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第十五世界 《 神の遺産 》

 ――――――――どうして……泣くのですか?


「わからない……力がないからかな……」


 ―――――――強さというものに関してあなたはどのように思いますか?


「俺が思う強さはみなを守り助けること」


 ――――――――守って……ないですよね?


「すずは俺が殺した……」


 ――――――――わかってるじゃないですか、そうです。あなたが殺したのです。



 心の中で誰かの声が聞こえる。それはうれしそうな声で少女のような声であった。

 霧火はとても大切な人を亡くした、一生このような人と巡り合えない。

 彼は自分に力がないために起こった出来事だと語る。



 心の声は霧火に対してこのようにして答えた。



 ―――――――大事な人がいないのならば壊しましょう!



 霧火もそれを納得した。




 藍原すずは毒によって倒れた。それを抱き泣いている霧火

 後ろのアルゴン王は笑っていた。すぐさま彼をイーグル族の方に連れて行こうとしたが、霧火の異変に気が付いた。



「あなた……まさか!!」



 アルゴン王はひどく驚いていた。彼が抱きかかえる藍原すずは光へと消え

 彼はその光が集まりやがて刀へと変わった。彼の表情には感情さえなかった。

 何か来ると思い防御態勢に入ったが、それはアルゴン王でも防ぎきれないものであった。



 その刀はやがて黄金の竜に変化し、雄たけびと同時にまぶしい光を解き放った。

 ドラゴン族王はその光を見てこういった。「無双……竜」

 光が消えたときには敵対していたすべての種族は石造のように固まっていた。



 息もせず、ただそれはそこにいるのみ。

 アルゴン王も同じく固まったままであった。クロイが触れた瞬間に粉々になって消え去った。

 この竜の光は、ラビット族やシープ族の方まで届くものだった。



 そのまま霧火は倒れた。




 何時間が経ったのだろう。霧火は重い体を起こし外にでた。

 いつもなら廊下にはすずがいて、ちょっかいを出してくる。そこからスタートすることが多い。

 今日に限ってはそれはない。今日だけではなくこれからずーっとないのだ。



 イフリート艦長は霧火を呼び話をした。



「まさかとは思っていたが、言わなくてはならないな……」



 疲弊してた霧火はまるであの頃のニート生活のような表情で聞いていた。

 どうやら、霧火が発動したのは神の遺産でも、個々の能力が極めて高く古くから存在し確認されているとされる【七聖剣】と呼ばれるものだという。その名の通り七本の武器があり、今までの神の遺産とは違いその形状は確定されているもの。



