とされており、一振り振れば、あたりを火の海にするほどとされていた。

 いつどこでゲットしたのかはわからないのだが、メアリー戦で気が付けば手に入れていた。

 その緋陽剣を右手に、無双竜を左手にして、二刀流での戦闘が開始される。緋陽剣はやはり思った以上の攻撃力を誇っていた。一振りをした途端周りにいた敵はすべてが燃え倒れていく。

 しかし本来討伐すべき敵である黒騎士リンアは湖の中心に存在する。リリアのように空中を飛び回ることができれば問題ないものだったのだが、それができない。


 考えていた矢先次なる軍勢が押し寄せていった。さすがにらちが明かないとして、木に登り高くジャンプをする。その時一つの考えが頭によぎる。

 空中に高く飛び上がった春風霧火はそのまま敵に向かって突っ込む、それは中心を捉えるようにして突き進んだが、気が付いたのか敵はこちらを見るなりして、空に飛んでいた軍勢で霧火を襲い始める。


 だが、それを読んでいた。逆にそれがなければ確実な一撃は与えられなかっただろう。

 飛んでいた兵の体を借りて別の場所に移動したのだ、それを何度も何度も、まるでリリアがしたように空中移動を始めた。逆に敵はその動きに翻弄される始末。

 それを見ていた黒騎士リンアも驚くが、中心付近に来た途端、先ほどと同じように無数の骸骨の手が霧火を襲ってきた。それを待っていました! と言わんばかりに反対側から光の直線がリンアめがけて突っ込んでくる。

 クリティカルヒット。リンアは四分の一ほどの部分を切られ悲鳴を上げ始める。湖から飛び上がってきたのはリリアの姿であった。ノックバック状態になっている敵の姿を見てすかさず更なる一撃を与えるようにして、緋陽剣が炎を上げ始める。



 両者の一撃はそのままヒットし、湖の中へと沈んでいく。二人は八雲惷の方に行き、助けはじめる。幸い重症と言える怪我ではなかったが、相当傷などがあった。

 黒騎士リンアが沈んでから周りに存在した兵はすべてが活動停止をしたようにその場で立ったまま動かなくなっていた。さすがにやったのか? と思った矢先湖から大きく姿を変え現れたのだ。

 スカートから下は無数の髑髏の手が伸び、すべて湖の中へとつながっていた。その大きさは湖を覆うようにして存在した。

 敵の声にはもう前のような自我といったものがないに等しく何を話しているのかさえ、聞き取れない状態に陥っていた。



「さすがにここまで大きいと倒しがいがあるな」


「下手な攻撃をしたらだめだよ。リリア」



 先頭に立つリリアの声により三人はそれぞれに散る。遠くから遠距離攻撃を放つ八雲惷。残る二人は、遠距離といったものがほとんどないため、接近で迎え撃つ。

 迫ってくる無数の手、それらを回避し倒す。隙が生まれればその手に乗り近くまで突っ込み攻撃をする。彼らの戦闘により、驚きを隠せないでいたリンア。

 どうしてここまで動け、なおかつ、攻撃ができるのか不思議で仕方なかったのだ。

 現状魔力や力を吸い取っているのにもなお、疲れもしない。彼ら三人を化け物としてとらえ始める。


 動きに無駄がなく、それでいて捕らえることができない。中でも霧火による一撃がとても高いダメージソースになっているらしく、一撃一撃で悲鳴を上げている。

 一番最初に倒すべき存在として、失敗したと考えていた黒騎士リンア。アレクロアス一世が彼にとんでもなく期待をしていたことを思い出すが、それはもう遅い考えであった。

 

 次第に元気のない木のようにして倒れそうになる黒騎士リンア。

 さすがにまずいと思ったのか最後の一撃として詠唱をし始めるが……



「我が傀儡となるすべての者たちよ……え……」



ズザアアアン!!



「悪いけど、もう終わらせる。これが俺の力だからな?」


 

 リリアがそういうと同時に、黒騎士リンアは枯れ木のようにして倒れ始め、やがて霧が流れていき消えていった。リリアがしたことは簡単であり、自らの力である破壊の力を使い相手の力を無力化し、勝利の剣による一撃で終わらせたのだ。

 三人は一つの場所に集ま消えていく敵の存在をしばらく眺めていた。

 破壊の力というよりかは、己に眠る力を自由に扱うことに関して感心していた霧火。自分もそのようになれば戦略の幅増えるのかもしれない。そう考えていた。



「さすがリリア」


「これが俺の力だ!春風霧火はわかったろ?」


「とても頼もしくうらやましい」



 三人は拠点に一度戻ろうと考え、その場を後にした。

 拠点に戻るとそこには誰も存在せず、もぬけの殻と化していた。部屋中を探し回っていたが、誰もいない。何が起こったのかまったくわからなかった彼らは、外を見ると驚きの光景を目の当たりにする。


