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第二十一世界 《 終わらない恐怖 》

 何もない砂漠をただひたすら歩き続ける。そんなことをしてからいくつの時を経つのだろう。

 車が蟻地獄の方のに吸い込まれた場所の道路を探している霧火一行だが、歩いても歩いても同じ光景が彼らを襲っていた。一つうれしいと思うことは太陽があるが、そこまで暑くないということのみ。



 どうして砂漠なのにそこまでの温度差がないのかがわからないのだが、この異世界のことを考えすぎるとかえってつらくなりそうなために、あまり考えることをしなくなった。

 隣で先ほどからずーっと話しているグレン・イーターと呼ぶ顔だけの化けもの、なぜこいつがそんなに話せるのかが彼には分らずにいた。それに相槌を打つかのように立花彩も話す。



 霧火は現在【暁】と呼ばれる刀と【無双竜】の二本をもっていたが、暁のみ手持ちでしか扱うことができないため、結構しんどいところがある。刀というものは自分が思っていたものよりも随分と思い作りになっているために、さすがに捨ててしまおうかと考えもしたが、この刀の見た目からするに捨てて別のものが持って猛威を振るったら、それこそ怖い話である。



 ひたすら彼らは前に進むが何も見えてこない。

 さすがにしびれを切らした霧火はいったん止まり後ろの二人?に「このままいっても意味がない気がする。何か方法でもない?」と尋ねたが、二人そろって「ない」と返された。



 どうすればいいのかと考え一度立ち止まるが、グレンが一ついい方法があるとして話し始めた。



「おい!霧火、その刀を一度斜めに振って見せろ。」



 そう話すグレンに何もないよりかはある方が良いとして霧火は刀を鞘から引き抜こうとしたが、グレンは「そこまではせんでいい。」と話し、鞘のまま横に振ることとした。



 ドガアアアアアアアアアアン!!



 とてつもなく大きな衝撃により霧火は吹き飛んだ。

 グレンは爆笑し「頭冷えたか~?」の煽りを入れてきた。さすがに鞘に入ったままの一振りで砂漠の土煙が何十メートルもの高さになることなんて、誰が考えるのだろうかと霧火はグレンにいったが「それが普通だよ。その刀は。」と言い呆れさせた。



 一振りしただけで大きな衝撃を与える【暁】グレンは何か秘密を知っているようだったが、彼は何者かによりその姿に変えられ封印されたとして、記憶がまったくないと語った。

 何もなく振出しに戻った一行、また長い砂漠を歩き続けることになった。



 普通に歩いていると目の前から「ちゅう!ちゅう!ちゅう!ちゅう!」という声とともに大軍勢が迫ってきた。霧火はすぐさま身を隠そうとするが周りは砂漠でしかないため、どうすることもできなかった。

 グレンが霧火に「いい機会だ、その刀の力見せてやる。」といった。



 彼の予想通り目の前の軍勢はマウス族であった。

 予想外の展開に驚く霧火だったが【暁】の力がどれほどのものなのかを彼自身知りたかったこともある。

 彼が刀に手をやるとすぐさま、マウス族は霧火達に気付いたのか走ってきた。



 遠くでしかその大軍勢を捉えることができなかったため、勢いよく走ってくるマウス族の量に霧火は正直怖かった。後ろではのんきにグレンと立花彩が応援をしている。

 なぜこんな状況なのにそんな気楽に入れるのかがわからなかったが、ここはやらなくてはいけないと考え突っ込んだ。



 だが、霧火は刀の扱いすらままならず鞘から出すだけだすが、その後どのような構えをすればいいのかわかっておらず、ただ両手で握っているだけになった。

 改めてみると【暁】と呼ばれる方なの見た目は禍々しいものであるが、それがかえって美しいと感じざる負えないものであった。



「何かしてみろ!」とグレンが発し、霧火はとりあえず横に思いっきり振ってみた。

 彼はその刀の重さにより体ごと横に振ってしまった。



 ドガアアアアアアアアアアアアアン!!



