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第十世界 《 出会いは悲劇 》

「なんだよ……これ……」



 外はもはや火の海と化していた。

 空にはイーグル軍の群れ、周りを見渡せば知らない種族がたくさんいた。

 どうやら、いくつかの種族が結託してこのラビット族を完全に滅ぼそうとしているようだ。



 水戸アヤトはどう考えても負け戦にしか見えない。この中をラビット族は戦っていくのかと心配で仕方がなかった。教授に言い彼はすぐさまネイの生存が知りたい!と言い車を出してもらった。

 車を走らせながらも回りが見えてしまう。そこに映し出されるのは武器もない人が、武器を持つイーグル族に虐殺される瞬間ばかりであった。



 異常なほどの力の差、この状況の中ネイは生きているのかどうなのか?を彼は考えていた。

 ネイの家の町に到着したが、そこはもう彼らが来た町とは程遠いくらい跡形もなく火だけがたっていた。

 アヤトは必至の思い出宿屋に行きネイを探した。



「ネイ!!どこだ!!」



「お前ラビット族のものか?」



 彼が宿の中に入ってネイを探そうとしているときトラ族にあってしまった。

 すかさずネイはどこだと彼に聞いたが、笑顔で彼はこういった。



「上で寝てるんじゃないのかな?うれしそうな声をあげてたよ。15歳だってな~あ~よかったよ。」



 彼らは装備を持たないまだ年端も行かない子を手をかけた。

 トラ族の一人を押し倒しすかさず2回にあがったアヤトは音の聞こえる方の扉を全力で開けた。



「……」



「アヤトさん……」



「おう!あれ……?お前……誰だ?」



 アヤトの目の前には無造作にされていたネイの姿、息はあるがもはや精神は死んでいた。

 その周りをトラ族イーグル族の2人が座っていた。満足そうにタバコを吸っていた。

 彼らの後ろには殺されたと思われる大人二人の首がおかれていた。



 ―――――――――――――――ここでアヤトの表情は変わった―――――――――――――――



「竜刀……そのまま楽に死ねると思うなよ……貴様ら……」



 たちまち彼の手には金色に輝く刀のようなものが握られていた。

 すかさず前にいた獣人の二人は彼に襲い掛かったが、遅すぎた。



黎明一閃れいめいいっせん……』



 彼がそういうと、目の前にいた獣人の二人は顔から下がすべて粉々に切り刻まれていった。

 だが、彼らは粉々なのにもかかわらず息があるという恐ろしい状況になった。

 彼ら二人は苦痛以上の苦痛をが走り、泣き恐怖のあまり声が出せずにいた。



 首だけのままだった二人は彼の目を見た瞬間に爆発した。

 周りも何が起こっているのかさっぱりな状況が目の前で起こった。

 すぐさま異変に気が付き先ほどあった獣人が戻ってきたが、2回に上がった瞬間に跡形もなく消え去った。恐ろしいほどの力、この数秒のうちに三人を一気に仕留めたアヤトを見て、シロイとゆずはの二人は言葉が出ない状況であった。



