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イツマデモ
浅い眠りの中、紗々は奇怪な鳥の鳴き声を聞いた。
『イツマデモ』
――イツマデ……、イツマデ……。
浅い眠りの中で、あの声を聞いた。
縁側でうたた寝から目覚めた紗々は、手元にあった今昔画図続百鬼のページをなぞった。
「以津真天」
奇怪な鳥の名を、呟く。
「おい、紗々」
人留に名前を呼ばれ、彼女は我に返った。
庭に入ってきた人留は、紗々の姿を見るとほっと息をつく。
「呼んでも返事がないのに鍵が開いてたから、心配した」
「そっか」
「無用心だぞ」
「ごめん」
紗々は言葉だけの謝罪をすると、寝転んだまま人留に問いかける。
「君、人を殺したことは?」
「はあ? あるわけないだろう」
「そう、か……」
――イツマデ、ワタシノ屍ヲホウッテオクノカ……。
「あれは、どこに埋めたかなあ……」
きっと怪鳥は、これからも鳴き続けるのだろう。