 上空には先ほどまでなかった超巨大魔法陣が展開されていた。中心とされる方角は自分たちの戦ったもっと先の方に存在すると八雲惷が話す。

 王城も近くにあると話していたことに気づく三人は、ギルドのメンバーが一人もいないことや、現状のことを踏まえて乗り込むことを決意する。

 

 そうこう考えているうちに、前方には無数の黒騎士兵が目を赤くして待ち構えていた。リリアは仲間を襲った存在として激怒し、何も考えず突っ込んだ。

 しかし、その突込みは返って敵の策略にハマってしまう。リリアは腹部を貫かれたかのようにして前のめりになる。その一瞬の出来事に八雲惷も驚き走り寄っていこうとするが、霧火に抑えられてしまう。


 吐血し、膝を崩し前方を見るリリアの姿の前には、他とは違った姿の黒騎士が三名ほど立ち並んでいた。



「春風霧火、こいつを殺されたくなければ、王城へと来い!」



「霧火君いったらだめだ……こいつらは……」



「いつかは倒さなければならない敵、だから俺は行く」



「話が早くて助かる。我が名は、黒騎士十八皇帝序列二番アルザーだ。左にいるのは一番リューノフ様右にいるのは三番フューズ」



 前方にいた黒騎士三体は他の十八皇帝とはまったく違ったオーラを放っていた。先ほどの答えをいいえとすれば、確実に殺される可能性があったのだ。

 一緒に幻想の力を持つ八雲惷もいくことになる。



 気が付けば王城のアレクロアス一世と出会った場所であり、春風霧火の能力が目覚めた場所でもあった。あまり良い思い出はない。

 現在黒騎士の王が存在しないことに嘆き悲しむものも存在したと話すが、それは昔として黒騎士十八皇帝二番のアルザーがいう。

 これからは春風霧火の無力の力を使いたいとして交渉をしてきたのだ。

 しかし、その交渉内容は霧火側には不利益なるものであるために悩んでいた。



 無力の力を差し出せば、全世界に起きている黒騎士の問題を解決するというもの。そもそも彼らの目的はイヴェラトール・トルァーの復活とされていた。

 黒騎士は本来の目的が成功さえすれば、何も問題がないと話すが、どう考えてもそのイヴェラトールが復活というのは良い話ではない。


 隣にいた八雲惷は霧火に対して、おかしいと言うがその場にいたものはみなそう思っていた。イヴェラトールがそもそも何なのかがわからないとし、質問したが、黒騎士の返答は虚しくわからないの一点張りであった。それは、本当にわからないことなのか? 知っていて答えないのか? どちらともいえない。



 黒騎士の全員がその戦争から手を引き何もしない! それは絶対である。と必死に訴える彼らを見て考えが変わり始める霧火。

 どうしてそこまで復活させたい存在なのに、内容がわからないのかが不思議で仕方ない。

 八雲惷が切りがないとして、知っている本当のことをすべて洗いざらい話せと言うが、黒騎士の返答はもうすべて話したと言い、何も進まないことに苛立ちさえ抱き始めていた。


 何が目的なのかはわからない。良い答えがでないまま時間だけが過ぎていった。

 すると、捕まっていたリリアが突然縄をほどき霧火達の方へと進んでくる。

 


「こいつらに何をいったって無理だ!終わらせよう。黒騎士の歴史を!!」



「リリア……ああ!やろう!この戦いを終わらせるんだ!!」



「まて!二人とも!!」



「「ああ!!!」」



 リリアと八雲惷は黒騎士三体に向かって突っ込んでいく。それは驚異的なスピードで……

 それを知ってか知らずか、黒騎士一番リューノフによって阻止された。



「まったく、話が終わってないのにも関わらず突っ込みに来るか……まあ良い、そのまま落ちるがいいさ」



「え……」



ズシャアアア!!



「リリア……リリアアアア!!」



 それも一瞬の出来事である。リューノフは右手でリリアを空中に浮遊させ握りつぶすかのようにし、一撃を放った。彼はそのままつぶされ見るも無残な姿へと変貌していた。

 全身から血が滴り落ち、内蔵類が地面へと落ちていく。その姿を見て八雲惷は叫び突っ込んでいくが、リューノフの力はそれを読んでいるかのようにして、上下両方から棘のようなものを召喚する。たちまちプレスするかのようにして八雲惷に襲い掛かった。


 召喚したものは霧となってきて、そこにいたのは、穴だらけになっていた彼の姿であった。

 こうも簡単に能力者が殺されるのかと恐怖しだす春風霧火。彼ら以上に能力を使うことができない。そんな彼らでも、いとも簡単に殺されてしまう。

 そんな敵どうすれば、回避できるのかと思い春風霧火は黒騎士に向かって交渉成立の答えを言うその時……



「起きろー!!霧火ー!!」



ドガアン!!



「いったい……!?」




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