 勢いにもってかれしりもちをついた霧火だったが、吹き飛ばしたあたりを見渡すととんでもないほどのマウス族が倒れていた。

 彼らは霧火の力の恐怖を覚えるほどにまでだった。後ろから見ていたグレンは「稽古つけないとだめだな。」と小声で話していた。



 何百単位のマウス兵が刀の一振りによって吹き飛ばされ倒されているのを後ろから見ていた。マウス族王は彼に対し何者だ!と話し始めた。

 まさかそこに王がいるとは思わなかった霧火だったが、素直に名前を話した。



「俺は、春風霧火お前倒すためにやってきた。」



「あの霧火か……倒されたワユ王は君を手放したことをすごく悔やんでおったな。どうだ?もし君が良ければ打ちに来ないか?」



 霧火自身マウス族に対する憎しみというものがなく、ただ敵国の仲間という認識でしかなかったためそのまま倒しに行くのも気が引けていた。

 マウス族の王に向かって「争いなどをしない国を作るのなら考える。」とそういうと、王は「よかろう」と話した。霧火はほっと安心していた。



 そのまま王に導かれるようにしてついていった。

 どうやら王の住む場所は地下であり、砂漠の下に存在した。王の帰還を喜ぶ国民もいたが、すぐさま被害があったとの報告が彼のもとにやってきた。



 グレンは霧火に対して「演技しろ。何があってもな!お前が助かる唯一の手段だよ。」と話した。

 どういうことかはわからなかった。一緒にいた立花彩は気が付いたら、どこにもいなかった。

 王は兵からの事情を聞きすぐさま、国の中の調査をしろ。と話命令した。



 霧火には「まさか外の住人がやってきて今や国がめちゃくちゃだ何もしてないのに」と話した。

 王が歩くすぐ後ろを彼らは歩いていたが、そこには重症のマウス族や破壊された機械などが存在した。



「これはひどい……」


「ひどいものである。とてもひどいものである。怖いから地下に逃げてきたのに、まさかここまでひどいことをされるとは……外のやつは許せんでちゅよ。」



 溶岩炉と呼ばれるところについた。そこはマグマがあり、その場所は壊滅的な状態であった。

 原型をとどめていないマウス族の兵士や燃やされて性別すらわからないものまでもがいた。

 王はそれを見て、とてもやるせないとし霧火に「こんな世界でも君は手を出さずに黙っていられるか?」

 このように話したが、霧火自身は「いいえ」と一言返した。



 その後大きな場所に行き、中央に王は達全国民に言い放った。



「これより戦えるもののに銘ずる!このまま黙っておられる私たちではないでちゅう!武器を持て!仲間の死を無駄にするなー!!戦うぞ!!私たちは!!」



「「ちゅう~~!!!」」



 王を取り囲む兵士や民はみな声を大きくして戦う準備を整え始めた。

 その後霧火にも手伝ってほしいとして薬を渡した。それがあれば疲れなどは吹き飛ぶ魔法のものだと語った。本当に大変だと思うときに飲みなさいとした。



 その後彼は特別な部屋を与えられ、過ごすことになった。

 何不自由ない暮らしをさせてくれたのだった。それを良いと思わない存在がいた。

 グレン・イーターである。彼は終始霧火に対して自我を持てと話していた。



 どうやらグレン・イーターは己で存在を隠すことができるようで、今は霧火にのみ見えるようにしていると話した。彼はそれを聞きながら食事をとっていた。グレンは食事というものを摂取することはなく

 食すること自体必要ないものとして話していた。そういえば立花彩は?と聞いたが、グレンもその行方はわかってないらしい、気が付いたらいなくなっていたとのことである。



 もしかすると、グレン・イーターよりも謎が多い少女かもしれないと彼は思い始めた。

 装備を持ってない少女がなぜ砂漠の遺跡の場所にいるのか、そもそも見た目他とは別物であることにも大してうっすら違和感を抱き始めた。



 暇な時間ができたため、グレンとどこまでの記憶があるのかを話した。

 どうやらまったく記憶がないらしく、そもそもなぜ自分がここにいるのかさえ知らんと話した。

【暁】に関しては前の使用者もわからない始末。グレンと暁に何の関係があるのかは本人もよくわかっていないらしい。気が付いたらそこにあったという。



【暁】の力に関してはやたら詳しかった。

 どうやらこの刀は人を倒し血を得るとより強さを増すものとしているらしい。

 手入れなどは必要ではなく、使用者によっては触れれば即死クラスの攻撃すらも可能とするほどのものとされている。逆にその力は持つものにも影響を及ぼすとされている。



 力に狂えば使用者を食らう刀、神の遺産と似たようなものだと語る。

 グレンも神の遺産のことを知っていた。どうやら相当なものらしい。

 彼自身もそれが何のために存在し、誰が作り、どのくらいの量があるのかはわからないと話す。



 それほどにまで謎に包まれる遺産とされている。

 グレンはいつから封印されたのか?と話した霧火だったが、それすらも彼は覚えてないとのこと。

 自分自身がわからないもの同士もしかしたら、気が合うのかな~と霧火は少しほどうれしく思えた。



 そんな笑顔をグレンは見ていて「なんか楽しそうだな。お前」と話す。

 まさか人ではない存在と話すのが楽しいと思える時が来るとは想像もできなかった。

 異世界に来て早数か月、実世界のことを考えると寂しいと感じることはあるが、霧火は実世界に戻ったとしても何も変化のないつまらない日々が毎日続くとしたら、今のような場所の方が好きと思い始めた。



 まさかここまで仲間ができるとは思っていなかった分、これからどうなるのかと考えた。

 最後に天国にいると思われるすずに対して「今の俺はかっこいいかな……」と小声で言い

 その日は終わった。



 一方のマウス族の王は、これからの戦闘の準備の計画を立てていた。

 伝令によれば、スタータウン付近で遠征部隊を発見したとの情報が入った。

 もうすぐそこに敵がいると考えたが、妙に余裕そうな表情で「大丈夫です。私たちには『人質』がいるのでちゅから……」と話し、その後笑いそこら中にいた兵士も同じく「そうでちゅね!」と話し合い。



 彼らは笑ったまま実験や準備に戻りその日は終わりを告げた。


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