第二世界 《 楽しい楽しい初クエスト 》
現在「水戸アヤト」「水戸ゆずは」「シロイ」の三名は異能力者たちが集う国【グラン・エリアス】
その場所から遠く離れた国【ルージュ・シュプレーター】にいる。
直哉からある程度の日数まではそこに滞在するとして話された。
クエストの受け方や完了の仕方、その他様々な施設に関してなどを詳しく話され、そこら辺は大丈夫であった。
1日過ごした感想としては、場所が場所なだけあって慣れない。
大きなお屋敷のような作りをした建物であり、一間であっても相当上質な作りをしていた。
いくら実世界でも不満なく過ごせるとしてもここまでのことはされたことがない彼である。
時期になれるとは思うのだが……
三人は今回クエストというものを受けるためにいくことにした。
今重要すべき点は魔法や神の遺産をどのように使いこなすかである。
お金の方に関してもなくて困るものではない。
そのまま歩いて地図に書いてあるクエスト掲示板の方にいった。
街のいたるところにクエスト掲示板が存在しており、近くにそれを受けるための手続きをする窓口が存在する。コンビニのように数多くあるので、別に迷ったりはしない。
一覧を見ているとゆずはとシロイが何やらずーっと見ているものがあった。
アヤトは何かと思い眺めてみると『イチゴ狩り討伐!!』があった。
説明はイチゴモンスターと呼ばれるものを討伐することらしい。
どうやら食べる目的で見ていたのかもしれない。
何かはしてみないといけないこともあり、ひとまずこのクエストを受けることになった一行
この世界では、どうやらイチゴが敵としてでてくるのかと考えるアヤト
(僕が思ってる以上にこの世界は面白いものであふれてる……かな……)
馬車を使い一行は目的の場所まで移動した。
どうやらそこは自分たちが拠点としている場所から早30分のところである。
近すぎて驚くくらいの距離ではあった。
回りには小学生や以下くらいの年齢の子たちがいちご狩りをしていた。
どう見てもモンスターじゃなくてただのいちご狩りだ。
そう思っているとシロイとゆずはは一緒に取りにいった。
「たまにはいいか……」と小声で言い近くにいたガイドさんっぽい人に話す。
どうやらクエストというものは誰でも受注可能であり、そのレベルによってやれるかどうかが決まる。
今回のクエストは難易度的には一番下である「白☆1」
どこからでも一番最初からスタートするのは普通としてアヤトも参加し始めた。
目的を達成して休憩しながら別のことを考えるアヤトにリスのような顔をしながら話しかけてくるゆずはがいた。
何を話しているのかわからなかったもので「終わってから話しなさい」と言い、無理に飲みこんで話し出した。どうやら今回のクエストは反復と呼ばれ何回も受けられる仕様になっている。
ゆずはとシロイはもう一度!と言いそのまま参加し始めた。
遠くからアヤトは見守っている。クエストカウンターと呼ばれるところの窓口にもらったクエストに関する情報を読んでいた。どうやらギルドと言うものに入ったほうがクエストの受注のしやすさは高いらしい。
現在アヤトたちが簡単にクエストを受けられたのは難易度もあるが、夜紅直哉と言う存在が大きいとのことである。彼のメンバーとしているので、ギルドに入らなくても高ランクのクエストにいくことが可能になっている。一般的に誰でもどのようなクエストが受けれるが、大体は力量以上と判断されたものはカウンターによってはじかれてしまう。
ギルドに入ってなければ『 黒、赤、桃、黄、緑、青、白 』のうち緑☆5までしか受けられない。
自分たちは直哉のおかげもあってか、赤10までなら受けれるとのことだった。
しかし、アヤトにはゆずはという存在がいるため安易に高いレベルにいくことはできない。
かといってこのまま低いランクを受け続けるのはかえって強くなれない。
彼はそういった悩みを抱えていた。今頃赤星10の受けれる最高難易度をしている霧火達は無事なのだろうかと心配していた。
『赤い死神』直哉に聞いたところだと異世界に召喚されて1か月ほどでいくつもの村を壊滅に追いやるほどの力を持つという。本当なら行きたいのだが、それは許されない。
空を眺め「がんばれ……」と小声で言う。
夕方になり「たべれないですー」と話す二人にしまったと思っていたがたまにはと思うアヤト
そのまま屋敷に戻っていたが、橋の前方に差し掛かったところ。中央に和服をし腰には刀を持っている者がこちらを眺めていた。仮面をし総髪をしていた。
仮面はアヤトが見たことある異世界に来る前に会ったものたちと同じであった。
まずいと思ったのか彼は竜刀を展開し持った。
しかし、相手は懐から木刀を取り出しアヤトに投げた。
それをつかむと同時に察した。
「もしかして、手合わせか……いいだろう。望むところだ。」
ゆずはたちは物陰に隠れた。夕方だというのに人が一人もおらず鈴の音が聞こえるだけだった。
両者木刀を持ち真剣になる。どちらも、いつ来ても大丈夫だというような構えでいた。
両手で握りしめ、静まり返った空気に久々の真剣勝負が来るとして楽しそうにしているアヤト
木から一つの葉が落ちた瞬間、それぞれは動き出し。
一瞬にして決着が決まった。両者とてつもないスピードであったが、アヤトの木刀は相手の顔の目の前にいっており、相手の攻撃をガードする形でもあった。
「参った……さすがだな……」
「まさか、君だと思わなかったよ。如月美音」
相手は笑い仮面を外しアヤトの方を向いた。
そばにいたゆずはとシロイはぽかーんと口を開けているだけだった。