 アヤトは現実に戻り、ネイのもとにいった。



「ネイ……僕だよ……アヤトだよ……」



 精神的に壊れ動かず手足が震えていたネイにそばにあった毛布を掛けアヤトは泣いた。

 最後にネイはアヤトの声が聞こえたらしく「殺してください」と一言いった。

 彼はこれからのネイのことを考えれば、それが救いになるのかと思い「ごめん」と泣きながら、ネイの首を切り落とした。



 彼はその後大声で泣き力なき種族をここまで制圧し、まだ若い子をここまで悲惨な姿にした彼らを許すわけにはいかなかった。片手に握っていた刀を持ち、王を救うべく進んだ。

 ネイにはまたあとで必ず戻ってくると一言添えて……



 彼の姿に前の優しいアヤトの姿はなく、王を救いたいという必死の思いで突き進んだ。

 その行く手を阻むものを片っ端から切り落としていくアヤトを見てシロイは小声で「この人なら……」と何かに期待するようにいった。



 王都の中心部に王はいた。彼はラビット族の兵士をかばいながら自分ひとりで戦っていた。

 戦闘の知識がろくにない彼らは役立たずということであった。

 そこに白き一閃があたり一面を横切った。



 それに触れた獣人は倒れていき、何にやられているのかわからずして恐怖するのも存在した。

 王はすぐにアヤトの存在に気が付いた。だがもう遅かった。

 近づいた瞬間に王の首ははねられ、それをイーグル族の王が片足で踏んでいた。



「哀れなウサギ、やはり弱肉強食の世界を生き抜くにはそれ相応に力をつけておかないといけません。ここにイーグル族の勝利の旗を掲げます。そして残るすべてのラビット族を抹殺しろ。」



 アヤトはイーグル族の王に向かって突っ込んでいった。まさかの攻撃だったが王は簡単にかわし跳ね返した。自ら単騎で突っ込んでくるアヤトに対して彼はあざ笑った。

 しかしそれをよりいっそう彼の心に火をつけた。



「負けるかああああああああああ!!」



 たちまち彼の持っていた刀から光が放った。



無月一閃むげついっせん……!!』



 そう言い放ちそのスピードにイーグル族の王ワユ・ハーケン・イーグルは驚き攻撃をもろに食らった。

 彼は左腕と翼を一刀両断された。ワユはそのまま悲鳴を発しアヤトに睨みを付けたが、ワユはすぐに目をそらし最後に「神の遺産……まさか存在するとは……撤退だ。」と言い全勢力の撤退を言い放った。



 やがて敵勢力がいなくなったことを確認し王のところにいった。

 何も言えない自分がいた。ただ泣くことしかできない自分がそこにはいた。




 その後日が上がり、ネイと王や数多くの死者を弔った。

 ゆずは何かアヤトに言おうとしたが、シロイがそっとしといたほうがいいでしょうとして

 他の作業にうつった。国はほぼ滅んだこの戦い。



 ラビット族の王はもういない。これから誰が統治するのかが問題になる。

 人数もほぼいない、死を願う人に対しての言葉をかける人もいない。

 アヤト自身も異世界は自分がいる世界とはまったく違ったものがあると気が付いた。



 だが彼はこれで終わる気はないとして、心に決めた。

 ネイや王その他死者に対して約束をした。必ず救ってくると。

 教授から言われた言葉は「大丈夫だ。私が何とかしよう!この国には英雄がいる。それだけでいいさ!」



 返って励まされた、自分の種族がつぶされたにもかかわらず、そこまで笑顔になれるラビット族をアヤトは十二支獣序列一番だよ!と言い残して、イーグル族打倒の旅へとでた。



 行く途中にシロイから刀について尋ねられた。



「それどのようにだしました?」



「気が付いたらでてたんだよね。前も触れた気がしたけどあの時のはシロイじゃないのかい?」



「私知りませんよ?刀なんてだしてないですし……」



 前にも突然現れた刀、今回は前のように消えず今も手に持っている。

 特別鞘というものもなくどのようにして持ち運ぶか悩んだ末、包帯ぐるぐるまきにして腰につける感じになってしまった。鞘は欲しい……けどない……



 一体何なのかは彼にはわからない、しかしこれを持ってるだけで心強いのは変わらない。

 見た目は一般的な日本刀のような作りをしているが、持ち手がなぜか金色に染まっている。

 それ以外は全部一緒であるが、なぜそのようになっているのか今は考えることもやめていた。



 ある程度進んだところで街が見えてきた。

 それも大きなものだった。彼はすかさずどのような場所なのかを案内人に聞いた。

 どうやらこの街は十二支獣序列十番目シープ族が統治している国らしい。



 しかもそれが王の住む中心部としており、だから大きいんだ……とアヤトは思った。

 地図をもらい三人で広げてみたらそれはまた自分らの思っている以上の大きさで、これが十番目なのかとため息をした。ウサギ族の王都の5倍以上はあるこの街で、まずアヤトが考えていたことは王に会うことだった。



