第十二世界 《 独裁 》
―――――――――――十二支獣議会
「イーグル族の王ワユ氏が、どうやらぼろぼろなようでちゅね?あの方があんなにもなるとは一体ラビット族は何をもっていたのちゅかね~?」
「あの戦闘時に放っていた強い光、あれは私が推測するに神の遺産だと思うのですが、いかがでしょうか?」
「もしそうだとするのなら、一刻も早く対処せねばならないな……」
マウス族、スネーク族、トラ族の三族はラビット族戦ことを話していた。
突然中心に現れる光、それによりイーグル族の王ワユは左腕、翼の両方を持ってかれた。
それからというものワユ王の過激さは増し、あれから一週間の間に十二支獣序列十一番ドック族、序列九番ボアー族がこの世から消え去った。
ラビット族とは違い、この二つに関しては一切生存者を残さないほどの殲滅をした。
そのやり方にモンキー族の王はもともとの十二支獣の在り方についてイーグル族に何度も話したが、一切聞く耳をもたず次の戦いの決まりとなってしまった。
本来十二支獣は、それぞれ特殊な力を持っており中心に眠る王を復活させないために存在している。
しかし、自然界の掟通りその中身は食うか食われるかの存在が揃っていたことにより、戦争が開始した。
誰が一番にふさわしいかということになっていた。
このままでは危ういと思いドラゴン族、ミノタウロス族、ホース族の三種族はラビット族戦後すぐさま議会を開始し、あり方について説いたが納得いく結果が得られなかった。
トラ族、スネーク族、イーグル族の力という名の制圧はそれをゆえに超えており、止めるのなら戦えとした。スネーク族に関しては、楽しければそれでよいと言いその場を去っていった。
これ以上にない状態になっていることをドラゴン族の王は考え使いたくないが使うしかないとあることを決意した。
「もしかしたら、十二支獣という国はこの世から消えるかもしれないな……」
ラビット族戦から早1週間アヤトはシープ族にある大きな図書館にいた。
彼は異世界に到着してから、文字というものに関して疑問を持ち勉強をしていた。
今となってはそれらを読み書くことが可能になり日常生活では十分なレベルにまで進んでいた。
言語は日本語で通じることは不思議であったが、通じるのならそれでよいだろうという考えだった。
アヤトはある本を見つけ今それに関して考えている。それが【神の遺産】と呼ばれるものだった。
この世には【神の遺産】と呼ばれるものが存在する。
誰が何のために作ったのかはわかっておらず、詳しいことは何一つ書かれていない。
わかることとするのなら、神の遺産は使用者あるいは適合者の望むものに変化できる。
持てば天災をもたらすほどの力を手に入れることができる。
日々増え続けており、適合者以外のものにはその存在を知られることもなく触れるという行為さえできない。いわば幻のものである。しかし戦闘などの開始すればだれにでも見えるものに変わる。
神の遺産同士が戦えばどちらかが必ず死ぬ、どんなに能力がなかろうがそれらを持つだけですべてにおいて頂点に立つことが可能である。そのように書かれていた。
アヤト自身が思い浮かんだものが刀であり名を【竜刀】としていた。
咄嗟に出てきたものがそうなのだという。しかし、突然現れることに関しても謎であり。
このものをどのように管理するのかも謎であった。常時だしっぱのままでなんとかしないとな……と彼は思った。刀を野ざらしにしているのはよくないと彼は知っていたのだ。
そこにシープ族の王が少し話さないか?と言ってきて暇だったもので、一緒にお茶をすることになった。
シープ族王はラビット族の今の状態や親友の昔話などをした。とても仲間思いのやつで一緒によく遊んでいたそうだ。そんなやつももうこの世にいない。今彼ができることはラビット族を支援するのみ。
悲しかったが、アヤトが慰め王は「ありがとう」と言い仕事に戻っていった。
最後にシープ族の王はアヤトに「そのままでいて欲しい、力に飲まれないでくれ」としていた。
