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幻想世界XLEGEND 《ワールド・ファンタジア・クロス・レジェンド》  作者: 結城しじみ
第三章 黒騎士殲滅編
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第五世界 《 創神龍の使い手 》

ブラッディーメアリーが動き出し、勝手に行動されるのも問題があったため、サトルも今いる拠点を後にした。城は見えるのだが、相当な距離があることはわかるほどである。 

 それくらいにまで大きな城だということも同じくしてわかることである。

 ある程度の距離を進み、メアリーにどこへ向かっているのかと尋ねるが、相変わらずの無反応というよりかは、完全に興味なし! 無視といったスタイルを突き通している。



 そもそも、一緒についてきているのだが、それすら意味のないようなことだと考え始めるサトル。

 内心とんでもないめんどくさいやつと一緒に行動を共にしていると考えるほどである。

 こちらを見向きもせず、ただ何かを探しているようだ。当然春風霧火なのだろう。



 ブラッディーメアリーを唯一屈服させた存在。唯一信用し助けようとしている存在。一応仲間意識があるのかもしれないが、サトルには詳しい情報もないのだから、性格の曲がった美少女として勝手に解釈している。

 美少女なのだが、相当性格に癖がある。もっと清楚であればモテルと思うのだが、人間に対し興味がまったくないのだろう……そもそも、生き物に対して殺意しかないのかもしれない。

 そう考え進んでいると、ある街に到着する。聞こえてくるのは兵士の声や剣のまじりあう音。



 ここも戦闘が起こっていると確信できるような場所である。それもメアリーやサトルたちのいた場所よりもさらに激しいのだろうと感じざる負えないレベル。

 そうこうしているうちに、メアリーは先に進みだそうとしたその時上から大きな鎌が落ちてくる。すかさず彼女は後ろに引いて回避する。大きな鎌の上から現れる存在を見てすぐさま黒騎士だと察する二人。



「黒騎士十軍隊長エリザード、どうやらエスカリーテ二世を倒したのは貴様のようだな。当然か……あやつは黒騎士十八皇帝の中で一番弱いからな。手合わせ願おう。この禍魔の大鎌ナイトメア・デスペラードの遊び相手になってくれ」



 そこに立つのは、先ほどの戦闘をしたエスカリーテ二世よりも凛々しいと感じざる負えない姿の黒騎士であった。黒騎士であるにもかかわらず、大鎌やその見た目から『死神』を連想させるような見た目である。口調から察するにエスカリーテ二世同様女性のようだが、こちらの場合はそう簡単に倒せるような者でないと察することが可能である。


 青黒いローブを着ており、当然のように髑髏をそのまま付けたような騎士姿、大鎌の方はやたら禍々しいもので、刃の持ち手のつなぎの部分に目玉のようなものがいくつもついている。

 時折発光するものであるから、なおさら不気味さを漂わせる。

 その名を言ってからすぐさま、敵の方に進み戦闘を楽しみにしていたかのように突っ込むメアリー


 

 名を名乗らない不届き者として大きな声でつぶやくが、応戦を開始する。

 一人は死神の異名を持つメアリー、一人は死神をそのまま持ってきたかのような見た目の黒騎士。死神の対決が始まるといったことだ。

 先行を取ったのは当然のようにメアリーの方であった。その攻撃の荒さは相手を翻弄するものであり、エリザードも少々驚き笑みをこぼす。

  


 しかし、そのような戦闘スタイルを完全に慣れているかのようにして、軽くあしらってしまう。

 その後に自分の体格の数倍以上の大きさの大鎌を両手で持ち一撃を放つ。



「なるほど……これでは、エスカリーテ二世もやられることだな。《死を呼ぶ深紅の造形》(クリムゾン・デス・ペレイント)」



 大鎌は赤く発光しだす。一定の力を貯めそのまま振り落とす。大地に触れた瞬間に、衝撃波となりメアリーを襲う。衝撃波は赤く染めあがっており、大きく三つに分断され、三つともがメアリーのもとに迫る。

 対抗する行動をとり始めるメアリ-、無限の鎖を発動し完全防御の体勢を取る。

 同じように赤く染めあがった鎖の防御壁、そこに対して敵の攻撃が衝突し、別の衝撃波が生まれる。

 その付近にあった品物などは吹き飛び、店は粉々になるほどの威力である。サトルも飛ばされまいとし物陰に隠れた。どう考えても自分が参戦できるほどの状況ではないのは、誰が見ても明白であった。



「やはり、この程度だと防いでしまうのか。ならば!!」



ガキイイイン!!



「!!そのまま突っ込んでくるとは……面白い人ですね。」



「貴様のような荒い戦いをしているやつには、同じようにするのがベストなのでね?まあそれもすぐにわかるさ……《地獄へのいざない》(シャドウズ・インフェルノ)」



「く……う……」


 

 メアリーのように一撃を放った瞬間にすぐさま彼女の目の前に現れ、大鎌による大きな青黒い三つの衝撃が走る。ほぼ0距離でそれをされては、いくらメアリーとて、防ぐことは不可能であり、吹き飛ばされる。その衝撃波切り裂かれたようなエフェクトをしていた。



 先ほどのエスカリーテ二世とは全く違った戦闘であり、これが本物の黒騎士の力だとサトルは物陰からこっそりうかがって知る。

 しかし、このままの状態は今までと変わらないと考えるが、エリザードのような黒騎士に対抗するものなど一つもない。悔しかったが、下手にでるよりかは何分良いものである。


 

