第十九世界 《 笑う少女 》
風がやまず吹き続ける。そんな場所に春風霧火はいた。
彼は起きるとそこら一帯が砂漠だということを知る。日差しはそこまで熱くなく涼しいくらいであり、自分の知っている砂漠地帯とどこか違うのだろうかと考える。
周りには誰もおらず自分ひとりしか存在しない。
彼は何が起こったのかと思い返した。確か蟻地獄のようなものに囚われて車ごと持ってかれた気がした。
しかし彼がいる場所は道路もなくかといって蟻地獄のようなものもない。
逆に言えば、自分らが飲み込まれたであろう蟻地獄の場所よりも、自分の今いる場所の方が断然ありえそうだと彼は思っていた。それほどにまで広大な何もない砂漠を彼はただ突き進んだ。
イフリート艦長のいっていた言葉がやけに刺さる。「私は騙せない」これの意味が彼にはわからない。
契約というものに関しても、あれ以後少女の声が聞こえない。
毒も完治したみたいで何が起こっているのかさえわからないままだ。
ただ呪いというものがあり不幸な人生を送ってきていると少女がいっていたのは覚えている。
まさか今までのはすべて……?と彼は考えていた矢先、目の前に遺跡のようなものを発見した。
何の場所だろうと彼は考えながら、その遺跡に訪れた。あまり学校にいったことのない彼にとってはこの遺跡を何に例えればよいのだろうと考えこんだが、後ろから「パルテノン神殿みたいですね。」と声がした。すかさず後ろを見た霧火は驚き少し声をあげてしまった。
後ろにいた少女は少し笑っていた。見た目は赤髪でストレートにし腰くらいまでの長さがあり赤いドレスを着ており、上から下までが赤一色で少し白いレースの入った服であった。
逆に不気味と霧火は思ったが、何より驚いたのはその少女の目であった。
美しく綺麗な目をしているが、なぜか黒目がなく真っ赤に染まっていた。
禍々しい赤色とかではなく、綺麗な赤色であった。どう考えても普通の人ではないと思った霧火だったが、武器も持ち合わせてなかったので平気だろうと考えていた。
少女はにこやかになり霧火にもしよろしければ一緒に探検なんかしてみませんか?と話した。
何かあれば神の遺産を発動すればいいかと考えて一緒に回ることにした。
ある程度歩いたところで、いったん休憩とした。この場所はどうやら色々な遺跡があるらしく
見たことあるものやらないものまで多く存在した。統一性がないことに霧火は「これも飛ばされたのか……?」と考えたが、さすがに遺跡は飛ばさないだろう……と考えを改めた。
「そういえば自己紹介をしていませんでしたね。私立花彩と申します。」
彼女はそういうと遠くで見るより近くで見る方が何よりも綺麗に思い霧火は何かに吸い込まれるように彼女を見てしまった。見とれてしまったというのが正解なのだろうか。
すると彼女はこちらを見て「ん?」と顔を横にし「何かついてます?」と話した。
現実に戻った霧火は、すぐさま「いいえ」と言い自己紹介をした。
近くで見るとよりいっそう美しい立花彩という少女、なぜ?こんな砂漠に一人でいるのかはわからないし、第一に見た目が相当場違いである。誰かと一緒に来たの?と話したが、一人です。と答えさらに怪しいと考える霧火に、そんなに変な顔で見ないでくださいよ。と笑われた。
彩が立ち違うところいきましょう!と手を貸してくれた。
思った以上に身長が高い、厚底の靴を履いているみたいだがそれをぬかしても高い
165以上はあるのではないのかな?と思っていたが、そんなの今は関係ない話として再開した。
途中でなんで回っているのかわからなくなってくるほど長く多い遺跡の数々
堪能している感じが自分の中でし始めた。仲間の安否がわからないのにこんな状況なのに
すると他とは全く違った遺跡に到着した。その遺跡のみ真っ黒になっているものであり、なぜか古いと感じさせない作り出会った。
その中に入ってみると両端に松明が数メートル間隔で並べられており、一本道しかなく立花彩もいきましょう。と声をかけるものだからいってみた。
そこからまた何十分も歩き続けようやく光が見えてきた。その場所はなぜか出口というものはなく壁画が描かれているだけの閉ざされた空間だった。
次の瞬間自分たちが来たところが自然と締まり完全に密室状態に変化したのだった。
霧火はすかさず「まじかよ……」と小声で言ったが、妙に立花彩の方は冷静であった。
何かを知っているのかとは思ったのだが、あえてきがずのままにした。
その後地面が動き始め上からミイラの大群がこちらを覗き込むようにして周りを囲った。
幸いやつらは二階にいるもので、降りてこないから安心はしたのもつかの間、目の前の壁が開き狐姿の二足歩行がやつが現れた。
「我は、アヌビス・ローフバータ、今宵彷徨いし迷い子を捕まえ神への血肉と捧げよう。」
目の前の狐姿のやつがそういうと二階にいたミイラの全員が「شكرا」「شكرا」と声を上げた。
何を発しているのかはわからないが、良いことではないと彼は思った。
体長5~7メートルあるアヌビスは片手に杖を持ち攻撃を開始した。
その場から動かずの攻撃、自分の目の前に魔法陣をいくつも展開し放ってきた。
「ナザラ!サーヒン!バーリド!」
聞いたことない言葉ばかりを連発してくるが、そのすべてが魔法となって迫ってくる。
魔法の使えない霧火にとっては心の中で「魔法は何でもありかよ!」と突っ込んだ。
そういえばと思い立花彩を探したが、いつの間にか彼女は消えていた。まさか……敵?とさえ思っていたが、アヌビスの攻撃の波は止まらずよけるしかなかった。
今まで戦ったやつらとはまったくの別格に霧火自身怖がっていた。
あのワユ王でさえも、魔法に関してはそこまで激しいものではなかった。
だがアヌビスの使う魔法は、まるでシューティングゲームの弾幕のように流れてきた。
すかさず彼は「無双竜!!」と叫び刀をだしたが、戦況はかわることがなかった。
徐々に体力が削られやがてダメージを受けていく霧火、だが鳴りやむことのない攻撃の荒し。
膝をつきボロボロになった途端あの声が聞こえた。
――――――――変われ……雑魚……
「う……アアアアアアアア!!!!!」
突然の叫びにアヌビスやそのほかのミイラは驚いたが、何もないと思いそのまま攻撃を開始した。
すると霧火の体の周りから黒い霧のようなものが渦巻いてくる。
彼は数秒叫んだあと笑顔になりアヌビスに向かって刀を投げた。
スッー……・・ドガアアアアアアアアアアン!!
