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幻想世界XLEGEND 《ワールド・ファンタジア・クロス・レジェンド》  作者: 結城しじみ
第三章 黒騎士殲滅編
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第六世界 《 死を操る黒騎士 》

「まったくもうです。邪魔が増えたのですが、帰ってくれませんか?」



「おいおい!それはねーだろ?こうしてまた会えたのも何かの縁だろ?」



「状況が状況なため、理解が追いつかないんだけど……」



「追いつかないのなら、そのまま記憶すればいい。今俺らは三人で一つのチームだ。よろしくな?」



「何を小癪な……例え三人になろうが、私は構わない。かかってくるがいい!!」



 《創神龍》(ブリューナク)それは、使用する属性によってタイプが変化するというもの。その力は相当なものであり、操る属性を超越と言われる属性の限界突破すら凌駕するほどといわれる。

 九頭竜サトルは、颯爽と登場した黒芝悠雅から二つの腕輪をもらい力を発動した途端このような姿に変貌した。神の遺産のようなものだが、彼はすべてはあととして前方にいる、黒騎士十軍隊長エリザードに三人で臨むことを決意する。



 先行するはやはりメアリーである。その身軽な動きやとにかく重い一撃が特徴、その後に銃剣を使う黒芝悠雅は銃モードに剣を変化させ、遠くからの遠方射撃を開始する。そこから繰り出されるのは黒い球である。それが連射しひたすら打ちまくる。

 最後に来るのは九頭竜サトルだ。それもそのはず、いきなりこれを使え! と言われてもすぐになれるものではない。しかし、何としてでも使いこなさねばならない。いってもここは戦場なのだから……



「滅ぼせ!《呪血の大鎌》(ブラッディー・デスサイズ)!」



「巻き返せ!!《死を呼ぶ深紅の造形》(クリムゾン・デス・ペレイント)!!」



 ブラッディーメアリーの大鎌からは赤黒い切り裂くような大きな一つのエフェクトに対し、エリザードの大鎌からは青黒く大きな三つのエフェクトが繰り出される。その二つは一つになり、大きく反発し合う。どちらも相当な威力を誇り、周りにあるものは吹き飛び地面は割れ始める。

 そこを隙だと思ったのか、黒芝悠雅が剣モードに切り替え、一撃をくらわす。エリザードはサトルとメアリーの二人の戦いをしていたために、その悠雅の攻撃をもろに背中に受け悲鳴をあげ距離をとる。


 黒芝悠雅も相当な腕を持つ者だ。サトルたちと同じように考えたら、それは困るものである。

 最後にブリューナクのモードに入っているサトルが背中に生えた翼から上空に上がり、下にいるエリザードに向けて氷結の力を与える。



「氷激鬼龍:爆淵!!」



 槍を前方のエリザードに向け、そのまま直線に突っ込む。たちまち彼が通ったあたりは氷の道ができる。対象を貫通したと同時に大きな氷山のような氷の塊ができ、その後に氷の爆発が起こる。

 今まで見たスキルの中で一番と言っていいほどの威力範囲スピードを誇っており、周りにいたメアリーや悠雅はそれを見て、驚く。


 しかし、それだけでは倒れないのがエリザードであった。

 ここまでの猛攻撃をしているにも関わらず、軽傷で済むあたり相当強いとその場にいた三人が考える。



「あはは!!あはは!!まったく面白いことだ。貴様ら人の分際が私をここまでボロボロにさせるとは……まったくあり得ない話だこと。それでいい、私の本気をあなたたちに見せてあげましょうか……解放せよ黒騎士十八皇帝十の門『死』!!」



 エリザードは何かを言い放つと同時に前方に青黒い魔法陣が展開し、中心に『死』の文字が大きく表示される。その魔法陣が光だしそれに包まれる。

 光の中から現れたのは、黒騎士の原型を保っていない別の何かであった。

 足はなく浮遊している状態、腰から下はスカートのようなものを着ており、その下は青黒い煙がまっている。スカートにはいくつもの髑髏が付けており、禍々しいものをしている。


 体のいたるところは髑髏が付けている。腕は二本あり、背中には大きく魔法陣が展開されており、中心には『Ⅹ』の数字が刻まれていた。両手には大鎌が一つずつ持っている。

 髑髏の顔に羊の角が付いており、全長は4~5メートルほど。見た目から察するにもう化け物のそれになっていた。

 エリザードは今までの女性のような声とダミ声を合わせたような声を発した。



「これが私たち黒騎士十八皇帝の真の姿。その中でも私は十番の『死』を超越せしもの。私が力を発動さえすれば死に耐える。例え不死であろうが、確実に死へといざなう力。あなたたちも終わりでしょうね。ふははは!!」



「おいおい……RPGじゃねーんだからさ。まじかよ……」



「私も初めて見ました。こんなのと今まで戦っていたのが驚きです。」



「やらなきゃこっちが死ぬ。倒さないと!」



 エリザード覚醒状態は、周りにいる黒騎士を自動的に魔法陣の中に取り込んでいる。その後後ろにある魔法陣は光、力を蓄えているような感じであった。

 おかしなことが起きている。それはそこにいる三人以外にも気づいており、周辺にいた兵士たちは駆けつけてくる。たちまち人数ではこちらの方が戦況有利にはなっていた。



 三人はひとまず距離を取り何をしてくるのかを様子見していた。加勢に来ていた兵士たちも同じようにして距離をとる。しかし、それを見破られたのか、エリザードの方から攻撃が繰り出される。



