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依頼をこなしてランク上げ

飯を食いに1階へ降りると、それほど多くはないが、冒険者や住民が料理を食べていた。


「お、来たなお客さん。直ぐに持ってくるから空いてる席に座って待っててくれ」


「分かった」


そう言うと宿主のおっさんはカウンターの奥へと消えて行く。あそこが厨房になってるんだろうか。


空いているテーブルに座り、料理が来るのを待つ。


「意外と人がいますねー」


「そりゃあ夕飯時だし、飯食いに来る奴はいるだろ」


現在の時刻は18時半過ぎ。大体の人が夕食を食う時間だ。


「お待ちどうさん」


宿主のおっさんが大きなトレーを持ってやって来た。


「おお、美味しそうですねー」


「美味しそうじゃなくて、美味しいんだよお嬢さん」


微笑みながらおっさんはそう言って、料理を置いていく。


「なあおっさん、この宿って他に従業員はいないのか?」


「いんや、かみさんと2人でこの宿を経営している」


かみさんの姿が見えないという事は厨房にいんのかな?


「そうなのですか。お2人では大変ではないですか?」


「それほど大変ではないよ。忙しい時は娘も手伝いに来てくれるし、従業員雇っても人件費とかが面倒でなぁ」


「ふ〜ん…娘さんは普段はなにしてんだ? どっか別の所で働いてるのか?」


「ちょっと違うがまぁ、そんな感じだな。ああ、食べ終わった食器は返却口に置いといてくれ」


「分かった」


「ちょっとあんた! サボってないでとっとと料理を持ってきな!」


厨房から中年女性の声が聞こえる。おそらくあの人が女将さんだな。なんとなくカカア天下の気がする。


「ああ分かった、今行く! じゃあお客さん達、ごゆっくり」


そう言っておっさんは厨房へと戻って行った。どうやら女将さんが料理を担当してるみたいだ。


「んじゃ食べようぜ。頂きます」


「「頂きます(ま〜す)」」


手を合わせて、見た事が無い料理を食べ始める。見た目とは裏腹にかなりの美味だった。





飯を食い終わった俺達は部屋に戻り、それぞれの時間を過ごす。


アンジェは椅子に座って本を読み、俺は剣と防具の点検、ウィルはブラウスだけになってベッドの上で横になる。


「あれ? お兄さん、今日は剣なんて使ってないですし、防具も買ったばかりだから点検する必要ないんじゃないですかー?」


横になったままのウィルが俺を見てそう言う。


「んー? ああ、確かに必要ないな。でもな、例え使っても使わなくても武器と防具の点検は毎日やれって教官が言ってたんだ」


「へーそうなんですかー、ところで明日も普通に雑用依頼をするんですかー?」


ベッドに寝転びながら話すウィル。第2ボタンまで外されて、見える見事な谷間に自然と目が向く。


「んーそうだな、雑用依頼を受けて気が向いたら、採取依頼も受けようかなと思ってる」


「討伐以来は受けないのですか?」


「討伐はなんかまだ早い気がすんだよ、なんつーか、イマイチやる気になれないんだよ。多分、心の何処かでビビってるんじゃないのかなァ」


「なるほどー、まぁ、絶対受けなきゃいけないという訳でもないですし、お兄さんの好きなようにしてください。もし討伐依頼とか受けるなら喜んで協力しますよー」


「ああ、そん時は頼むぜウィル。俺はもう寝るわ、依頼でクタクタだ」


「そうでございますか、ではコータロー様、お疲れのところを申し訳ありませんが、少々お部屋を出て下さいませ」


「ん? あーそっか、着替えるのか。あいよ、じゃあ終わったら呼んでくれ」


「あれ? お兄さんの事だからてっきり、私達を襲うかと思ってました」


「着替え中の女性を襲う程、俺は飢えてなんかねえし、疲れてるからそんな気もねえよ」


そう言って部屋を出る。そんで暫く扉の前に座ってぼーっとしてると、で中に入る。


