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第五世界 《 無限ループの終わり 》

 春風霧火は今の状況がわからずにいたが、一つだけわかることがあった。

 それがこれから起こることだ。彼自身これから起こる問題に対してどのように向き合おうとするのかを考えていた。するとそれはすぐにやってきた、醜い姿で人の形をしている。顔は笑っているが悲鳴を上げている。この世の者とは思えない存在が目の前にはいた。



 霧火は昨日起こったことがそのままここで起きていることを理解し、行動に移そうとしたが……

 何年もニートしていた彼の身体は運動不足過ぎてまともに走ることができない。

 瞬発力と言うものがそもそもなかった霧火は目の前にいる巨人の攻撃をくらい目の前が真っ暗になった。



 気が付くと彼は同じように誰かの膝の上で寝ていた。

 ボーっとする頭をお越し勢いよく起き上がろうとした……が……すぐに目の前の壁に激突した。それは壁よりも柔らかいもので跳ね返され、霧火はまた膝の上に落ちた。



 思いっきり動いたもので首が痛くなったがすぐに声が聞こえた。



「大丈夫?いきなり起き上がろうとするからびっくりしたよ。」



「だい……じょう・・ぶです……はい」



 痛い首を抑えてゆっくりと起き上がった霧火は膝枕をしてくれた人の方を向き、昨日あった藍原すずだと思いそちらを見たが……



 ―――――――真実は時に残酷であった―――――――




 膝枕をしてくれた人は昨日会った藍原すずとは全く違う。

 それこそこの世の者ではないと確信できるほどの見た目の者がそこに座っていた。

 目玉というものがなく、髪は長く二つに止めており笑っていた。



 彼は恐れ、戸惑い、腰を抜かした。自分の期待してた存在がいたのではなく、昨日もこの存在だったというのが怖くてしかたなかった。確かにすずがいったのは、公園の真ん中で倒れてたから助けた。と言っていた。膝枕をしていたなどと一言も言ってないしすぐに家に運んだのかもしれない。



 戸惑う霧火に怪物は、どうして逃げるの? と話してきたが、何としてでも来ないようにしてもらうために無理にでも手を振り妨害しようとしたが……・



 ――――――――あなた……君がされたことと私にしてること一緒じゃない?……------



 春風霧火はそれを耳元で聞いた瞬間固まった。



 ――――――――――――― この怪物にしてることと今俺がしてることが一緒 ―――――――――――――



 そう思った瞬間にすべての行動をやめ自分に絶望した。

 怪物がされてることが今僕がしていること……それは僕が今までされたこと……



「いただきね……?いいわ……」



 怪物は大きな口を開き、そのまま霧火を飲み込もうとした。

 霧火はただ茫然とするだけで、そのまま何もせず怪物を受け入れそうになっていた。いくら相手が醜かろうが同じもの同士なのだと彼はそう思い、何もせず座ったまま食べられ暗闇の中に入った。



「おぬしももう少しあがいてみてほしいものじゃのー……まったく」



 バーーーーン!!



 大きな音がし、やがてつぶっていた目を開いたが、周りには自分を食べようとしていたものの残骸が残っていた。破裂し粉々になっていたそれを見て、霧火自身恐怖を覚えたが、すぐさまそれを倒した存在が現れた。



「おぬし時間のループをされておる。したがって同じ日常をひったすら繰り返すのじゃ、楽しくないだろう。そんなの……」



 誰……!? 突然目の前に現れたのは小学生低学年くらいの女の子だった。

 ツインテールにミニスカート、まん丸い目でとても先ほどの怪物を倒せそうな見た目ではない

 はっきり言えばこの場で一番場違いな存在の子がそこにはいた。



 その子はなぜか怒り、思いっきり顔面を蹴り上げてきた。



 どかーーん!!



「パンツみえ……た……」



「何をいっとるのじゃ!きさまーー!!」



 欲に忠実なお年頃です。霧火様。

 彼はそのまま後ろに倒れこんだが、血はでず咄嗟に女の子の方を向いた。

 すぐにこの状況やループ? 女の子の存在聞きたい! 色々な謎を一気に聞こうとしたが、すぐにやめさせられた。



「今はおぬしに言えることは、藍原すずを信用するなともう少し自分を確認した方がいいということだ!わかったな!!」



 女の子は藍原すずの名前を知っていた。もっと謎が多くなってきた。

 最後に言われたもっと自分を確認した方がいい!! も気になる。だがその女の子は、近いうちにまた会うだろう。それはこの世界の最後だ。と言い残し去っていった。



 気が付いたら公園の風景は元に戻っていた。

 ちゃんと朝10時になっており、何もない状態だった。

 すると遠くの方から大丈夫ですかー?と女の子の声が聞こえた。



 すぐさまそれが藍原すずと霧火はわかった。

 茶色い髪に肩まで伸びる髪、街中にいれば浮くだろうなーと思うくらいのスタイルや顔。

 やはり彼女はかわいいが、先ほどの女の子が言っていた信用するな。これが妙に引っ掛かっていた。



 どういうことで言ったのかがわからないが、前ももしかしたらあの子に救われている可能性がある。

 そう思えばそちらを……と言いたいところだが、すずも助けてくれているし……

 考えれば考えるほど混乱するばかりであった。



 しかし、その悩みもすぐに消え去った。



「大丈夫でした?大変でしたね。化け物に襲われて……」


「どうして……それを……?」



 はっきりと霧火自身は思った。現在公園は朝10時頃であり、先ほどのように暗く霧がかかってないのだ。

 しかもそこに怪物くらいで、周りにはすずがいなかったのだ。

 そんな会話をした時に彼女の顔は、やってしまった…… と思う表情になっていた。



「あなたは一体……誰なんですか……?」



 そこで両者沈黙の時間が流れた。

 風で草木が散る音が聞こえるほどの静寂さの中最初に口を開いたのが彼女であった。



「信じられないと思うけど、ひとまず一緒に来てくれるかな……?だめ?」



「突然何も言わないで、どこにいくんですか……あなたはさっき怪物に襲われてるの知ってるし。このループも何なのかわからないし、女の子があなたを信用しない方がいいってそれもわけがわからない」



 突然のことが多すぎて彼は迷いに迷った挙句ついに、愚痴を吐いてしまった。

 見ず知らずの人にここまで言うし、相手が女の子ならなおさら、自分が恥ずかしいが真実を知りたかった霧火は本気でそれを言っていた。



「私を信じられないのならそれでいい、だけどこれだけ受け取ってあとは行ってから知って!!そして考えが変わったら助けに来て……お願い……」



 彼女は涙を流しながら彼に一つのペンダントのようなものを渡し、その後視界が真っ暗になった。



 すべての始まりの幕開けがここからスタートした。

 両者ともこれから来る出来事をどのように攻略し突破していくかは彼ら次第。

 一つ言えることとするのなら、そう異世界は甘くはないのだよ……と言う言葉だけ……




 異世界行ってみませんか……?






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