 しかし、そんな簡単に王には会わせてもらえなかった。

 冷静に考えれば当たり前のことである。見ず知らずの異世界から来たものが、なんですぐに会えると思ったのか……せっかち過ぎたのである。一刻も早くイーグル族を倒さなければ被害が広がると考えたからだ。ゆずははそんな彼を見て頬を両手で叩いて「しっかりしてください!」と活を入れた。



 ゆずはに言われアヤトは少し落ち着くようにした。

 教授からこの国を救ってくれたお礼です。としてある程度のお金というものはもっていた。

 少し休憩しますかとして近くのカフェにいった。



 現実世界にあるようなものが、この世界にもあるのは不思議で仕方ないが、今更そんなこと考えてるとこれからもっとすごいことが起きたら耐えきれなさそうなのである程度慣れないとと思い始めた。

 一方ゆずはは初めて見るコーヒーというものに興味津々であった。シロイが説明してたが、まったく聞いておらず「なにこれまずいです!!」と吐き出していた。



 アヤトは二人の行動を見て少しばかり笑顔になったのはいいが、ゆずはのことをずーっと見てるとある変化に気が付いた。



「ゆずは……君小さくなった……?」



 ゆずはに初めて会ったとき彼と同い年くらいの見た目であったが、今はどう考えてもシロイと同じくらいの見た目になっていた。一体どこからそのように退化したのかわからなかったが、ゆずはがちゃんと答えてくれた。



「ゆずはは、力を使うと小さくなってしまうのです。さっき傷を治してたのでその影響で小さくなってしまったのです。アヤトちゃま!」



 口調までもが幼くなったゆずはを見て、体の機能大丈夫かな……?と本気で考えた彼であった。

 ある程度そのカフェで時間を過ごしていたら、シープ族の兵士たちが入ってきた。

 そのままアヤトたちのところに来て「ちょっとお話があります。」と言い彼らを連れて行った。



 何も考えず連れられたが、まさかの王の城であった。

 彼らは持ち物やら腕に魔法が使えないように器具を付けられ王の部屋へと案内された。

 そこで彼は刀の存在に兵士が気付いてないことに驚いた。



 ―――黄金に輝くもので包帯ぐるぐる巻きでしかも誰からも見える左腰につけてるのにわからないはずない。ひょっとして……・?――――――――――――――――




 兵士は三人を取り囲むようにして立ち王を呼んだ。



「はるばる遠方からお越しくださいましてありがとうございます。」



「いいえ、僕たちもあなたに会いに来たので……」



「そうでしたか……それはよかったです。あと……本当にあの戦争は申し訳ございませんでした!!」



 突然シープ族の王が土下座をした。周りの兵士も一緒になって彼らに地に頭を付け謝った。

 何回も何回も謝り続けた。

 どうやら、シープ族とラビット族は仲の良いコミュニティであったが先ほどの戦いはイーグル族の方に回り自国を守るというのを決意してしまったことによる謝りだそうだ。



 彼は何度か他の族に加勢はやめませんか?と頭を下げ続けていたそうだ。

 だが、賛同するものは一人もおらず、やがて最終的にイーグル族の王に知られ「殺さなければ殺す」として脅されたのだった。



「友を守るか自国の民を守る。これは究極の選択でした。最終的に自国の民を選びました。どうかそんな私を許してください!本当は加勢して戦えばよかった……本当は……」



「あなたのせいではない!これをしたのはイーグル族です。自国を優先するのは王であるのなら、当然の責任でしょう。」



 シープ族の王は泣きに泣き声にならない声をだしていた。だがアヤトにそう言われ、次は全力で君と今のラビット族を支援しますと語った。

 現状王のいないラビット族を一度敵になったシープ族の王が治めることは許されないことだと考えたが、アヤトはそれでも「あなたのような人なら平気です。」として任せた。



「勝手に決めてしまったけど、いいのかな?」



「あんなに友人を持っている方はなかなかいません。嘘ではないはずです。平気でしょう。」



 シロイがそういうとアヤトは笑顔で頷き、次にイーグル族の国がどこにあるのか?をシープ族王と話した。彼のイーグル族に対する殺意は他とは比にならないものまで高くなっていた。




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