やはりアヤトは異常な力の持ち主だと王は思ったのだろう。
すべての属性を通常の何十倍以上に発動することはおろか、消費する魔力もそこまでない。
神の遺産らしきものまで手に入れる。それで力に溺れないやつはいないとのことだ。
アヤト自身も自分がどうなるのかがわからず少し怖いと思うところはあった。
「新さま、僕はあなたのような正義になれますか……」
そうつぶやき彼は図書館へと戻った。
それから何日も経ち突然シープ族のもとへと何やら届け物がやってきた。
王はすぐさま兵士やアヤトたちを呼びその箱の中身について話した。
大きな段ボールがありその中身は恐ろしいものであった。
「ドック族、ボアー族、モンキー族の……次はうちなのかもしれない……ああ……・」
なんとも恐ろしい届け物であった。差出人はイーグル族の王であると誰もが確信した。
やり方のえげつなさ、倒した相手の生首を段ボールに詰め送ってくる冷酷さ、次はお前と言わんばかりの挑発シープ族王は恐怖をしていたが、アヤトにとっては絶好のチャンスとしていた。
次は必ず守って見せると……
すぐさまシープ族は戦闘の準備をしていた。いつ彼が襲ってくるかがわからない以上いつでも万端にしておかないといけない。夜襲もあり得る話であるし。そもそも身内に裏切り者がいる可能性すらある。
王はアヤトたちにのみ戦闘のさまざなことを教えた。それは彼らは必ず信用できるとしていたからだ。
アヤトの上達スピードは優秀な兵士たちも驚くほどのものであった。
1日足らずでシープ族の特殊部隊なみの戦闘まで身につけた。運動神経、頭脳すべてにおいて長けていた彼を見て、王は少しの安心をしていた。
十二支議会では、戦い以外では決着が付かないほどにまで荒れていた。
ドラゴン族の王はいよいよ動いたのである。全面的に彼はシープ族に加勢するとし、殲滅国家対救済国家の両軍として大きなものになろうとしていた。
ドラゴン族、ミノタウロス族、ホース族はシープ族へ
イーグル族、トラ族、スネーク族、マウス族との闘い。
それをアヤトは知りいよいよ来ると彼自身は思った。
イーグル族やトラ族は特に彼を燃え上がらせる要素の一つとしてあった。
ネイのためにも、王のためにも……
そのような議会になってから、シープ族の国に加勢国家の種族は時頼やってきた。
彼らは厳重チェックにより王と会い話をした。
ドラゴン族の幻の属性と呼ばれるものを使いイーグル族の無属性に対する特効として使われた。
やはりイーグル族のものは王都に出没したが、ドラゴン族の能力により見つけ次第倒されていった。
イーグル族の王はそれを知りとてつもなく怒り狂っていた。
あの今まで何もしてこなかったドラゴン族がまさかシープ族の味方に付くとは予想外だったのである。
しかも自分を真っ二つにした存在のアヤトまでもいると知り、彼の怒りは日に日に増していった。
「やはり……異世界の住人は侮れんな……あの霧火という男はまだ生きているとっ捕まえてこい。あいつも何かあるに違いない。まったく使えない護衛がいると困るな。」
霧火と一緒にいた護衛達は、イーグル族の王ワユに作戦が失敗したということを言った後すぐに護衛の家族や血のつながりをすべて惨殺したとされる。その公開処刑の悲惨さはある意味見せしめのようなものであり、身ぐるみをすべて剥ぎ兵士がもてあそんだとされている。
住人や兵士たちはそれを見て、恐怖に震え上がったそうだ。
その後ワユ王は異世界から来たであろう春風霧火を見つけ捕まえたものを王の側近にし、未来永劫死にゆくまで贅沢な暮らしをさせるとした。それは兵士ではなく階級の一番下の民であっても、奴隷であっても同じだと彼は言う。それを聞きつけた全国民が、我先にと春風霧火を見つける行動を起こした。
ワユ王は生きて捕まえてくるのなら何をしてもよいとし、国民全員に言い放った。
それを聞いた加盟諸国も同じように行動を起こした。
すべては彼が制圧するために……・




