第二十二世界 《 知られざる魔法という存在 》
スタータウン特別施設にて……
各種族の王たちがその施設に集まった。もちろんアヤトたちメンバーも含めて。
いまだ見つからぬイフリート艦長や春風霧火の捜索も含め、これからのマウス族との戦闘に備えていた。
仲間を失った悲しみか彼らは疲弊していたが、アヤト自身それをわかったうえで彼らを休ませ何日も寝ずに作業に没頭していた。
さすがに働きすぎだとして、シープ族の王は休ませたが、彼は失った仲間や行方不明の仲間に申し訳が立たないとして、無理にも動いていた。
王たちの議会がその場で開かれ、遠征部隊がマウス族の国の場所がわかったとして話し合いが始まった。
マウス族は弱いながらも知識のみで戦いを勝ってきた。
それはミノタウロス族の王が一番知っているとして話した。
彼はマウス族とかなりの戦いをしているため彼の考えをある程度知っている。
過去にキャット族というのが十二支獣の中にいたが、それがマウス族の陰謀により壊滅し今やその枠には存在しない戦いをしたという記録が残っている。
その座にはマウス族が君臨し続ける。だがそれを知っているのはミノタウロス族の王のみ
彼らはイーグル族のような力や相当な武力を持たないが、勝つための手段として知能が優れている。
勝利するということをするのなら、相手だって味方につけると話していた。
その面に関しては、イーグル族よりかは相当難易度の高い激しい戦いをするとして話した。
言っても彼ら王は地下という戦闘をあまりしてこなかったため、相手の思い通りに事が運ぶとして考えていた。いざ突撃しようものなら、確実に相手の思うつぼになる。そう考えた彼らは先に進まない話し合いに戸惑っていた。
そこにドラゴン族の王からある提案がなされた。しかしこれをすることによってドラゴン族が地に落ちたなと言われるかもしれないとした内容であるとそれぞれに話した。
どんな内容かと聞いたが、それは上空からのドラゴン族の古くにしていた殲滅作戦であった。
彼らが序列一番になったのはとてつもない力のおかげだ。そこには知識以上の力を誇り、王に関しては一人で国を壊滅させるほどとされている。そのとてつもない力を前に他を圧倒し、力の優劣の差を見るための戦闘をする前に序列一番になっていた。
彼らが得意とする『幻属性』
本来であれば、ドラゴン族の力は『火・雷・水』の三種族であり、それらを飛躍的に向上させる属性として幻を使っている。その破壊的な力はマウス族の民を、もしかしたらその国に存在するすべての人々をあの世に送ってしまうほどされている。彼らはアヤトの情報によれば、洞窟の中に生息しているとされているからには、もし他の国の民がいるとするのなら、考えなくてはならないと話した。
そのほかの王はドラゴン族の脅威とされる力を見てはいない。
長年ドラゴン族が序列一番だというのは知っていたが、現王が生まれる前の話であり、その語った内容を始めて聞いたものまでもいる。
最終手段としてそれをしようとシープ族の王は話す。
その他の王もそれには賛同した。イーグル族以上の激しい戦闘が待っているとして彼らはそれぞれ兵士に話した。
それから彼らは万全の準備として一度国に帰った。できれば使いたくないとしているものだが、マウス族には使わざる負えないだろうとドラゴン族の王も同じように思っていた。
それからアヤトは、悲しんでいる仲間のところにそれらを話そうとしていたが、重い気持ちが強かった。
それもそうだ、残虐非道なことをされたのを何もせず、何もできず見ているだけしかできなかったからだ。
もし今も辛そうにしていたのなら、自分だけでも行くと心に決めていた。
そのままサトルらが集まるであろう場所にいった。
「アヤト!おっせーよ!!話聞かせろ!!」
すぐ話しかけてきたのは、サトルだった。立ち直りが早いというわけではなく、無理してでもマウス族を倒したいという気持ちが彼らは強かったのだろう。アヤトは考えすぎだとして反省した。
このままあいつらの好き勝手にはさせれば、より多くの仲間を失うだろ。
アヤトはサトルの明るさに逆に元気づけられてしまった。
出発前の準備をしていた装備などすべてが、車ごと行方不明になり、実際戦場で戦えるほどの動きがあるものとしては、シロイ、クロイ、ゆずは、アヤトくらいだった。
サトルや和馬はどうすればとアヤト自身話したが、それもすぐに解決した。
彼自身はサトルたちのことを必要以上に何もない人として考えていたことも反省した。
まさか、彼らはそれぞれ自分の装備を持っていたことを知らなかったのだ。
今までそういうものを出したところを見てなかったからなおさらだ。
ここで各々の持つ力について話していった。
『周防和馬』
彼が持つものは、その体を十分にいかした戦闘スタイルであった。
得意とする魔術は火と土であり、技を遠くに飛ばすスタイルではなく自分にまとい身体強化などをするものであった。
【灼熱の破壊者】と呼ばれる両手装備をしている。これはイフリート艦長が昔使っていたものとして話していた。その名の通り炎をメインとしたものであり、自分の炎の力を極限にまで解放することができるとしている。
『九頭竜サトル』
【疾風の剣】という名の双剣を持ち、風、草を得意とする。
愛用のスケートボードを使った素早い攻撃が得意とのこと。
彼の風の力はボードに伝わり、そのまま滑空することが可能と話していた。
