第四世界 《 先祖様との対面 》
「その剣の能力、僕はもう理解したよ。竜刀解放!!」
アヤトが言った瞬間竜刀は光だし、剣に火が巻かれ始めた。
彼のその行為を見て驚きを隠せないでいた海斗
ここからが本番だと……そう彼は目で訴えかけた。
広い草原に氷道院海斗と水戸アヤトの戦いが始まった。
海斗の一方的な憎しみをアヤトはうけており、好きであった如月美音を奪ったとして殺しにかかってきている。頭を抱えるような内容であったが、これ以上美音に手を出させないとし対戦を受けた。
火をまとっている竜刀を握りしめ目をつむりアヤトは小声で何かをつぶやく
それを見ている海斗は怪しいと思い突っ込んできた。
「レベル4雷電!!くらっとけ!アヤトおおお!!」
叫びながら突進してくる海斗
剣には電気が帯びており、バチバチを音を出していた。
彼が片足のつま先を地面に付けたと同時にアヤトは目を開き小声で「君の負けだ。」と目の前にいた海斗に話す。
気が付いた瞬間にはもう手遅れだった。
アヤトの足にはすでに雷の魔術がかかっており、素早い一撃が彼にぶつかり貫通する。
直撃し地面に叩きつけられる海斗にアヤトは振り返り
「君は負けた。もう戦う意味もないだろう。」
「ふふふ……さすがは新の一族だな。だがな?俺は……俺は!!まだこんなもんじゃねーんだよ!!」
海斗がそういうと、彼の周りから禍々しいオーラが発せられる。
普通ではないと考えたアヤトはすかさず後ろに下がる。
オーラはたちまち勢いを増し海斗を包み込む。
オーラが消えたときの彼の姿は体の至るところに何かの呪印が刻まれているのであった。
赤く点滅している呪印は彼の自我を狂わせるほどのに至っていた。
「アアアアハハハッハ!!これが俺の真の力《 我流紫電 》雷を超越した最強の力だよ!!これで貴様も終わりだよ!!」
力の意味はわからないが、彼の周りは雷の音や光が鳴り響いている。
笑いながら彼は「レベル7雷電」と言いアヤトに向かって思いっきり縦に切りつけた。
ズドオオオオオオオオン!!!
その速さ勢いに彼は咄嗟の判断がなければ即死レベルの攻撃
たちまち草原は地面がえぐれ土が見えている状態になっており、その周りが赤く燃えている。
雷を一つの場所に落とす勢いのある力、それを剣を振った一撃だけでこんなありさま。
まずいと思ったアヤトだが、同時に「これはチャンスなのでは?」と考えたのであった。
無作為に攻撃をしてくる海斗をやはり自身の能力では扱いきれてないのだろうか、アヤトに当たることはほぼない。回避を繰り返す彼に対して海斗は「レベル9雷電!」を発動、地面に剣を指しあたり一面を雷の魔法陣が展開する。その枠に入っていたアヤト出ようとした矢先もろに受けてしまう。
「あああああああああ!!」
膝をつき崩れるようにして倒れる。
それを見て笑いながら歩いてくる海斗は、倒れているアヤトを蹴り上げた。
「どうだ?今の調子は、屈辱的だろう。辛いだろ?俺が憎いだろ?だがな、お前はもう俺には勝てねーんだよ。残念だったな水戸アヤト」
「ふふふ……ハハ……負けはお前の方だよ!!」
仰向けになりアヤトは笑いながら海斗に言った。
すぐさま彼が何をしたのかを知るのであったが、すでに遅かった。
口には札を噛んでおり、そこには血がついていた。
左手は印の形をしている。「まさか!!」海斗はそういうとアヤトはすかさず
「術式発動!!束縛式《五芒星》」
彼らの周りは光5つの角をもつ星のマークが現れ、海斗を中心に縮んでいった。
そのまま捕まり、身動きの取れなくなり、アヤトは立ち上があがった。
いつそのようなことをしていたのかと、海斗は聞くが、回避している瞬間に地面に札を置いてたと話すアヤト「基本中の基本だよ」とバカにしていた。
しかしそれだけで止められないのが海斗である。
無理にでも外そうとしている彼にアヤトは竜刀を握りしめた。
その後彼は空に向かって水魔法を放つ。
屋敷に放った水の威力や量を超えたものが降り注ぎ、たちまちあたり一面が川のようになっていた。
竜刀を地面に指し彼は一言言おうとすると……
「やめろ!!それをすればお前も平気ではすまなくなるぞ?バカなやろうだな!あの新が泣くぞ?」
「僕自身がどうなろうが僕は平気だ。だがな、これからを生きる大切な人が傷つくのはいただけないのでね。終わりだよ。海斗……ライトニングボルト!!」
「やめろーーーーーーー!!」
あたり一面の水は電気を通しアヤトもろとも感電した。
力付き二人は倒れた。
―――――――――――――――――――
「起きてください!アヤトさん!起きてください!!」
目を覚ますとそこには美音達が心配そうに見ていた。
どうやらあの世界から脱出することができたみたいである。
海斗の方に目をやるとそこには誰もいなかった。
話によれば、突然アヤトが消えたといわれ、倒れていたところを発見したのだという。
体にあった傷はなくなっており、あの戦いはまるで最初からなかったような感じになっていた。