そういや、俺ってアンジェの寝間着姿見るの初めてだな。ウィルはどうせ、ブラウスだけになってるだろ。


そう思いながら部屋に入ると、なんと2人ともネグリジェ姿だった。


アンジェは黒っぽい色、ウィルはピンクで、2人共メッチャ似合ってる。


特にアンジェなんか大人の色気がハンパない。メイド服とは違って、アダルチックな雰囲気がある。


「なんでウィルまでネグリジェ着てんだ?」


「アンジェさんが私の分まで持ってたんですよー」


「へーそーなのかー」


「普段着のままで寝るよりはいいかと……似合ってますか?」


「ああ、よく似合ってるぜ」


「ありがとうございます」


どこか嬉しそうな顔でアンジェはそう言う。


「お兄さん、私はどうですかー?」


「お前も似合ってて可愛いぜ」


「えへへーお兄さんに可愛いって言われました〜」


ウィルも嬉しそうに笑みを浮かべる。


「んじゃあ俺も寝間着に着替えるか」


そう言ってウエストバッグからジャージ一式を取り出す。


どうもこの世界の服は着る気になれないんだよなァ、元の世界の服の方が優れている所為か、若干抵抗みたいなのがある。


それに心の何処かで、元の世界に未練があるというか、元の世界との繋がりが切れちゃうような感じがしてるんだよね。


ちなみに服の汚れや破けた所を自動で修復してくれる魔法があるみたいで、主に儀式用の衣装とか特注品の服なんかに使われる。


流石に臭いまでは無理だけどそういう便利な魔法もあるらしいが、魔法の構成が非常に複雑で、色々面倒くさいらしいんだが城を出る前にオリヴィエに無理言って、土下座までして頼んで、その魔法が発動する魔法陣を刻んでもらったんだ。


お陰で数時間、パンツ一丁でオリヴィエの部屋で待たされたけど、大切な服がボロボロにならない為なら土下座など安いもんだ。プライド? なにそれおいしいの?


そんな訳で俺はパンツ一丁になって寝間着に着替た。アンジェとウィルは気を使って後ろを向いてくれていた。


「待たせたな、もう前を向いていいぞ」


そう言うと2人は俺を見る。


「じゃあもう寝ちゃいましょうか、ベッドはどうしますー?」


「じゃあ2人が使えよ、俺はソファーで寝るから」


「それではコータロー様が不憫です。私がソファーで寝ましょう」


「じゃあいっその事、ベッドをくっ付けちゃいましょうよー」


と、ウィルがそう言った。


「成る程、そうすれば3人とも一緒に寝られますね」


「そうだな、じゃあ、早速くっ付けよう」


2人は頷き、金庫をどかしたついでに貴重品を保管し、ベッドをくっ付ける。


「これでよし、じゃあ寝ようか。お休み」


「「お休みなさいませ(なさ〜い)」」


俺が真ん中で、右にアンジェ、左にウィルと横になる。


ベッドに横になったせいか、直ぐに睡魔が襲って来た。





翌朝、目を覚ますと隣にアンジェはいなくて、ウィルはまだスヤスヤと寝ていた。


腕時計を見ると7時半前だった。


「おはようございますコータロー様」


メイド服に着替えたアンジェがお辞儀をする。


「おはようアンジェ。ふぁ〜あ、あーよく寝た」


「朝食を食べに行きますか?」


「ああ。ちょっと待ってろ、直ぐに着替えるから」


「お召し物は私が洗濯しておきました」


「お、マジで? ありがとう。ていうか、この宿にも洗濯用の魔導具があったんだな」


「宿の主人に聞いたらあると言ったので、使わせて貰いました」


そう言うとアンジェは後ろを向く。その間に綺麗に畳まれた服を着る。


この世界に来てから非常識な事ばかりだが、魔法って思うと納得しちゃうな。


そう思いながら着替えを済ませて、剣を剣帯にぶら下げてウィルを起こす。防具は邪魔になりそうだったので今日は外しておこう。どうせ雑用しか受けないだろうし、もし採集とか受ける事になったら取りにくれば良いし。