 次第に何かをするということではなく、クロスたちに話応援を来させるようにすればいいのか? と考えもしたが、無傷の自分がそんなことをして、一体ここにいる意味は何なのか? そう思うようになった。

 メアリーの方は、吹き飛ばされていたが、難なく起き上がり突っ込む。

 戦闘に関しては、どちらも同じような戦いが続くと予想されたが、エリザードの方が幾手か上であった。次第に傷が増え、膝をつくようになり、呼吸が荒くなっていくメアリー。

 先ほどとは全く違った敵に、そもそも先ほどよりも動いてないのにそこまでの息が荒くなる。それは、立て続けに黒騎士の隊長と戦っているからが強い。



「ただの人が、一体十八皇帝を倒したことは素晴らしい。しかしな? この戦場にいるのはそれだけではないのだ。もっとよく理解した方がいい。残念だったな? 終わりだよ」



「《天下一風》!!」



 膝をついている状態のメアリーに一振りの大鎌が落とされるその時、サトルは何も考えずただ助けるということだけを考え、突っ込んでいった。

 勝つ方法は当然何も考えておらず、その一撃が当たる前に察知され、吹き飛ばされる。

 ただの兵士より何倍も弱いその存在を見て、子どもか? とつぶやくエリザード、しかしそれを言われてもなお、考えなしに突っ込み始めるサトルである。


 

 何度もそれをしていると、しびれを切らしたのかサトルの首をつかみ宙に浮かす。

 苦しくもがくが、離すわけがなかった。両者見つめ合ったが、すぐさま力を入れ首を絞め始める。逝ってしまう。そんなとき下からの大きな鎌の一撃が上へと炸裂する。



「ぐ……ガハ……作戦か!ミスったな……」



「丁度よく使えるものは使います。戦闘を甘くなめるな。」



「へへへ……一撃くらわせたぜ……はぁー……」



「面白い!!ならば、二人してかかってこい!貴様らの力どれほどなのかを知りたいな?」



 すぐさま戦闘が開始する。メアリーの動きは近くで見ると相当早く強い一撃だと知る。

 一つ一つの衝撃は風を生み出し、それすらも痛さを与える。その中に入っていくのは至難の業。

 サトルは何かできないかと考えるがやはりない。メアリーがやられているところを瞬時に攻撃し、下手に追い打ちを与えさせないようにするしか方法がなかった。



 だが、その戦いも長くは続かなかった。何倍も相手の方が上手だということは、会った時からわかっていた。メアリーは先ほどの戦いの疲労からか、すぐに膝をつくようになる。

 それを見て攻撃をしてくるエリザード、防ぐようにしてサトルは武器を使う。

 大鎌一振りはとても重く、息をする力さえも防御に徹さないとつぶれてしまう可能性すらありえた。これをうけ、さらに攻撃を繰り出すメアリーの力には感激するほどだ。


 

 大鎌を大きく振り払い二人が吹き飛ぶ。

 《死を呼ぶ深紅の造形》(クリムゾン・デス・ペレイント)そう口にし、スキルが発動する。

 先ほどよりも大きく、威力が数倍も跳ね上がっていた。二人は同時に直撃をし、気を失いそうになる。



 力の圧倒的差。夜紅直哉の言っていたすぐに死ぬという言葉、今までが命あったことが素晴らしいと考えるほどである。本来なら、メアリーとの戦いで死んでいたことは間違いない。春風霧火がすべてを解決した。何よりも自分に力がないことを悔やんだ。

 これほどまでに世界と言うのは強かったのだ。イフリート艦長が生きているときに何度か、戦いを学んだが、それ以上に敵は強かった。隣には、倒れうつぶせになっているメアリーの姿。



 エリザードはさらに現実を突きつけてきた。目の前に乱雑に置かれたサトルの武器を大鎌で砕き粉々にしたのだ。完全に戦いができなくなってしまったのだ。

 いとも簡単に破壊される自分の武器。次第に笑みがこぼれてくるサトル。

 歩き目の前に立つエリザードに恐怖し、涙がこぼれ視界が悪くなっていく。


 

 やはり死と言う恐怖には勝てない。そう彼は心に思い目をつむる。

 


「《黒炎破》(ノワール・フェルディアス)!!」



「ぐあああ!!くっそ!まだいたのか!!誰だ!」



「正義は遅れてやってくる!!黒芝悠雅くろしばはるがさま参上!!はは!!力ないのによくやるよ。ほら!これ俺が適性じゃないみたいだから、一応お前で試してみろ。何かあるかもしれん」



 何が起こったのかわからなく、鳩が豆鉄砲を食らったような感じになるサトル。

 いきなり渡された二つの水色に輝く腕輪、左手に二つ両方つけると話。言われたようにセットする。

 すると、そこから水色の光があたり一面に輝き始める。



「はっはぁー!やっぱりな?それがお前の新しい力ってやつよ!名前は確か……《創神龍》(ブリューナク)とかいってたな?忘れたわ」



 サトルを光が包み込みやがて、見た目は氷の竜のような存在に変化していた。

 髭を生やし、大きな翼、長い尾が生え、とげとげしい龍の姿がそこにはあった。どうやら、属性によって龍の色が変化し、創造することにより、それを具現化することが可能と話す。

 何が何だかわからないサトルだったが、ひとまず両手に力を込め何かを召喚した。


 

 するとそこには長い氷でできた槍が出現する。神の遺産なのか? 違ったものなのか? それを今考える余裕はなかった。ただ目の前にいるエリザードを倒すのみ。

 そもそも今まで敵だった黒芝悠雅が味方にいるのも気になる。すべてはあとに回すとして戦闘態勢に入った。




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