《如月美音》
如月一族長女であり、鬼の血を受けるものである。
成績はアヤトの次のことが多いが彼が異常すぎるため一般的には基準として模範として彼女を上げることが多い。学校の風紀委員としての立場もあり、部活では剣道で部長を務めるほどの力を持つ。
別の場所では弓道をしているとのうわさもあったりする。アヤトといつも戦っているような良きライバルであるが、さすがに天才には勝てないなとして話すことは多い。
身長はやや高く、礼儀正しい、髪は胸の位置までの長さがあり、ほとんど総髪をしていることが多い。
ハーフであることから、髪が少し金に近い色をしている。
目も青く幼いころ気にしていたがアヤトの声により救われたことがある。
顔は母親似の白人系に近い。
彼らは一度場所を変え屋敷の中の椅子に腰かけた。
どうして美音がいるのかがわからなかったアヤトは聞きたかったのだ。
「アヤトの家での光を見た後に飛ばされてな。その影響でここにいる。」
どうやら光によって連れ去られたのは彼だけではなかったとのこと
もしかすれば如月家の血が関係しているのかと考えすぎなところをいったが間違いではない気はする。
アヤトに気が付いたのは彼がここに到着したときだそうだ。
手合わせをすれば大体のことがわかることからしてみたとのこと。
この数か月どのようにしていたのかと聞いたところ、水の人にお世話になっていると話した。
どうやら相当な人のようで、今すぐいけるようになった。
ゆずははなぜか不貞腐れたようにしており、シロイは笑顔でついてきていた。
幼馴染と言う言葉がゆずはには何か効いたらしい。
水の人というところの場所についた。やけにそこも近い場所であったと思い驚いた。
大きなお屋敷であり、門のところには模様が描かれている。
如月美音が両側にいる門番に話を付けるとそのまま入れることになった。
連れていかれお客様用の部屋というところで待たされた。
どんな人が来るのだろうと待っていると「お待たせいたしました。」と優しそうな声が聞こえてくる。
庭側の障子が開き入ってくる。
水色の長い髪をし、着物を付けている。
顔は優しそうな完全に日本人といった見た目であった。
たれ目であり、笑うと右手で口元を抑えるのが上品といったものである。
アヤトは見慣れているからか、それらには疑問を持たず話を聞いた。
「私は、ここの当主しております。蒼龍水無月と申します。みなちゃんとでも及びください。」
「水戸アヤトです。如月美音の幼馴染です。何かとありがとうございます。」
「お二人さんは恋人同士なのですかね?それはおめでたいですわ~」
「「え……ち・・違います!」」
驚きの返しが来たことにより美音とアヤトは二人して否定した。
それを聞いた蒼龍は笑顔になっていた。
後ろで聞いているゆずはは「そーですかー」と怒り混じりの発言をしていた。
蒼龍水無月は異能技術連合が定めた特殊技能書の中にある『マターの書』の保持者であり、蒼龍家の20代目であり四聖の青龍の力を持つとされている。
神の遺産とは違った神にも匹敵するほどの力『ブルーマター』
どんな法則を無視しても自分の思うところに水を放出することが可能
アヤトはこの時初めてマターという存在を知った。
当然のように蒼龍水無月は神の遺産を所持しており名は『水神の舞』と言う首飾りである。
突然光が発しそこにいたのが如月美音で、すぐに保護したとのこと。
蒼龍自身は美音の能力に関して素晴らしく思っており、魔法の方も感激と話した。
火、雷、光の三属性が使えることもあってかすごく重宝しているとのこと。
どうやら蒼龍水無月は、水と幻しか使えないらしく
他は日常生活でさえも無理と話した。アヤトはある意味納得とうなずいた。
その後すぐさまアヤトに関しての質問攻めを行った。
それもそのはずである。美音の幼馴染であるということやどうやら彼女はアヤトの話をたくさんしていたらしくより興味がわいたみたいである。
アヤトは納得し庭の方で少し程度属性魔法の方を使った。
通常の人とは違った悩みを抱えるのがアヤトである。
いかにして威力を弱めるかである。
下手に普通として撃ってしまえば、庭ごと吹き飛ぶし、そうなれば弁償は彼がしなくてはならない。
この世界での彼の地位は0に等しい。
後ろから美音や水無月の期待の視線があるのがわかる。
水無月に関して言えば「おもいっきりやってしまってええよ!」と言う始末。
本当に思いっきりやってしまえば被害食らうのはこっちなのですがと思うアヤトだったが、一つあることを思い出した。目の前に撃つから吹き飛ぶのなら上に撃てばいいのではないのか?と。
それを水属性にすればいいのじゃないか?とまで考え視点を上に向けた。
周りにいた者は上を向き手を上げているアヤトを見て「何してるん?」と思っていた。
魔法陣が展開し、水属性の魔法を普通程度に抑えて発動した。
ドッガアアアアアアン!ザアアアアアアアアアアア!!!
案の定その作戦は失敗をした。
大雨や台風クラスのどしゃ降りの雨を降らしてしまった。
しまいにはバケツをひっくり返すレベルの量の水が上から押し寄せることになり
庭はめちゃくちゃになってしまった。一瞬にして顔が青ざめるアヤト
あたり一面は大きな湖になっており、彼は腰までつかっている。
屋敷の中にまでその水が入り、周りにいた人もずぶ濡れであった。
当の本人は腰から砕け落ち下を向いている。
さすがに笑うしかできなかったアヤトであった。
「前より力増してる……なんで……へへ・・ハッアハ……ハハハハハ!!!」