プロローグⅡ
プロローグⅡ
その頃、同じエッセネ派のザカリアの家でマリア達は出産を迎えていた
オギャーオギャー
静寂で清楚な空気の中に赤ん坊の泣き声だけが響き渡った
「マリアよく頑張ったわね」
「エリサベト・・・ありがとう・・」
「元気な男の子よ!」
エリサベトは赤ん坊をマリアの顔に近づけ見せた。
マリアはヨセフに抱き起こされ、初めて自分の子供を抱き抱えた。
「私の赤ちゃん わたしたちの赤ちゃん!」
頬ずりをし抱きしめた
「この子の名前は・・・
インマニエルよ!
だって、だって!
天使が教えてくださったの!」
マリアは目を大きくしてヨセフを見つめた。
『イマニエル・・・? 聖書の予言通りだ!』
ヨセフは心の中で喜び叫んだ。
「よろしいかな?」
「誰でしょうね~こんな夜中に・・・」
ザカリアは外に出た
そこには三人の学者が立っていた
「なにか・・・・ご用でしょうか?」
「申し訳ない・・・こちらで子供が生まれたのではないか?」
ザカリアは驚いた
「ええ?・・・ええ・・たった今、男の子が・・」
「やはり・・」
三人は顔をみあわせてうなずいて
「わたしたちは、聖書の予言を確かめに来た者だが・・」
「どうやら、救世主とならん存在が、お生まれになられた!」
「しいては、その子供に貢物をお渡ししたいのだが」
「中に入れてはもらえぬか?」
彼らは、メシアのための貢物を丁寧にマリアに渡した
「これらの貢物は、救世主の証の代物、大切にしまっておいて下さい」
そういうと、三人はそそくさと出て行った
ゼ ロ
救世主とならん存在も 罪人とならん存在も、生まれてきたときは、みんな平等に 0 からの出発である
生きていく道程で、善い思いと行いをした存在は、善なる存在となり、死してのち
人間の本来の世界、実在界(天国)に還り、再び、地上に降りて神近き人とならんがための修行をする
その中でも、多くの人々を正しい教えに導いた存在は、神の化身 救世主と云われる
悪い思いと行いを犯した存在は、人間の本来の姿を忘れ、地獄と言われる苦しい世界に堕ちていく
しかし、地獄に堕ちても、本来の神の子としての存在を反省によって悔い改めれば
実在界(天国)へと還って行ける。
だが、地上での悪しき思いを正さず、自分本位な自我我慾のままの心では、悪魔となり
暗い世界から抜け出せない
また、地上で行いにおいて悪を犯していなくとも、心にて悪しき思いをしてきた存在も
悲しいかな、地獄へと赴くこことなる.
実に神仏は、公平に創られている