「来ないのなら、こちらからいきます。《犠牲者の誘い》(サクリファイス・エンデッド)」



 前方に魔法陣がいくつも展開され、そこから黒い弾丸のようなものが射出し始める。恐ろしいことに、それにあたった兵士が途端に倒れ始める。まさかとは思ったがそのまさかであった。その弾丸に当たれば確実に死に耐えるという技である。例え木や建物であっても、腐り、ボロボロになり崩れ落ちていく。



 黒騎士十軍隊長エリザードの『死の力』は、まごう事なき本当の死へと運ぶ技であった。その場所にいるのはまずいと思い彼らは、そこから一旦退却するとして動き始めるが、相手の攻撃はそれを凌駕するほどであった。たちまちメアリーは左足にそれを受け倒れる。


 浸蝕し始める抗体を見て、なりふり構わずメアリーは左足を大鎌と鎖の力により落とす。さすがのブラッドの力を持つメアリーでさえも、死に耐えるほどの力の前では無力も同然。

 やってくる弾丸の嵐を九頭竜サトルの氷の遠距離や黒芝悠雅の弾丸で相殺するも、一度触れれば命を落とす勢いのため、苦戦を強いられていた。



 それを見てあざ笑うかのようにして周りにいる兵士も殺していく。その光景は魔王のようでもあり、死神のようでもあった。

 エリザードの弾丸は黒騎士の兵士、自分の味方でさえも死に耐えるというものになっているのを三人は見て理解した。無差別の強大な力。

 黒騎士の統制をしているものではないのに、これほどの力を有するのであるのなら、他の黒騎士はどんなものなのだろうか? ふと彼らは考えるが、どう考えても未知数すぎるがゆえに、何もでてこなかった。


 黒騎士は古くから言われている。彼らが通れば終わる。これを納得せざる負えないような状況が目の前に広がる。次第にこの戦闘に勝ち目は最初からあるのか? そのように思える兵士さえも出始め、次第には恐怖からなのか、武器を捨て逃げ去るものまで現れた。



 無理もない話である。一度攻撃が当たれば確実にあの世に行くほどの強大な敵が目の前にいる。逆に武器を持ち戦おうとしている方がおかしいのだ。

 その場にいた兵士の大半は戦う気力さえもないに等しいものばかり、しまいには両ひざをつき手を合わせ神に祈りを捧げているようなものまで現れた。

 エリザードはゆっくりと歩み寄ってくる。メアリーのブラッドによる超速再生もなぜか、発動せず。血は止まっているのだが、動くのが厳しい状態であった。



 絶対絶命であるこの状況。死に対する有効手段は何もない。そんな絶望のさなか一筋の光がエリザードに向けて放たれる。



「何やつだ!!」



「生きとし生けるもの。すべてに命があり、生きることを本能として活動する。僕は死を助長させるような力を使うものは許せない人なのでね。黒騎士十軍隊長エリザード!!貴様はここで倒す!!」



 そこに現れたのは、何も驚かず、恐怖せず。ただ目の前の敵に対して倒すということだけの力強い目をしていたグランドレジェンド所属のクロスであった。

 右手には刃が黄色くその上にある部分が白く、幻想的な武器。髪は黄色よりの茶で、オールバックにしている。服装は白が特徴的であり、ジャケットを着ている。背中にはグランドレジェンドのマークが刻まれていた。



 しかし、いくらグランドレンジェンドのクロスが来たからということでも、相手は触れれば死の攻撃をしてくるものである。どのようにして倒せばいいのか、結局はわからない。

 そうこうしているうちにクロスは何かをつぶやき始めた。



「我が力はすべての生き物とし、我が力はそれをつかさどる。解放せよ!!無属性のマターよ!!」



 それを言い放つや否や、クロスの周りにはオーブのようなものが無数集まり回転し始める。その後に大きく中心に竜巻を描き、透明でゆらゆらを周りを動いていた。

 クロスはその後剣先をエリザードに向け一言申す。



「簡単には負けないでね?エリザード」



「たかがマターの使い手なだけで、私を倒せるとは思うなよ!!《犠牲者の誘い》(サクリファイス・エンデッド)」



「《無限の勇気》(インフィニット・ブレイブ)」



 勢いよくエリザードめがけて突っ込み、クロスの周りに魔法陣が展開する。そこから無数の矢のようなものが放出しだす。その後剣でエリザードにぶつける。後ろに回った。貫通したかのようなものだった。

 剣を振り相手の方を見るクロス。何が起こったのかわからなく笑い始めた途端、自分に無数の傷が浮かび上がる。先ほどの一撃でとてつもない数の攻撃がエリザードに当たっていたのだ。



 突然の攻撃に驚く敵の姿だったが、クロスは間髪入れずにもう一度発動する。翻弄されるエリザード。

 その無数の攻撃に、驚く周り。三人はそこで一つのとあることに気が付く。

 無属性魔法は、他の属性持ちからは見ることができない。それが例え黒騎士であろうが、その攻撃を直視することは不可能である。その影響によっていつ攻撃が加えられているのか? といった基本情報がまったくわからないのだった。



 マターと呼ばれる属性の王の力を持つのなら、なおさらそれが重要になってくる。クロスの力を見て、

 その場にいた兵士までもが、この戦いもしかすれば、勝てる! そう考え始めた。



 しかし、そんな簡単に終わらないのが黒騎士だ……傷を受けボロボロになるエリザードは一言つぶやく



「ふふふ……アハハハ!!《終焉なる黒騎士の死》(エンデッド・オブ・ナイトメア)」


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