 その中でも【無双竜】と呼ばれる刀はとてつもないものとされており、それだけで勝利できてしまうほどの強力な力とされている。

 だが今の霧火には、それを発動させる方法もその話を聞く余裕さえもなかった。



 大事な人を失ったことにより彼はボロボロの状態でいた。

 その話が終わった後に自室にいったご飯も食べず風呂にも入らず、寝ることさえできず。

 ニート生活以上に悲惨な状態になっていた。



 周りも心配をしていたが、どのような声をかければいいのかわからずにいた。



 ――――――「藍原すずです!よろしく!」――――――


 ――――――「なーにボケてるの?おきなさーい!!」――――――


 ――――――「元気ないね。なら抱きしめてあげる」――――――


 ――――――「霧火って意外とバカなのね?ハハハ」――――――



「俺は一体どうすれば……」



 考えれば考えるほど地に落ちていく彼を見てしびれを切らしたのかクロイが言い放った。



「おぬしは一体いつまで夢を見続けておる!!すずばっかり考えおって!今は違うだろ!しっかりせい!」



「俺は……もういい……」



 そんな霧火に向かって思いっきりビンタしクロイは去っていった。

 彼はこれでいいとしてこもった。

 クロイがでていったのを見たのか、サトルはドアの前を行ったり来たりして何かいいたくなっていた。

 下手に言うと傷つけるし、かといって言わないのもなーと思っていた。



 するとサッカーボールが彼の顔面に直撃した。

 痛い!と言い投げた方向見たらそこには静香がいて「任せた!」と言わんばかりの態度をしてた。

 サトルはどうにでもなれ!として霧火の部屋の前でサッカーをし始め一人事をいった。



「俺さ、サッカーが好きでずーっと練習してたわけよ。それなりにできたしスタメンにも選ばれるだろうと思うところまでいったんだけどさ、周りの反応はお前がスタメンとかありえねーだろ!バカなんだから無理すんなって言われてたのよ。実際俺はそれをネタにしてたところが強いから言えなかったわけよ。いつもテストは0点で、監督にスタメンやってみないか?と誘われたんだけど、なぜか俺はチーム一番のバカですし、まけたらだめっすよ!といってサッカー自体やめたんだよな。なんでやめたのかわからない。

 本当は……うれしかったしやりたかったんだけど、バカはみなに笑われてなんぼのもんだから……だから……なんで泣いてるんだろう……」



 励まそうとしてたのになぜか泣くサトルを見て静香は唖然とした。

「何してんだこいつ」と言いたそうにした。だがその後サトルは「俺は高校進学したときに怒られたんだよな。お前の努力や笑いの才能がなくなったサッカー部はくっそつまらなかった。誰も努力をしようとしないし徐々にいなくなった。」



 本当はサトルを見てみな負けない!とライバル心が強く芽生えており、彼がスタメンに選ばれたとき周りは祝福しようぜ!としてたが、彼は去っていったとのこと。自分の勘違いや行いで更なる悲惨さを招いたと話した。まったく関係ない話に静香はまた「何してんだこいつ」と思いながら見ていた。



 その後サトルは別の場所にいこうと方向を変えたとき扉が思いっきり開きサトルは顔面が直撃した。

 そのまま霧火は走ってどっかいってしまった。静香はサトルの方に向かっていき「何か決心したみたいだったよ」と言って手を貸した。



 霧火はすぐにクロイのところに行き謝った。



「ごめん!俺は何かを勘違いしてたみたいだ。力があればといつも考えていたが、なくてもないなりにやれるよな。」



「当たり前のことじゃばか……」



 その後霧火はイフリート艦長のところに行きまさかの申し出をした。

 そう……自分をイーグル族の王都まで連れて行ってくださいとのことだった。

 一度は渋ったが彼の表情は今までとは違っていた。好きであったあの子が悲しまないようにこれからは自分が思うように進むと決めたのだった。




 なぜか静香、サトル、和馬、艦長、クロイで行くことになり。

 車を走らせイーグル族の王都まで進んだ。

 気が付いたら王都まで付いていたが、入った瞬間に戦闘開始になっていた。



 クロイが霧火を担ぎ高くジャンプし屋根の上をぴょんぴょんととんでいった。

 残されたものたちは急いで王都の方にいった。

 異常な入り方をしたクロイに霧火は驚く。



「ほほーこれはこれは、天井を突き抜けてくるとは……お久しぶりですね。霧火君」



「あなたに戦いをやめるよう話にきました!