「起きろウィル、飯食いに行くぞー」


「んーもう食べられませんよぉ〜…」


「寝言言ってないでさっさと起きろよ、朝飯が食えなくなっちまうぞー?」


そう言ってゆさゆさと体を揺らすとウィルは漸く目を覚ました。


「おはよ〜ございます〜」


「おはようウィル、さっさと着替えて飯食いに行くぞ」


そう言って部屋を出て暫く待つと着替え終わったウィルとアンジェが出て来たので1階へ向かう。


「お、起きたかお客さん。直ぐに朝食を持ってくるから座って待っててくれ」


おっさんはそう言って厨房へ消えて行った。


そんで朝食を済ませて、アンジェは留守番、俺とウィルはギルドに向かった。





「さて、今日も頑張るとしますかね」


「そうですねー、サクサクっと依頼を達成して早くランク上げちゃいましょう〜」


そう言いながら扉を開けて中に入ると昨日と同じく、怖い顔の先輩冒険者方がこっちを睨んでらっしゃる。


更に、ウィルも一緒に居る所為か、昨日より嫉妬の目線がハンパないです。


そんな目線を浴びながら掲示板の方へ向かい、依頼を探す。


「今日はどんな依頼があんのかなー?」


「思い切ってDランク受けちゃいます?」


「やだよ、なんでハードル上げてんだよ。例えお前のサポートがあっても俺は絶対受けないからな?」


「フフフ、冗談ですよぉ。じゃあ、どんな依頼がいいんですか?」


「雑用依頼ならなんでもいい。あ、出来れば依頼内容が簡単でそれなりに報酬が高い奴がいいな」


「んー、じゃあ、これなんてどうです? 期限は今日まで、報酬は960エルト、内容は家の前の草狩りをするだけのお仕事ですよ?」


「また草狩りか、前回より報酬はちょっと少ないが、我侭は言ってられないし、それでいいや。お前も手伝ってくれるか?」


「え〜嫌ですよー、誰が好き好んで草狩りなんかしなきゃいけないんですかー? お兄さんだけでやってくださいよー、第一、草なんて風属性の魔法でサクッと終わらせちゃえばいいじゃないですかー」


「そう言うなよ、魔法が使える事は出来るだけ伏せておきたいんだよ、目立ちたく無いからな。もし手伝ってくれたら報酬の半分をやるぞ?」


「えー半分? お兄さん大金貰ってるんだから全額ください」


「グッ、こいつ…はぁ、分かったよ。報酬は全部お前にやるよ」


「では早速受注しましょうか」


ウィルは依頼書を剥がして受け付けに持って行く。


「よーアンナちゃん、おはよう」


「あ、おはようございますコータローさん。そちらの女性はお仲間の人ですか?」


「ウィルって言います。宜しくお願いしますねー」


「ウィルさんですか、私はアンナといいます。よろしくお願いしますね」


笑みを浮かべて簡単な自己紹介するアンナ。


「今日も依頼ですか?」


「ああ、この依頼を受けたいんだ」


そう言って依頼書を出す。


「依頼ですね。えーっと、Fランク雑用依頼で依頼主はセフィルさん、依頼内容は家の庭の草刈りですね。では昨日と同じように、依頼を達成したら、この書類に依頼主のサインをもらってまたここへ持ってきてください。ちなみに、お2人で受けるんですか?」


「ああ」


「そうですか。宜しければこの際パーティー登録してはいかがです?」


「パーティーを組むとメリットとかあるのか?」


「登録の時も説明しましたが、ランクが低くてもメンバーの半数のランクが上であればDランクでも受けられますし、依頼を達成すればランクアップに必要な依頼の件数が加算されるんです。コータローさんの場合、仮にパーティーを組んでDランク依頼を受けて達成出来れば、ランクアップするためのFランク依頼を受ける回数が減るという事です。あとは…連帯責任として依頼を失敗した際の違約金を払う金額が分割になることくらいだけですね」