たちまちその刀はアヌビスの心臓めがけて突っ込んできた。
最初は音がなく緩やかなものだったが、それはまっすぐにやっていきアヌビスの心臓に狙いが定まったあとその力やスピードは増しそのままもろとも壁を崩した。
何が起こったのかわからずミイラたちはしどろもどろの状態に陥った。
霧火の背中や服の中からたくさんの鎖が流れてきた。
ある鎖を引っ張ると刀を戻したが、その奥からアヌビスが鬼の形相で襲い掛かってきた。
杖を武器替わりにし霧火めがけて落とし、そこら一帯の地面が割たが、霧火はとてつもなく高いジャンプをしそれを回避天上に足を付け加速し、すぐさま鎖をアヌビスのめがけて展開した。
無数の鎖に襲われ魔法すら撃てない状態に陥った。
必死の抵抗をし、口を開け霧火が丸々一人余裕で入るくらいの直線レーザーを放ってきた。
しかし、霧火は難なくそれを左手をかざした瞬間、触れたと同時にそのレーザーは消え去った。
驚いたアヌビスだったがすぐさま更なる鎖がアヌビスを襲い、霧火は飛びながら
「裁け!砕け!!破壊しろ!!グングニル!!!」
その声を発したと同時に右手には赤く燃えるような長い槍のようなものが現れ中心めがけて投げ飛ばした。するとそれを放った瞬間、一瞬だけ時間が止まったが、霧火が笑顔で「さようなら……」と同時に大爆発を起こした。その爆発はとてつもなく広範囲で強烈なものとなった。
たちまちその遺跡は破壊され空から霧火が着地しすぐさま倒れ、それを立花彩が抑えた。
何が起こったのかわからない彼は、どうしてこの状況になったのかも謎であった。
遺跡は大きな音を立てそのまま崩れ去った。
事情を聞こうと立花彩に話したが、彼女も呆然とし「わかりません……」と話すだけだった。
崩れた遺跡から何やら黒い光を発している場所があった。
霧火はその場所に行き瓦礫を取り除いた。そこには見たこともないような刀があった。
持ち手の部分はつばまで真っ黒に染まっており、鞘の方は赤かピンクか見分けのつかない色と黒が入り乱れた禍々しいものがあった。霧火は何となくその刀を鞘から出してみると、そこにも大きな違いがあり。
刃の部分は赤く塗られ、鎬地と呼ばれる部分はどす黒くなっていた。
霧火はすぐさまなんだこれ……と声を発したが、同時に立花彩が「なんかいますよ。」と話した。
言われるがまま向いてみると、そこには訳の分からない顔をした存在がそこにはいた。
サメのような見た目だが、色は茶色であり頭だけしかなく、空中に浮遊しているそれに触れようとした瞬間「何すんじゃこの野郎!!」と怒られた。
意味の分からない存在に困惑した霧火だが、そいつはようやく外に出られたと話した。
そいつはすぐさま霧火を見て事情を話し始めた。
「俺名はグレン・イーターという、その刀の持ち主だ。よくわからないままここに封印されたわけよ。それをお前が解いたってわけだ。わかるな?ということでお前がマスターだ!よろしくひ弱」
「わけのわからない存在が出てきたうえに、マスターとか……何それ……」
どうやら勝手に契約されその刀を持つようになった。
化け物はグレン・イーターと言いその刀の名は『暁』と呼んでいた。
その後立花彩も探している人がいるので、もしあれでしたら一緒に行動しません?と言われ。
わけのわからないときにオヤジギャグを放つ顔だけ宙に浮いている【グレン・イーター】
そのマスターになり、神の遺産も持つこれまたわけわからない状態になってる【春風霧火】
全身がほぼ赤という色に囲まれており、人探しをしていると言う【立花彩】
この三人でひとまず霧火の仲間を探すことになった。