 イーグル族の王ワユはそれは困ったといわんばかりの顔つきで答えた。

 彼はこれを絶好のチャンスだと思い霧火を拘束しろと兵士たちに言い放ったが電撃が走り

 兵士たちは倒れた。王は何事だと言いそちらの方に目をやった。



「あなたのたくらみはここで終わらせます。」



「アヤトさん!先客がいたみたいです!……!?」



 王室内部では、春風霧火、クロイ、水戸アヤト、シロイの4人が集まった。

 王ワユは分が悪いが面白いとして目の前にあった薬を飲みほし隣にかけてあった双剣を手にした。

 するとたちまち彼は驚くほどの急成長を遂げ、傷は治り新しい腕が生え羽が生え大きく姿を変えた。



 ワユが欲しかった存在霧火に真っ二つにしたアヤトの二名が目の前にいる。

 面白い、なんとしてでも欲しいとし彼は全力で来ることを決意した。



「ここまで素晴らしいものも初めてです。我が神の遺産【フルンディング】あなたはどこまで耐えれますかね?」



 神の遺産を相当使いこなしており、振れば風ができて彼ら四人は動くことさえ難しかった。

 そんな状況の中最初に動き始めたのが霧火だった。

 翼での風の魔法を王は使い「ウィンド!」と声を発せば瞬く間に王室内部に竜巻が発生する。



 霧火はものを投げまくっているがまったく届かず返って味方の邪魔をしているようにしか見えなかった。

 粉々になったものの破片はアヤトやクロイに向かってやってきた。

 アヤト自身彼が何をしようとしているのかがわからなかったが、必死に抵抗している姿を見て何かをしないといけないと思い風がやんだ瞬間彼はライトニングを使い後ろに回った。



「動いてても意味がないのですけどね。」



 また竜巻が発生、次は翼からの遠距離攻撃を放ってきた。

 魔法が使えないといわれていたイーグル族だが風の魔法を使ってくる予想外の力にみな攻撃をよけるだけしかできずまともに近づくことができずにいた。



「無月一閃!!」



 そうアヤトは言うとその一撃をワユは難なくかわし「ウィンドX」そのまま斜めで蹴りを入れてきた。

 その威力は凄まじく下の階にまで及んだ。アヤトは血を吐きもだえ苦しんだ。

 腹部からの出血も激しく目の前がもうろうとしているのを王ワユは見て占めたと思いもう一度同じことをした。



「なんと死にゆく戦士よ。甘かったな。お礼だよ……!?」



 パアアアアアン!!



 上から飛んできた霧火はフライパンで王ワユの頭を全体重のっけて叩いた。

 思う以上に高く足から「グキッ!」という鈍い音がしたが、なぜか無傷の霧火

 足に何もないことを確認しワユの方を見る。



 予想以上の一撃だったようで、王ワユは足取りがおぼつかない。

 霧火はアヤトの方を見て頷きそのまま突っ込んだ。アヤトはシロイに応急処置をされてそのまま見守る。

 もう一度フライパンでワユを次はホームランのようにかっ飛ばした。



 その勢いでとっての部分だけになったがワユはとんでもない一撃をもう一度浴びせられ、そのままガラスが割れ下に落ちる。

 霧火の予想以上の動きにアヤト本人も驚きを隠せない。前城で見たおどおどしてた子とはまったくの別人のようになっていた。



 アヤトは痛い腹部を抑えながらも竜刀をだしワユが落ちたほうへと行く

 霧火はそれを見るなり何もないところから武器がでてきたことに対して「どうやったの?」とアヤトにいった。



「名前を呼んだだけ神の遺産ってそういう通常では考えられないものだからね。最後の一勝負いくよ。」



 自分の刀の名前を思いだそうとしてるうちにワユは怒り狂った表情で殺意のまなざしをしこちらを飛んでこちらを襲ってきた。



「きさまらあああ!!ただでは済まさぬぞ!!神の力を見るがい!!風の爆発ウィンドエクスプロージョン!!」



 そういうと双剣から風の衝撃波がやってき大爆発を起こした。

 いくつもやってきたそのスキルに竜刀だけでは耐え切れず二人して吹き飛ばされた。

 追い打ちをかけるようにワユは突っ込んできた。



 霧火はその時一瞬何かが頭に浮かびそれを唱えた……【無双竜!!】

 すると彼の手には無数の光が放ち耐え切れず右手を横に振ると。



 ズザアアアアアアアア!!



 相手の攻撃を相殺した。

 霧火の右手には【無双竜】が握られており、アヤトは驚いた。

 神の遺産の戦いが始まった瞬間である。


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