「つまり2人でのパーティーだったら違約金が1000エルトだとして、それを2人で半分ずつ払うってことか?」


「そうですね、パーティーメンバーが多ければその分、個々で払う金額は減りますからパーティーを組んで多分、損はないと思いますよ?」


「へー、じゃあ組もうかな。ウィルもそれでいいか?」


「いいですよー」


「決まりのようですね。ではお2人共ギルドカードを見せて頂きますか?」


俺達はカードを出し、アンナに渡す。


2人のカードを受け取ったアンナは紙になにやら書き込むとカードを返して来た。


「これで、コータローさんとウィルさんはパーティーとして登録されました。以後、コータローさんはDランクまでの依頼が受けられます」


「あいよー。サンキューな、早速仕事しに行ってくるぜ」


「頑張って来て下さいね〜」


依頼証明書を受け取り、入り口へ向かって行く。


前も思ったけど、俺って結構背が高いのに「大きいですね」と言われた事がないな。


大抵の人は言うと思ったけど、俺よりデカい奴がいるってことだろうか? まあ、実際に団長が俺より大きかったな。


だから背が高い奴に関しては見慣れてるのかもしれない。


なんて、どうでもいい事を思ってる時だった。


「ちょっと待ちなニイちゃん」


入り口への道を邪魔をするように、4人のガラの悪そうな冒険者が俺達の前に立つ。


「なんだおたく等、俺になんか用か? 俺は今から依頼をしに行かなきゃなんないんだ。邪魔しないでくれ」


「ハッ! 依頼と言ってもどうせFランクの雑用だろうが。お前、新入りのくせに美人なネエちゃんなんか連れやがって。ちょいと俺達にそのネエちゃんを貸してくれないか?」


「どうだネエちゃん、こんな冴えなくて目つきの悪いニイちゃんなんかと組んでるより、俺達と組んだ方がきっと楽しいだろうぜ。げへへへ」


あーこれは、定番の絡まれる新人冒険者イベントだな。そしてこいつらはウィル、正確には彼女の体がお目当てなんだな。下心が見え見えなんだよボケ。


「(あ〜あ、また始まったよあいつらの新人いびり)」


「(ホント、飽きねえなあいつら)」


「(あの2人も面倒な奴らに絡まれたもんだな)」


周りに居る冒険者達からそんな声が聞こえる。


ああ、ホント、面倒くさい奴らに絡まれたもんだぜコンチキショー。


「あぁ? ふざけんなよ、コイツは俺の大事な仲間だ。お前らみたいな奴らには渡さねえよ」


ウィルを抱き寄せながら目の前の男達に言う。


「なんだと? お前新入りのくせに先輩に逆らうのか?」


「先輩の言う事は素直に従った方が身のためだぜ?」


「先輩だからなんだ? ここに新入りは先輩の言う事を聞かなきゃいけないというルールはないぜ?」


もしかしたら規約書の中にあったかもしれないけど。


「ああ、ギルドにそんなルールはねえが、俺達冒険者の間ではそれが暗黙の了解となってんだよ」


「そーそー、痛い目にあいたくなかったらそのネエちゃんをこっちに渡しな。悪いようにはしねえからよ」


ニタニタと下衆い笑みを浮かべながら、舐めるようにウィルの体を見る先輩冒険者達。ウィルは怖いのか、俺の後ろに隠れた。


「お前等が作ったルールなんか知るか。こちとら今から仕事しに行かなきゃなんないんだ、アンタ等に構ってるヒマはないんだよ」


っと、溜め息まじりに言う。誰でもいいからコイツ等をなんとかしてくれー…


「ふざけんな! Fランクの新入りの癖に俺達Dランクに逆らおうってのか! 新入りは新入りらしく、黙って先輩の言う事だけ聞いてりゃいいんだよ!」


「そっちこそふざけんじゃねえよ、自分より下の奴にしか威張る事しか能がないクソ野郎共が。どうせお前等、コイツの体が目当てなんだろ? だったらその辺の娼婦でも捕まえてそいつとヤッてろ」


「生意気な奴め! ぶっ殺されてーのか!」


「やってみるか? 分かってると思うがギルド内での私闘は禁止だぜ?」


「この野郎!」


我慢の限界を迎えた冒険者の1人が俺に向かってパンチを放ってくる。


俺は体をちょっと捻って躱し、逆にこっちから冒険者の顔に向けてカウンターパンチをお見舞いする。


「ぶぎゃっ!?」


俺の顔面パンチを食らった冒険者は変な声を上げながら後ろに吹っ飛び、ピクピクと痙攣してることから死んではないようだ。


「んだよ、一発、顔殴られただけで終わりかよ」


「なっ!? 野郎よくも仲間をッ!!」


仲間をやられた冒険者達が一斉に俺に襲いかかってきた。


俺は彼らの攻撃を喰らいながらも殴り返したり、蹴り飛ばしたりしてボコボコにした。





そんで数分後には俺の足下には、顔面だけが痣やタンコブで原型がつかないぐらいにボコボコにされた冒険者達が横たわってた。


「あ〜あ、やっちゃったよ、登録したばかりなのにもう掟を破っちゃったよ…イテテ」


切れた唇から垂れる血を吹きながら、足下で気絶してる冒険者達を見ながら溜め息まじりに言う。


ホントにやっちゃったよ、これ絶対俺も罰せられるじゃん! ヤダー!