蒼龍水無月が何があったのかを聞きたそうにしていたこともあり、軽く話した。
その話のあと美音の声は怒り混じりであった。
海斗がどのようになったのかはわからないまま終わったが、もしあのままだとするのなら死んでいる可能性は話したが《我流紫電》持ちがそんな簡単に死ぬことはないと水無月が話す。
《極限の力》の一つとされる力
雷を極限まで自分の力にすることにより発動が可能とする。
その力は自分自身を雷の一部にすることと同じであり、感電だけで死ぬことはおそらく少ない。
誰にでも使用可能なこともあってか曲がった考えで使う人も多い。
一つの属性を1年ほど使い続ければ習得可能
しかし、海斗の場合は1年もいたということは考え抜くかった。
必ず例外はあるとして話した水無月であったが、彼がどのようにしてその力を会得したのかはわからなかった。アヤトの体調を心配し一度戻り明日また来るようにするか?と話したが、彼は問題ないとしてそのまま目的の場所まで進んでいった。
草原の場所からさらに進んだところに森がありその先に祠が存在した。
彼らはそこで立ち止まり、その後水無月は一言話す。
「ここから先は水戸アヤトさんが決めることです。もしかすればとてつもないことが起こるかもしれません。選択は任せます。」
突然のことで反応に困ったが、せっかく来たことであるため快く承諾した。
何が起こるかはわからない。かえってワクワクすることではあったが、同時に「とてつもないこと」に関して疑問が浮かんでいた。何かを隠していているのだろうか……
祠に何かをし、そのまま先に進み洞窟のような場所についた。
さらにその中を進んだ。入った途端周りの日は道のようにしてついていった。
入ってから何十分経ったのかはわからないが、彼らは言われるがまま進んでいく。
ある程度のところで檻があり、そこを鍵を開けて先に進もうとするが、水無月たちは立ち止まる。
「申し訳ございません。ここから先はあなた様だけが行くようになっております。あなたでなければいけないのです。勝手なことをしておりますが、申し訳ございません。」
「何かがあるんだね。わかったいってくる。」
「アヤト!気を付けて……」
如月美音は彼に一言話した。ゆずはたちも行こうとしていたが、止め水戸アヤトだけが行くことになった。
後ろで見守る彼らを背にその先を進んでいく。
するとまたもや祠を発見する。その先は何もない壁である。
壁一面には札が張られており、不気味な雰囲気を醸し出している。
神社の子だからなのか、彼はそれには何も考えず祠を見つめる。
数分の時が進んだ後、立ち去ろうとした瞬間声が聞こえ始める。
「おぬし何者だ?ここは神聖な場所であり、部外者は立ち入れないところだが……?」
「申し訳ございません。僕は蒼龍水無月さんに一人で入るように言われ来ました。名は水戸アヤトです。」
そう彼が言うとたちまち周りは強い風が吹き、彼は防ぐ体制をとった。
何かを感じたのか、あたり一面は震え始めた。
これは怒っているのか?とても、歓迎されているようには見えない状態だったが祠から強い光が発し目の前が包まれてしまった。
気が付けば、あたり一面白い空間にいたアヤト、どこだと周りを見渡したが前方から何やら人型がやってきたのである。
「まさか、会えるとは思っていなかった……水戸アヤト君か、良い名だな。」
「あなたは……水戸新……」
前方にいた者に対し、アヤトはすぐに理解した。
水戸新、何も疑問点が浮かばずしてそれがでてきたのである。
白と水色の装束衣装をしており、後ろには何やらゆらゆら動いている大きな尻尾が9本生えており、髪は白く、耳が出ている。優しそうなお兄さんといった見た目でそこに立っていた。
笑顔で彼に話す。水戸新、なんともうれしそうな感じで続けて話していった。
アヤトは自分の目指すべき人が目の前に現れたことに興奮を隠せないでいた。
そんな質問攻めのアヤトに「急かすな」と一言話、ゆっくりと返答し始める。
最後に新はアヤトにこれから来る存在や最悪について話し始めた。
「これから君はこの世界で『黒騎士』と呼ばれる存在と対峙するだろう。今の君ならある程度のところまではいけるが、ちょっとばかし辛いところもある。そこでだ!君に私の術を教えます。いいですね?」
それまた突然のことである。
水戸新は黒騎士のことを知っており、彼が死した理由に関しても話していた。
同じようなことが必ず起こるとし、水戸アヤトに自分が得ていた力を受け渡すと話す。
すぐにその力を自分のものにできると期待をしていると言葉を付けた。
その後光は消え祠の目の前に戻った。
何もせずして、終わってしまった。これからどのようなことが起こるのかがわからない。
アヤトは困惑したまま皆が待つところに歩いていった。
帰りが遅いと愚痴をこぼすゆずはを手名付けてから、彼女から一言
「アヤトしゃま?匂い変わりましたね?いいにおいでしゅ。」
「そうかい?……僕自身わからないよ……」
周りにいた者も変わりないと話すが、ゆずはのみ笑顔でアヤトに抱き着いて匂いをかいでいた。