彼ら二人はアヤトや霧火の前に異世界に来ていたと話しており、その時にイフリート艦長から教わったとしている。この世界は実世界とは違い、体はある程度魔法の防御壁によって守られているとのこと。
実世界でなぜ魔術というものが発動しなかったり使えなかったかということはクロイから簡単な説明がなされた。
どうやら制御する力に関するものらしい。
実世界の魔術が使えない理由としては、空気中に魔術を作るための分子がないことと体の中に常日頃魔術回路を循環させるためのエネルギーがないことがあるとされている。
分子があれば練習などせずとも発動することが可能であるのが、体組織の魔術回路、それは人体の体力に左右されるが、魔力は魔力として体力は体力としての二つが存在する。
大体は体力の多さ=魔力の多さとされている。
この世界は酸素や窒素以上に魔術の分子が多く存在し、誰でも日常的なことなら可能である。
一部はもともと魔術回路の循環がとても良い流れや常日頃そちらに力を注いでいる人であるのなら、得意魔術があると話す。
それはとても簡単なものであり、とても難しいものである。
魔術というものであるのなら誰でも使用可能であり、実世界で分子がなくても魔術が使えない理由としては、魔術というものの存在を考えないからである。
例えるのなら、実世界のマジックやトリックと呼ばれる手品の一部に魔法というものが使われているのがその証明とクロイが語る。
サトルたちはそれを聞いて納得した。確かに一部おかしいマジックやトリックはあると反応した。
アヤトはそれを聞いてクロイに科学の力で魔法は可能なのかい?と話した。
クロイはそれも十分可能と話した。そちらに関してはこちらの世界のような詠唱と呼ばれるものを必要としないし、魔術分子も必要ない。必要なのは魔術回路のみ。
しかし、水を出すのなら雨や水たまりなどがある場所でないといけない。もっと言うのなら水素や酸素がなくては発動ができない。火を使いたければ雨が降ってないときでなければならないなど詳しい説明がなされた。次にアヤト自身の魔術について話し始めた。
彼は先祖が『水戸新』とされており、長い間九尾の力を自分のものにしているとクロイが話す。
一部そのような力を持っているとされており、同時に魔術の性質自体を理解しているからこそより大きな魔術が使えると話す。頭ではなく日ごろの努力の結晶と話す。
しかしアヤト自身の魔術の力はそれだけではなく、元々体の魔術回路のめぐりがとてつもなく良い。
本来ならそれだけでも相当大きな力を発動することが可能であり、そんな人がこの世界に来たらそれ以上に強くなるのは当たり前と話した。
得意魔術や苦手魔術はその人の生活に依存することが多く、九頭竜サトルの場合サッカーやスケートボードを使用した遊びを多くし、その環境のほとんどを草原や草の近くといった場所であるために『風・草』が得意となり、周防和馬は熱い中で道場で練習を続けていたから『火・地』になったとされる。
アヤトは自分の知らないことをすらすらクロイが話していたものであるから、質問攻めしていた。
詳しいことは自分でそれから考えるとよいとした。最後に科学魔術に関して簡単に説明をした。
少しの魔力を注ぎその他の力を集め放出するのが科学魔術である。その注ぎ込む魔力は本当に少ないものでよいとされており、なくてもいいレベルにまで言う。しかし制御したいから魔力を注ぐと話す。
通常の魔法は、空気中に存在する分子がその役割をする。
したがって、魔力を多く必要とし燃費悪いと話す。科学魔術を使えればそれの方が詠唱もなく、魔法陣さえも必要としないから、早く打てるし、魔力を注げば注ぐほどより大きな魔法になるので便利と話す。
これが魔法と呼ばれるものと最後に付けた。
魔法が使えない人は必ずいるとし、それは色々な理由が存在する。
別の世界では、どうやら武器魔術と呼ばれるものを使用した戦いをする人もいると話す。
それは神の遺産のようなものであり、武器そのものに魔術があり、大体の武器はそれだと話す。
元々魔術ができるものがそれを使用したら、今まで以上に力を発揮するだろうと話す。
だが、魔法自体使えないのはいるにはいるが、その数が少なすぎるがゆえに研究も進んでない。
一部では『ブラッド』と呼ばれる力を持つものは必ず使えないと話す。
しかしそれは、古くに壊滅した一族が持つとされており今それを持つものがいるかどうかはわからないが、0に近いと話す。
使えないのには必ず理由が存在すると付けた。
それは想像が付かないほどのものであり、有名どころではその『ブラッド』や触れればそのもの自体をなかったことにするとされる『破壊者』どんなものでも復活や修復するとされる『祝福の力』などなど
魔術を超える特別な力のすべてがそれにあたるとされる。
強大な力ゆえに魔術回路自体がなかったり、回路が別のものに変わっていたリすると話した。
アヤトたちみなはそれらを聞き、スケールの大きさに茫然としていた。
まだまだ僕らが考えていることは、ちっぽけなものだなーと恥ずかしく思えてきたアヤト
クロイはそれを見て「知らないのも無理ない、実世界では表にでないからな……」と話した。
これからどのような戦いが起こるのかがわからないが、彼らはそれらを聞き心を改め、マウス族……違うイーグル族筆頭の殲滅国との最後の戦いに備えた。