あーあ、今日はツイてないなー…何故依頼をする前に怪我しなければならんのだ。


まあいい、これを機に二度と同じ過ちを犯さなければいいんだ。


「(マジかよ!? 1人で全員倒しちまいやがったぞアイツ!?)」


「(何者なんだアイツ…あの4人を倒すとか只者じゃねえよ…)」


「(あの2人に関わるのは辞めようぜ…)」


「(活きがいいのが入ったな、こりゃ楽しみだ)」


「(へー中々やるじゃない。顔はちょっと冴えなくて目つきが悪いけど、強い男って好きよ?)」


「(ウホッ!いい男…ヤらないか?)」


っと、周りの冒険者達からのヒソヒソ声が聞こえる。あーこれは絶対、目立ったな。


といっても俺の服装で前から目立ってたみたいだから気にしてないけど。


つーか最後の奴誰だ! 俺にアーッ♂な趣味はありません!


「アンナちゃん、こいつらどうすりゃいい? ていうか、これって俺が悪いの?」


「そ、そんなことより血がっ!?」


「あー大丈夫、ほっとけば治るから」


魔法を使えばすぐ直せるけど、ここじゃちょっと人目が多い。


「水よ、我が魔力を糧に傷を癒せ『治療水(キュアウォーター)』」


突然、詠唱が聞こえ、何やらヒンヤリとした液体が顔に全体を覆ったかと思うと、唇の痛みが消えて他の怪我も治って行く。


「これで大丈夫ですよお兄さん」


と、ウィルがそう言った。


「今魔法使ったのお前か?」


「そうですよー、一応職業が魔術師ですからねー」


「そう言えばそうだったっけ、サンキューウィル。色んな意味で助かった」


「さっきのお礼ですよぉ」


と、ニッコリと微笑みながらそう言うウィル。


ていうか、闇以外の属性も使えたんだな。


ウィルの魔法に周りの冒険者も驚いている。


「ところでアンナちゃん、結局これって俺が悪いの?」


「えっ? えっとですね、その、先に手を出したのはその人達だったので、コータローさんは悪くないかと…多分…その人達はどうすればいいか私にも分かりません…」


なんだかはっきりしない感じで言うアンナ。


「そうかい…ウィル、こいつらどうする?」


「そうですねー、このままでいいんじゃないでしょうか?」


「でも、このままだと周りの人に迷惑がかかるだろ」


「そいつらなら、そのまま放っておけばいいよ」


後ろから声が聞こえたので振り向くと、若い青年の冒険者がいた。


「ん? アンタは誰だ?」


「初めまして、僕はアッシュ・ウィルソン、Cランクだよ。よろしく」


「俺はコータロー・アサヒナ、よろしく。見ての通り、Fランクの新入りだ。んで、コイツは仲間のウィルだ」


「よろしくお願いします」


「よろしく、それにしても君強いねー。Dランクの冒険者4人をボコボコにしちゃうなんて」


「まぁ、とある人に鍛えてもらったから、喧嘩はちょっと自信があるんだ。ところでこいつらは放っておいていいのか?」


ちなみにとある人というのは教官の事だ。剣術だけでなく、格闘術まで教えて貰ったのさ。


「いいさ、彼らは毎回と言っていい程新人に絡んでいくんだ。今回は彼らの自業自得だから君は悪くないよ。まぁ、ちょっとやり過ぎかな? と僕は思うけどね」


「ちょっと加減が出来なかったんだよ。ところでこの状況って、ギルドマスターが来るまで俺は残ってなきゃいけないよね?」


「ううん、大丈夫だよ。彼らの事は僕からギルドマスターに報告しておくから、君たちは依頼をしに行ってきなよ」


「そうなの? 当事者が報告しなくてもいいの?」


「うん。規約書に書いてあった筈だけど?」


「…すまん、実はあまりにも多くて、殆んど無視したから知らないんだ」


「あ、そうなんだ。まあ、仕方ないよね、みんな無視するだろうから。兎に角、ギルド内で私闘が起こった場合とかは周りの人や職員が証人だから、当事者じゃなくても報告出来るのさ」


「成る程。なら、初めて会ったばかりで手間を掛けさせて悪いけど、頼んだ」


「了解。頑張ってね」


「ああ。行こうぜウィル」


「はいは〜い」


そう言って俺達はギルドを出て行った。


雑用依頼の内容が思い浮かばなかったので草刈りにしました。


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